「熱心な」教師&従来型の授業との兼合い

[掲示板: 〈過去ログ〉多読による外国語教育 -- 最新メッセージID: 1456 // 時刻: 2024/11/24(20:34)]

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164. 「熱心な」教師&従来型の授業との兼合い

お名前: KYO
投稿日: 2004/2/21(10:51)

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下のツリーがかなり長く伸びているので新たな発言にします。

下のツリーで学生との信頼関係の形成が多読指導の成功の鍵であるという話題に関連してちょっと思ったことを書かせてください。

SSS多読ではなく従来型の授業で教えている教師で、ある種「熱心」な人ほど多読が受け入れにくい面があるのではないかという気がするのです。非常に熱心に教材研究をし授業でも一生懸命教えれば、学生も応えてくれて信頼関係も生まれそれなりに効果もあがる。そういう教師の場合、SSS多読の話を聞いても、自分が今やっている方法でも十分よくやれているし、学生たちとの信頼関係も良好だから、新たに多読による授業を取り入れる必要はないと考えるのではないでしょうか? こういう人たちを説得するのにはどうしたらいいかなと思いますね。皆さんなら、どうなさいますか? 何か有効な方法ってあるでしょうか?

さらに、それから発展してちょっと書き足します。自分はここ3年ほど"English Grammar in Use"をテキストに、主に英語を使って文法を教えるという授業をやってきたのですが、導入の工夫や自作のワークシートなどで3年目にしてようやく自分でも今年はうまくいったかなと思える授業ができました。まだ英語の理解力が高くない学生に英語で文法を教えるのにはいろいろ試行錯誤があったのですが、今年度は学生たちとの距離感も近いなあと感じる場面も多く、授業アンケートでも学生たちがよい評価をしてくれていてとてもうれしく感じました。

しかし、私の場合、"文法をいくら一生懸命やっても間接的な影響しかない、結局、英語力はinputを増やすしかない"と思っていますから、「授業外で文法の勉強に時間を割かないで、この授業内だけでやり切りなさい。自分で自由に使える時間は英語に少しでも触れるように」といいます。翻訳を教える授業に至っては「翻訳を勉強しても英語力は伸びません。授業で教えられるのは翻訳の技術です」と明言しています。

私自身もある種「熱心な」教師の1人かなと思いますから、"多読の授業ほど英語力の伸びには貢献しない、間接的な影響に留まる"と思っていても、やはり従来型の授業でもその授業の枠内でできることで、どうやったら学生が興味を持つだろうか? どうやれば理解が深まるだろうか?といろいろ工夫をします。枠組みから出ることができれば、そして、できるように努力するということが肝心なのでしょうが、カリキュラムというものがあり、それぞれの授業に一定の目標達成が割り当てられている場合は結構難しいと感じています。

ここら辺はかなりのジレンマで、多読指導以外もやっていらっしゃる先生たちは多かれ少なかれ感じていることだと思いますが、どう自分の中で折り合いをつけていらっしゃるのかな?と思います。スパッリ割り切って、カリキュラム上の授業目的はちょっと置いて、多読をとにかく導入するという場合もあるでしょうね。(カリキュラム全体が妥当かどうかの問題はもちろんあり、妥当性自体にも考慮しつつ、全体の中で自分がどういう役割を担っているかの位置づけもそれなりにやってはいるつもりですが)

自分の場合は、長期的には多読を何とか進めていきたいが、従来型の授業でもできるだけのことはしたいと思ってしまうので、オーバワーク気味になるという状態に甘んじています。来年度はたまたまカリキュラムや担当の変更でかなりの授業が新たに組まざるを得ず、そのうち多読指導は全体の6分の1ぐらいにしかならないので、これでは多読より他の授業準備のほうにすごく時間がとられる〜と昨日ちょっと青くなっていました。

そろそろ4月からの授業準備を本格的にされる頃だと思うのですが、皆さん、このあたりの問題、どう対処されていますか?


▼返答


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