Re: SSS コラム  身の丈にあった英語の発信を 

[掲示板: 〈過去ログ〉多読による外国語教育 -- 最新メッセージID: 1456 // 時刻: 2024/11/25(01:05)]

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697. Re: SSS コラム  身の丈にあった英語の発信を 

お名前: スヌーピー
投稿日: 2005/9/30(00:15)

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こんにちは。
ちょっと時間が経ってからのレスで、申し訳ありません。

私は先日、外国人留学生の「日本語スピーチ発表会」を見る機会がありました。
エントリーしていたのは、短期留学(1ヶ月)で日本語を学んだ欧米からの高校生たち30人。1ヶ月の成果を発表する、という意味合いの発表会で、競技会ではありませんでした。
留学する前の日本語学習経験は様々でしたが、日本の低学年レベルの国語の本が読める程度の日本語力(YL1.0〜2.0 ?)が平均値だったように思います。
会話は、よほど丁寧に、平易に、と心がけて話しかければ何とか成立する程度でしょうか。
スピーチの原稿は、みな同じ語学学校で学んだ生徒たちなので、先生の手直し加減は平等。どうしても意味が伝わらないところだけ、先生が原稿を修正されたとのことでした。

流暢さや使う単語の難易度と、スピーチの内容の濃さは比例していませんでした。
日本語能力の低い子が小学生レベルの内容を話す、ということはありません。簡単な日本語でも、言いたいことはきちんと伝えてくる。
英語らしい言い回しが日本語の端々に残っているのも、日本語としては多少不自然でも、その子が日本人ではないのだから、かえって自然に聞こえました。
聞いていて涙が出るようなスピーチもありました。
内容に聞き入っていたので、日本語の正確さがどうのということは記憶に残らないくらいでした。そのくらい、彼らのスピーチは面白かったのです。
面白い、と言えば、一生懸命「笑い」をとることに精を出しているスピーチもありました。これだけの日本語能力で人を笑わそうとするなんて、と、私もケタケタ笑いながら、感心してしまいました。
母国語ならずとも自分の言いたいことをきちんと表現できるのは、やっぱり欧米人ならではかな、とも思いました。
こういう力を、日本の子ども達ももっと伸ばすべきだ、という考えで、日本の英語スピーチコンテストが開催されているのだと思っていました。
審査の内情はまったく知りませんが、皆さんのおっしゃるようなコンテストでは、そうでもなさそうですね。

もしこの日本語スピーチ発表会がコンテストであったとしたら、日本人が「これは良かった」と評価するスピーチは、決して古川先生がご覧になった英語スピーチコンテストのような結果(内容より発音・態度重視)にはならなかったと思うのです。

身の丈にあったスピーチは、素敵です。
でも、先生方の手直し加減を自粛しましょう、と呼びかけても、それは不可能でしょう。
より高度なものを求めるのは、自然ですから。
難易度をコントロールするのも、難しいような気がします。
学校で習った単語範囲内で、なんて、余計に不自然。
審査の方向性から変っていってくれるしかないですよね。

スピーチの評価って、多読の本の読み方と同じであるべきじゃないのかな、と思います。
「難しかった」「簡単だった」「難しい単語がどのくらいあった」という感想では、本を楽しんでいることにはならない。
「おもしろかった」「つまらなかった」「泣けた!」「しらけた・・・」というなんらかのインパクトの内容で、本は評価されるもの。
スピーチの評価もそうであれば、身の丈を超えた「立派」過ぎる言葉には何の意味もなくなってくるでしょう。

スピーチを聴いている中学生、高校生に「どのスピーチが良かったか」を投票させる、なんて評価もおもしろいと思いませんか。
現状のスピーチコンテストだと、聴いてもらうのは聴衆ではなく審査員であり、その審査員を感心させようと高度なスピーチへ走っているきらいもあるのではないでしょうか。
同年代の心を動かせないスピーチは、淘汰されるという方法です。
発表生徒の「皆に聞いてもらいたい、分かってもらいたい!」という気持ちも強くなるでしょう。
普通の審査員評価と学生会場審査員評価をあわせ(歳末NHK紅白みたいに)るにしてもその比重や、会場審査員もある程度聴く力を持っている生徒をピックアップして投票してもらうのか、誰にでも投票権を与えられるのか、等によって、それぞれのスピーチコンテストの色が現れるかもしれません。

何も知らない素人が、好き勝手言っていると思われたら、どうぞお許し下さい。
でも、「聴いても発表しても楽しい英語スピーチコンテスト」が増えたら、素敵でしょうね。


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