[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 9999 // 時刻: 2024/11/23(12:07)]
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お名前: 道化師
投稿日: 2003/11/21(21:09)
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杏樹さん、こんにちは。いつまでも遊んでくれてありがとうです。
「しっかりせよと抱き起こし・・・」と言われて、
杏樹さんの胸に抱かれた自分の姿を想像してしまいました(笑)
(とは言っても、杏樹さんの姿は知らないのですが)
無理をしてでも、タドキスト全国大会にいらっしゃいません?
〉爆死と言いつつきちんとお返事してくださるのがうれしいです。しかも基本的な考えが似ているようですので気持ちよくやり取りできます。以前別の掲示板で意見の異なる人たちと民族問題とか戦争についてやり取りしたらそれこそかみあわなくて、深みにはまらないうちに撤退しました。「実際主義」に近い人たちだった、とだけ申しておきます。
「実際主義」に近い人たちが何を言われるかは、大体想像出来ますね。
結局、そういう人たちの考え方の行き着く所は、
「あなた自身の親、妻、子が殺されてもあなたは黙って居られるのか?」
と言う事なのだろうと思います。
これは、これでもっともな意見で、なかなかこういう意見に抗するのは難しいのですが、私自身はそういう意見と私なりの意見をどう擦り寄せて行くか考えるのは嫌いではありません。
(実は、杏樹さんとのやりとりの間に、いつそういう実際主義的意見の横リプが入って来ないか、待ってる所もあるのですが)
〉〉杏樹さんのこのお話を聞くと、ナチス・ドイツのユダヤ人にした行為が、決して突出して現れたのではなく、ある歴史的必然があったのではないか?口をぬぐって皆押し黙っているけれど、欧米各国には、暗にそれを肯定する意識が当時あったのではないか?と思ってしまいます。
〉まさしくそうです。ヨーロッパでは長い年月にわたるユダヤ人差別の歴史があります。ヒトラーがやったのは極端な行為ですが、当時のヨーロッパ人は多かれ少なかれユダヤ人を差別していました。そもそも「共和国」であったドイツでなぜヒトラーとナチスが政権を取ることが出来たか。それは当時のドイツ国民の支持があったからです。もちろん、ヒトラーはアジテーションがうまくてまんまとだまされた、という側面はあるでしょうけれど。
「ナチスの宣伝は、とても上手で、ドイツ国民をまんまとだました」側面は良く言われる事ですが、私はこの意見には、とても懐疑的です。果たして本当に騙されていたのか?騙されたふりをしていたのではないか?騙されていたとして、それは望んで騙されたのではないか?真実を見ないようにしていたのではないか?と思うのです。
卑近な例で恐縮ですが、悪い男と別れられない女性が、周りの忠告も聞かず、自分でも本当はどんな男か知っているのに、自分の都合の良い夢(彼は私を愛しているに違いない)を見たいが為に、騙されているのと同じなのではないかと思うのです。
知らなかったとか騙されていたというのは、贖罪にはならないと思います。勿論、騙す、知らせない、つまり情報操作する側に第一義的に責任が在るし、法的責任はこの第一義的責任に課せられるでしょう。でも、道義的、とどのつまりは、各個人個人の良心の問題として罪を負わなければならないと思います。
これは、繰り返しになりますが、アメリカも同じです。「正義」と言う、それこそアメリカに都合の良い夢、皮肉な言葉に「アメリカンドリーム」と言うのが有りますが、まさに「アメリカンドリーム」を見るために、アメリカ国民の多くが事実に目をつむり、騙されようとしているのだと思います。
更に、後ほど書きますが、日本人にとっても、同じだと思うのです。
〉また、アメリカも当時ユダヤ人が多く渡ってきたと言いますが、無条件に受け入れたわけではありません。移民を希望するユダヤ人が大勢乗った客船の入港を拒否し、ヨーロッパへ送り返したことがあります。
dumboさんも書かれていましたが、この時のアメリカの態度は「ユダヤ人の富と知性」を受け入れたかったのであって、それに該当しない一般のユダヤ人は、アメリカにとっておまけに過ぎなかったのではないのでしょうか。
〉それは、同化を強制されたアボリジニーと違って、ユダヤ人はヨーロッパ人の中に入ってくることを拒絶されていたからではないでしょうか。そしてユダヤ人には「選民思想」があり、約束の土地へ帰るという強い意志を受け継いできました。それゆえキリスト教に改宗することを拒み、ヨーロッパ社会で被差別民であることに忍従してきたのでしょう。差別を受けながらも自分たちは神に選ばれた特別な民族だと思っていたわけです。
つまり、ナチス・ドイツの「優越人種としてのアーリア人と劣等人種としてのユダヤ人」に対象的にユダヤ人側にも「選民思想」があったと言う事になる訳ですね。
いや、むしろナチスの「優越人種」の発想の元にユダヤの選民思想があったかも知れないですね。
〉アメリカへの非難なら、広島・長崎以前に東京大空襲、大阪大空襲をはじめ、日本の無数の都市が空襲に遭っています。一発落としてさっさと帰ることのできる原爆はそれゆえ恐ろしい兵器でもありますが、無数の爆弾、焼夷弾(空襲経験のある母親はこの区別がしっかりあるんですが、わたしはよくわからない)を次々に落として、街が燃える様がはっきり見える状態で爆撃をし続けた兵士の心情はいかがなものかと思います。
私の父も昭和6年の生まれで東京の生まれ育ちなので、13.4才の多感な時期に空襲の経験を持っているので、よく空襲の話は聞かされました。焼夷弾というのは爆風による破壊ではなく、キャンプなどに使うようなグリース状の燃料を火を付けた状態で鉄パイプから吹き上げる代物のようです。日本の家屋が木と紙で出来ているという当時の状況に合わせた作戦です。
こういう性質を持った焼夷弾ですから、多分、落とした兵士も「家屋を燃やす為にしているのであって、人を殺すのが本来の目的では無い。死んでもそれは副次的な結果に過ぎない」と考えていたに違いありません。(こういう心理的言い訳は必ずあった筈です。)そして、燃える街を見て「美しい」感じていたかも知れない。死んでいく人の顔を見ない限り、意外と淡々としていたと思うのです。
〉私は広島・長崎だけ声高に叫ぶのではなく、当時日本中がアメリカの爆撃によって焼き尽くされたことも訴えたいです。一体パールハーバーの何倍の人が犠牲になったんでしょう?無抵抗の民間人が犠牲になることの恐ろしさをアメリカはもっと知るべきですし、日本はそれを訴えるべきだと思います。でもどこか及び腰なのは、アメリカに対してモノを言うのがはばかられるのか、それとも日本人特有の「沈黙は金」の美徳を守っているのか…。
日本という国が及び腰なのは、アメリカに対してモノを言うのがはばかられるからでしょうね。
それに、日本人が被害者になったのは戦争遂行能力が欠けていただけで、もし日本がハワイを制圧し、アメリカ本土への制空権を握っていたら、同じ事をし、ロスアンジェルスやサンフランシスコに「特殊爆弾」を落としていたでしょうから。
それとは別の問題として、私は「日本人はこんなに多くの民をあなた方アメリカに殺された」と訴えるのは、二度とこのような悲劇を起こさないという解決には至らないと思えるのです。
現に、9.11で多数(と言っても、戦争時の民間人の犠牲者とは較べ物になりませんが)の民間人が犠牲になった恐ろしさを知ったアメリカはどうしたか?結論は「殺される前に殺せ」です。
〉それから「バチ」という考え方は間違ってると思います。その「バチ」は戦争をおこした張本人ではなく、無抵抗の民間人の上に落ちてきますから。
先程書いた「一般ドイツ国民」の良心の問題としての罪と同様に、例え無抵抗な民間人であろうと、日本人もまた「戦争を起こした当事国」の国民として、罪から逃れる事は出来ないと考えます。「バチ」と言う言い方は、「じゃあバチが当たらなければ何をしても良いのか」と言う話になってしまうから、間違いと言えると思いますが、とにかく罪の意識は持たないといけないと思うのです。
〉〉ならば、せめて、どんな形にせよ、新たな認識を生む行動を取り続けなければならないと思っています。
〉〉それが例えむなしい行為であれ、何かする事で人々へ新たな認識を喚起し、
〉〉次世代へ記憶を引き継がなければならないのですから。
〉まさしくその通りです。記憶を引き継ぎ新たな認識を喚起する行動を途切れないようにしたいです。
これこそ「歴史」の担う使命でしょう。
昨今「歴史」は存在しない、そこには「物語」が存在するだけだと言う意見を耳にしますが、確かに一理あると思います。
従来、「歴史」とは客観的事実のような装いを見せて、実態は当時の権力の正統性を説く「物語」だったのですから。
過去の事実は、その当てる照明の角度で、いかようにも解釈できるのです。何故なら少なくても数百万人から数千万人という人々の営み全てを記述仕切れる訳は無いのですから、そこには当然、都合の良い事実を選択し、都合の悪い事実を捨てるという作業が宿命として背負っているからです。
杏樹さんの詳しい中国の歴史が「中華思想」の体現であったように。
客観的「歴史」が不可能なものであるならば、むしろ私達はどのような「歴史」を持つべきか議論すべきだと考えます。
そして私は日本人ひいては人間という存在が、避けては通れない「罪」を誰もが背負っているのだと言う物語を説く「歴史」を持つべきだと思います。
そう言う視点からの「広島・長崎」の歴史を語るべきだと。
ガクッ・・・。
以上杏樹さんの腕に抱かれながら、往生際の台詞でした。
(うーん、ミュージカルのように往生際が悪い)
次があれば、ゾンビ道化師です。(笑)
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