[掲示板: 〈過去ログ〉多読による外国語教育 -- 最新メッセージID: 1456 // 時刻: 2024/11/24(04:32)]
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お名前: 酒井@快読100万語!
投稿日: 2007/3/13(23:28)
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いづこさん、お待たせしました。
さかい@tadoku.orgです。
〉いづこです。お二方の議論、とても興味深くうかがっています。
〉この返信は、酒井先生の2つめの返信がつく前に書きました。
〉その2つめに対応して書き直す時間がないので、
〉すみませんが、その前の段階ということでご了承ください。
〉(ここ以降は、一切直してません・・・)
〉そもそも何かについて議論するとき、
〉「***」(=議論の対象(のみならず、それが含むいろいろな概念すべて))とは何ぞや?という点が
〉明らかでないと、ほんとうに議論になりませんね。
〉「文法学習とは」、「語彙力とは」、「語彙増強学習とは」、
そして「英語力とは」。
〉どれも、できれば相手の方との共通認識のもとに、お話したいものです。
〉(でも、まるっきり同じ人生を生きてきたのでないと、無理かも。笑)
そうですね。これはひじょーに根本的なことですね。
どんな用語についても、二人の人が完全に一致することはなさそうです。
でもまあ、共通部分がある限りはそこを手がかりに対話をつなげていき
ましょう。
〉今回「お二方それぞれのおっしゃる『文法』とは?」という点をある程度明らかにしていただき、
〉(えーと、酒井先生は、「作法としての文法」のみが文法である、という理解でよろしいでしょうか。)
〉非常に参考になりました。
〉ありがとうございました。
どういたしまして!
はい、いまのところある程度でもはっきりしているのは
作法の文法だけでしょうね。
(あー、くわしい説明をしたくなるけれども、ここは我慢)
〉>ここをもっと聞きたいという方からの質問は受け付けますよ!
〉>古川さんとぼくが別々の道を行くというのはこの掲示板にとっては
〉>大事件かもしれません。そうだとしたら、みなさんにちゃんと説明するのが
〉>古川さんとぼくの役目だと思われます。
〉どうぞよろしくお願いいたします。
〉では、酒井先生に質問です。
〉1年半〜2年ほど前に、私が酒井先生に
〉「文法学習は、多読である程度読んでから、
〉さらに、自分の考えで書いてから、話してからその後、
取組むべきことだと思う」と申し上げてみたら、酒井先生は、
〉「でも、ビジネスなどで、相手に失礼のないように
(自分の立場が悪くならないように?)
〉するための文法は必要」と
〉おっしゃっていました。すでにこのとき、「作法としての文法」のお考えがお持ちだったのだな、と思います。
いづこさんの言うとおりですが、いづこさんの考えを聞いて、
その先にあるものについてもぼくの考えを聞いてもらい
たかったんでしょうね。
〉でも、この会話のときは、文法学習のタイミングとしては、
酒井先生のお考えでは、私の思う「アウトプットより後」、
〉よりは早くに、「文法(作法として)」をするべきと思われているのかな、と思いました。
いえいえ、必要を感じたら同時でいいと思います。
実際に必要が生じないとなかなか「作法の文法」に本気で
取り組む気にはならない。
〉あら、私、酒井先生より、(学習(学習?)初期において)文法不要論過激派だったのね・・・とか、
〉そのとき思ったのですが、
はは、そうじゃないです。おなじくらいだとおもう。
〉質問です。2は、そのうち先生のウェブサイトで、かもしれません。
〉できれば1にお答えいただけないでしょうか。
〉1. 現在、酒井先生は、文法学習(作法として)のタイミングとしては、
〉どんなタイミングが良いと思われていますか?
上に書いてしまいましたね。必要を感じたらでいいです。
もちろんその前に英文をかなり吸収していた方がいいでしょうね。
〉2. そして、作法としての文法の内容(学習項目)は、どのようなものでしょうか。
〉なお、私は、文法学習のタイミングはこうありたいと考えただけで、
〉その学習項目は考えていませんでした。爆
これはさっきも書きはじめそうになりましたが、ごく簡単に・・・
「作法の文法」というのは、要するに意思伝達の周辺部分に関する
規則ということですね。これは東京と京都で慶弔の水引がちがう
といったことと同じです。
日本の受験には日本の受験の作法があり、アメリカのinner cityには
アメリカのその都市のinner cityの作法があり、
それぞれその規則に従わないとそのコミュニティから弾き出されます。
この作法の文法はそれぞれのコミュニティについて、
研究もされ、かなりくわしく記述されてもいます。
The Elements of Styleなんていうマニュアルが有名ですね。
あー、長くなりそうなので、この辺で。
〉古川さんの、「文法とは?」興味深い内容でした。
〉私にとっては、「語順」のみが「文法」で、その他は、「語彙」です。
おー、いづこさん、ぼくもほぼ同じだ!
実際それと同じことを古川さんが昔開いたシンポジウムで、
慶応大学の田中茂範さんが言っていました。ぼくも同意しました。
〉このようなラインナップでしたら、私にとっては
(あくまでも私にとっては)、
〉古川さんが教えていらっしゃるのは、文法ではない、という気がします。
〉(Grammar in Useをなさっているかと思っていました。失礼しました・・・)
はい、文法と言うよりは慣用ですね。
それだけに、「規則として教えること」はむずかしいわけです。
慣用の「事例として指摘すること」しかできないと思われます。
〉以下は愚にもつかないゴタクです。
〉わたしは、1、中学〜大学で習う学校英語のみで、英語が使えるようになる人は
〉100人にひとりだと思っています。(気分的数値です。笑)
〉2、1プラス学習塾などで、学校英語学習量が少し増えて、50人にひとり。
〉3、1プラス英語教室などで、学校英語とは離れた英語を学んだ場合で、10人にひとり。
〉4.学校を卒業後、自分で学校英語的に学習、または英会話を習った場合、30人にひとり。
〉・・・というようなのが、多読ヌキの場合。(すべて感覚的数値・・・)
おもしろい数字化ですね。
ぼくもよくこういう数字化をやります。
たとえば「辞書は捨てていいんだよ」といっただけで
いきなりペーパーバックを読めるようになる学生は
数百人に一人」とかね。
〉学習初期に多読、多聴をすれば、8割の人が英語を使えるようになる気がします。
〉なお、問題(ワーク、テスト)は解かさないのが、この割合の想像の条件です。
〉テストで、ペケをつけられたら嫌になっちゃう、そしてその後、細かいことが気になっちゃうので。
〉あと、自分は使えるようにならない2割の方に入るのかもと思うと、やる気をなくす人が出るのを
〉勘定に入れると、もう少し下がるのでしょう。
〉私は、そう(きっと8割♪と)思っているので多読にしがみついていますが、
〉それは、ある意味全体主義なのかもしれません。
〉どんな方法でも、英語ができるようになる人はいる。でもそれでは少なすぎると思うのです。
〉多読は個別指導なのに、こんな考え方はちょっと変かなあ?と思う、今日この頃です。
〉でも、教えたうちの少数のひとだけができるようになる、というのも嫌です。
ぼくもそう思っています。全体主義かもしれないし、
お節介かもしれないし、期待しすぎかもしれないし、
なにかを大きく誤解しているだけかもしれないけれどね。
一部の成功だけを取り上げて、「何割成功!」っていうのは、
本意ではないですね。のこりのひとのことはどうするんだ?って
思わずにいられない。
〉「・・・気がする、思う」だけのことを、書き連ね、申し訳ありません。
〉いづこ
いえいえ、そういうわけで、とてもうれしかったのです。
ほかのみなさんも、この際、多読について酒井に、SSS式多読について
古川さんに質問してみませんか? すっきりするかもしれませんよ!
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