[掲示板: 〈過去ログ〉多読による外国語教育 -- 最新メッセージID: 1456 // 時刻: 2024/11/25(20:52)]
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お名前: えすてる
投稿日: 2005/3/18(21:07)
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昨年の秋、酒井先生の講演を聴いて、10月から多読を授業に取り入れてみました。以来、途中でくじけそうになりましたが、掲示板で皆さんに励ましていただいたり、いろいろ教えていただいたりしながら、年度末まで5ヶ月余り何とか続けてくることができました!報告を聞いてくださいね。
私の勤務先は進学校ではない高校です。多読は、授業では2年生選択講座の9人(男子4人・女子5人)を対象に、また放課後に1年生の有志が本を借りていくという形でやってきました。
1.授業のようす
授業は週3時間ありますが、1時間はAETとの授業、1時間は多読、1時間はリスニング・文法・シャドウイング・読み聞かせなどいろいろ・・という感じに落ち着きました。
多読用に、図書館にORTをStage9まで1セット入れてもらい、あとは私物のLLLとSIR、ICR、その他の絵本をカゴに入れて持ち込んでやりました。ORTのStage5くらいまでは全員読んだと思いますが、途中からそのまま読み進む人、LLLに移る人、絵本専門の人、とタイプが分かれてきました。授業のみでしか読んでいないのですが、ほぼ全員が4〜5万語になりました。ただ、まだGRには誰も入っていません。
9人は結構にぎやかな人たちなのですが、週1度図書館で行う多読の時は、最初こそざわついているものの、10分もすると文字通り「しーん」という感じになり、読むことに没頭しています。(あまりに静かなので毎回熟睡してしまう子も一人いて、私は酒井先生ほど寛大ではないので、しょっちゅう起こしていました。) 始めて3ヶ月くらいの頃、停滞期がありましたが、ちょうど冬休みが入ったのと、アドバイスをいただいて新しい本を加えたりしたせいか、なんとか乗り越えられました。
2.生徒たちの声
最初は「英語だけの本を読むなんてありえない」と言っていたのですが、読み進むうちに自信も芽生えてきていて「辞書もひかずに読んでいるなんてすごい」とか「楽しい」「続けていきたい」という声が大半です。また「テストの長文が気にならなくなった」「ならびかえの問題ができるようになってびっくりした」という感想もありました。
今年度最後の多読授業の時、Newspaper Chase の英文のみを書いたプリントを「ちょっと読んでみて」と渡しました。内心ドキドキでした。だって、細かい字でぎっしりと英語しか書かれていないものなんですから、きっと文句を言うと思ったのです。が、誰も何も言わずに、さっさと読み始めたのにはビックリ仰天してしまいました(心の中で、です)。実は最初と最後のみ、そのままで、それ以外のパラグラフは順番をバラバラにして作ったプリントだったのですが、和訳を渡して「順番違うから並びかえてみて」と指示を出すと、訳にちらっと目を通すと、英文の方を斜め読みして、あっという間に全員が正確に並びかえてしまいました。その後、空欄補充やQ&Aもみな正解でした。
授業の後で、一人の生徒が「多読をやる前だったら、あんなプリントは見た瞬間に捨ててたと思うよ」と言いましたが、本当にその通りだと思います。英語が苦手な生徒も多いのに、多読で確実に英文に対する抵抗感がなくなり、自信も誇り?もついてきている姿に嬉しくなりました。
また、1年生の授業で、関係代名詞の説明の際に英英辞典の例文を紹介したところ、自主的に多読をしている生徒が授業後に「英英辞典がほしい」と言ってきました。私の持っているのは適当ではなかったので、AmazonでLongman Basic English Dictionaryを取り寄せて見せたところ、「ぜひ欲しい」と喜んで買っていきました。こんなことは本校では初めてだったので、ちょっと感動してしまいました。
3.近況&今後
授業で取り組んだ生徒たちのようすを見て、これは是非とも一部の生徒だけじゃなくて、みんなにやってもらいたい、そのためには本が足りない・・と、2月末から3月前半にかけて、英語科の職員にもしょっちゅう話し、PTA新聞にも記事を書き、校長に掛け合い・・と、飛び回りました。
一番は生徒たちの感想や反応がよかったことが理由だと思うのですが、県からは予算がつかないから・・と言われたその日のうちに、同窓会やPTAの関係からお金を出してもらえることになり、ORTをもう1セット、LLLを新たに1セット購入しました。後は、少しずつGRや児童書・絵本などをそろえていきたいと思っています。職員の中にも多読を始める人々もでてきて、嬉しい限りです!新年度は、1・2年生全クラスで、週1回くらい多読をしていけそうです。
それにしても、多読に関しては私自身が本当に楽しんでいることが、これを広めよう!!と積極的に動き回る原動力になったとしみじみ感じています。どんなに良さそうなことでも、自分が楽しんで、効果も実感していることにまさることはありませんよね。多読について話すうちに、以前からペーパーバックを楽しんでいる同僚からいろいろ面白そうな本も教えてもらい、それを読もう(今、しっかり「積ん読」している本を読んだら・・)という新たな目標もでき、楽しくて仕方ありません。
多読を教えてくださった酒井先生、皆さんに心から感謝しています。一人でも多くの高校生が英語を楽しみつつ、力をつけてくれるといいなと心から思っています。またいい報告ができるように、新年度もHappy
Readingで行きますね。
では、また。
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