[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 9999 // 時刻: 2024/11/23(11:25)]
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お名前: 杏樹
投稿日: 2003/11/20(23:55)
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道化師さん、こんにちは。
爆死と言いつつきちんとお返事してくださるのがうれしいです。しかも基本的な考えが似ているようですので気持ちよくやり取りできます。以前別の掲示板で意見の異なる人たちと民族問題とか戦争についてやり取りしたらそれこそかみあわなくて、深みにはまらないうちに撤退しました。「実際主義」に近い人たちだった、とだけ申しておきます。
〉確かに、そういう話は聞きます。
〉例えば、生き残った少数のインディアンの子孫に、経済的特区を与えて、
〉そこで子孫はカジノを開き、莫大な利益を上げているとか。
〉でも、経済的恩恵を与えれば、贖罪すると思う所が、アメリカなんだなぁ。
〉なぜに、
〉「私たちは、世界でも数少ない深い精神世界を持つ民族・文明を地上から抹殺してしまった反省の上に立ち、今後あらゆる他の民族の精神を尊重し、また、民族・文明を侵害する行為に反対する」と言えないのかなぁ?
〉今のイラク問題に関わるイスラム文明への態度に見受けられるように、アメリカの態度はいまだに、何の反省も無く、多民族の精神・文明に尊重を欠いているとしか思えません。
まったくその通りです。アメリカ白人は価値観が一つしかないようです。他の民族を尊重するという意識がいつまでたっても生まれないようです。
〉〉日本人には「単一民族幻想」が根強いですから民族問題は大変理解しにくいです。しかし世界では「一つの民族、一つの国」という国の方が珍しいです。特に本当に少数しかいない民族がすぐ隣り合って住んでいて、外から見ると一体何が違うのかと思うようなこともあります。そういう時に民族を決定するのは最終的には「自己認識」なんです。自分は○×民族である、という自称です。
〉このお話から、私の思考は、日本国内の本当は存在する民族問題へ向かうのですが、あまりに繊細な問題なので、止めておきます。
そうですねー。「本当は存在する」のに多くの人が意識すらしていない、そこが大きな問題で。
〉杏樹さんのこのお話を聞くと、ナチス・ドイツのユダヤ人にした行為が、決して突出して現れたのではなく、ある歴史的必然があったのではないか?口をぬぐって皆押し黙っているけれど、欧米各国には、暗にそれを肯定する意識が当時あったのではないか?と思ってしまいます。
まさしくそうです。ヨーロッパでは長い年月にわたるユダヤ人差別の歴史があります。ヒトラーがやったのは極端な行為ですが、当時のヨーロッパ人は多かれ少なかれユダヤ人を差別していました。そもそも「共和国」であったドイツでなぜヒトラーとナチスが政権を取ることが出来たか。それは当時のドイツ国民の支持があったからです。もちろん、ヒトラーはアジテーションがうまくてまんまとだまされた、という側面はあるでしょうけれど。
また、アメリカも当時ユダヤ人が多く渡ってきたと言いますが、無条件に受け入れたわけではありません。移民を希望するユダヤ人が大勢乗った客船の入港を拒否し、ヨーロッパへ送り返したことがあります。
〉〉近年はヨーロッパでもそうした差別はなくなっていて(完全にはなくなっていない)、ユダヤの家庭でも厳密なユダヤ教の教育もなくなってきていますが、そうなると自分がユダヤ人であると思いさえすればそれがユダヤ人だということになるわけです。そして他の民族がユダヤ教に改宗すれば「自分はユダヤ人である」と言っても認めてもらえます。ユダヤ教に改宗してイスラエル国籍を獲得すれば完全に「ユダヤ人」になります。
〉これは、公の制度としての「ユダヤ人」の問題ですね。
〉知有蔵人や三都主が日本人であるような。
〉民族的アイデンティティーはまた別の問題のような気がします。
〉先日、「裸足の1500マイル」と言う、オーストラリアのアビリジニー同化政策による悲劇を扱った映画を見たのですが、現在、その同化政策によって、民族的アイデンティティーの喪失に苦しむアボリジニーが多いそうです。
〉ユダヤ民族は、この民族アイデンティティーを永年に渡って強烈に保持してきたと思えるのですが、これは逆に「被差別」を敢えて意図して選択してきた歴史でもあるように思えるのです。
それは、同化を強制されたアボリジニーと違って、ユダヤ人はヨーロッパ人の中に入ってくることを拒絶されていたからではないでしょうか。そしてユダヤ人には「選民思想」があり、約束の土地へ帰るという強い意志を受け継いできました。それゆえキリスト教に改宗することを拒み、ヨーロッパ社会で被差別民であることに忍従してきたのでしょう。差別を受けながらも自分たちは神に選ばれた特別な民族だと思っていたわけです。
〉私は、日本の政府やメディアの今の広島と長崎の扱い方を理解しかねています。
〉戦争を起こしたバチとして、広島・長崎という惨事を招いたと感じているのか、
〉それとも、いくら戦争とは言え、無差別大量虐殺にあたる原爆投下したアメリカへの非難として、広島・長崎を語っているのか、解らないのです。
〉バチならば、もっと南京大虐殺を始めとする私たちの父、祖父達の罪を問わなければならないでしょうし、非難ならば、杏樹さんの言う通りもっと核保有国へ発言しなければならないでしょう。
〉多分、どちらともハッキリしない曖昧な中で、広島・長崎を扱っているのでしょうけれど。
〉でも、この曖昧さが、忘れてはならない経験を風化させると思うのです。
アメリカへの非難なら、広島・長崎以前に東京大空襲、大阪大空襲をはじめ、日本の無数の都市が空襲に遭っています。一発落としてさっさと帰ることのできる原爆はそれゆえ恐ろしい兵器でもありますが、無数の爆弾、焼夷弾(空襲経験のある母親はこの区別がしっかりあるんですが、わたしはよくわからない)を次々に落として、街が燃える様がはっきり見える状態で爆撃をし続けた兵士の心情はいかがなものかと思います。
私は広島・長崎だけ声高に叫ぶのではなく、当時日本中がアメリカの爆撃によって焼き尽くされたことも訴えたいです。一体パールハーバーの何倍の人が犠牲になったんでしょう?無抵抗の民間人が犠牲になることの恐ろしさをアメリカはもっと知るべきですし、日本はそれを訴えるべきだと思います。でもどこか及び腰なのは、アメリカに対してモノを言うのがはばかられるのか、それとも日本人特有の「沈黙は金」の美徳を守っているのか…。
それから「バチ」という考え方は間違ってると思います。その「バチ」は戦争をおこした張本人ではなく、無抵抗の民間人の上に落ちてきますから。
〉ならば、せめて、どんな形にせよ、新たな認識を生む行動を取り続けなければならないと思っています。
〉それが例えむなしい行為であれ、何かする事で人々へ新たな認識を喚起し、
〉次世代へ記憶を引き継がなければならないのですから。
まさしくその通りです。記憶を引き継ぎ新たな認識を喚起する行動を途切れないようにしたいです。
〉以上、話が千路に乱れて、殆ど爆死状態の道化師でした。
それではお大事に。
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