[掲示板: 〈過去ログ〉多読による外国語教育 -- 最新メッセージID: 1456 // 時刻: 2024/11/26(01:26)]
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お名前: KYO
投稿日: 2005/2/1(21:03)
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皆さん、ご無沙汰しています。専門学校や予備校等で英語を教えているKYOといいます。久しぶりの投稿です。
つい先日センター試験のリスニングテストがセンター試験のウエブサイトで公開されていたので問題を聞いてみました。結構本格的な印象でした。英検準2級から3級ぐらいという話を人から聞いていたのですが、私の印象では準2級かそれ以上だと思います。ただ、2回聞けるので難しさは下がるかなと思いました。センター試験へリスニングが導入されることで多読が高校の授業で取り入れられる機会が多くなるのではと期待しています。
リスニングテストがどういうものか少々詳しく書いてみます。英文が読まれる速さは十分速いです。読みあげにかかった時間と語数を計算してみましたが、150語/分(場合によっては180語/分)です。TOEICのスピードだと感じました。英検はもっと遅いです。英検のウエブサイトに行くとリスニングの音声が聞けるので較べて聞いてみるとよくわかります。3級や準2級はこれよりもっと遅いし、2級かそれ以上という感じがしました。
高校生だと、100語/分以上で英文を読める子は少ないですから、多くの生徒は速いと感じるでしょう。2回聞けても、速さについていけない子は、何回聞いても結局何だかよくわからないという印象を持つでしょう。
1の会話文+質問が6問(選択肢は絵か数字)2の会話文に続く英文を選ぶ7問、ここらあたりは英検準2級でだいたい対応できると思います。
3の会話文+質問 4のモノローグ+質問はそれぞれBの問題が長め、Bが解けない生徒はたくさんいそうです。Aの短めの方も英検やTOEICの同趣旨の問題と同じぐらいか若干長めです。3と4のBは、TOEFLのパートCをお手本に作ってる感じがします。「リスニングテストは内容がない」というような批判に対して、TOEICよりはアカデミックなTOEFLに似せたのではないかと思います。ここらへん、いろんな批判を考慮して作られた試験という印象を持ちました。
全体のボリュームが少なくて、2回聞けるということで難易度を加減していますが、1回しか聞けなくて問題数が3〜4倍に増えれば、TOEICやTOEFLです。(つまりTOEICやTOEFLのリスニングは文字でみればそんなに難しくないということでですね。多量の英語を分速180語で1時間弱聞き続けなければならないためにスコアをとるのが難しくなるわけですよね)
今後、リスニングテストの扱いがどうなっていくかは未知数ですが、(今決まっているのは配点が200点満点のうち50点)1回しか聞けなくなったり(英検は過去その方向で変わってきました)問題数が増えて配点があがれば、これまでの教えかたではますます対応しきれなくなっていく感じがします。やはり易しいものを多量に耳からも目からもインプットするというやりかたが今後はより求められるんいくのではないでしょうか。
多読をやらせれば、易しめの英文の処理能力があがりますから、リスニング対策としてはとてもいいと思います。リスニングの力をあげる方法として、速く英文を読めるようにするというのは以前から有効な方法の方法のひとつとされています。多読3原則もリスニングにぴったり当てはまります。聞いている間は辞書は引けません、わからないところはとばすしかありません、まったくわからなくなればその話は聞くのをやめるしかないです。
またリスニングテストは問題をやらせるだけでは不十分で、英語の音をできるだけたくさん聞かせて英語の音に馴染ませる必要があります。シャドーイングが有効なのは言うまでもなく、さらに多読をする際に、リスニング用のテープやCDもある程度そろえて耳から聞くお話も随時入れればこのあたりはクリアできそうです。
こういうふうに考えると、センター入試でリスニングテストが導入されることで高校の授業でも、多読の必要性が高まって、多読を導入する学校が増えるのではとつい期待したくなってきます。
私が教える予備校でもセンターのリスニング対策をどうするかを今検討中です。リスニングと多読を組み合わせたクラスを4月からできるかもしれません。高校の教育現場ではすでにリスニング対策用の教材導入が準備段階だと思いますが、実際はどういうふうになっているのでしょう。このあたり教えてくださる方があればうれしいです。
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