[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 9999 // 時刻: 2024/11/23(11:41)]
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お名前: 道化師
投稿日: 2003/11/16(18:26)
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こんにちは、秋男さん、道化師です。
〉 もちろん「イデオロギー」という言葉は聞いたことがあるのですが、
〉 あらためて意味をと考えるとわからなくなってしまって・・・
〉 (そういえば、昔ほど「イデオロギー」を聞かなくなりましたねえ。)
やっぱり、ソ連崩壊で、一応マルクス・レーニン主義に付いては思想的に決着が付いてしまって、そこからの派出語みたいな用語は「古く」なってしまったのでしょうね。
(他にもオルグとか、プロパガンダとか、アジとか、糾弾とか、自己批判とか色々ありますねぇ)
もっとも、ソ連崩壊より前の私の学生時代でも、
大学祭の仮装パレードで、私はサークルの仲間と
「田中角栄とフィリピン大統領マルコスを支援する派」(略して「角マル派」)
なんて事をやって、BGMに「インターナショナル」をラジカセ持って流して、
赤ヘル被って、商店街を練り歩いて、「商店会賞」貰ったりしてましたから、
その当時でもだいぶ風化してたのですけれどね。
〉 さしずめ「アメリカイデオロギー」は、「アメリカにおける、歴史的・社会的に
〉 制約され偏った観念形態・虚偽意識」といったところでしょうか。
〉 それを教え込むことにアメリカは心血を注いでるとお感じなわけですね。
〉 ふーむ。いろいろ思ってることがお有りの御様子。道化師節を聞かせてください!
うわっ、秋男さんもピストルの引き金をひくような事を言いますねぇ。
英語を楽しむ(学ぶ?)サイトで、あんまりアメリカの悪口を言うのもどうかと思っているのですが・・・。
でも、我慢出来なーい!(笑)
道化師節の始まり、始まり・・・
地球儀を回して、「アメリカ合衆国」を眺めます。
そうすると、アメリカという国の国境線が定規で引いたようになっている箇所が何カ所も見受けられます。
これは、ご存じのとおりアメリカと言う国が人為的に造られたと言う事を何よりも物語っているんですね。
そこには歴史的必然も無く、地理的必然も無い。
建国200年と言ったって、アフリカ諸国のように、
元からの先住民が独立を勝ち得て建国したのでも無ければ、
他の中南米諸国のように(迫害、差別と言った問題も確かにありますが)
先住民との共存、混血が進んでいる訳でも無いわけです。
アメリカ先住民(俗に言うインディアンですね)は、
人口比で言えば、ほぼジェノサイドされてしまったと言えなくもない状態です。
こうした現在のアメリカ国民の大多数が、
その国民であることに何の正義も持たない原罪を持って成立したからこそ、
「我々の国は偉大な先人の手によって建国された偉大な国なのだ」
と、その成立の「歴史的・社会的に制約され偏った観念形態・虚偽意識」としての正当性を説き続けなければならないのだと思うのです。
(私が言うところの、これが、アメリカ・イデオロギーです)
このイデオロギーがあるからこそ、第二次世界大戦前においては、
「モンロー主義」と言う孤立主義をとって、
国際社会から、その正当性に疑義を挟まれる事を拒否したのでしょうし、
第二次世界大戦後においては、常に「反共」とか「悪の枢軸に対決する」と言った、
錦の御旗としての「正義」が必要なのだと思います。
もっとも、これはイスラエルに於いても数千年前の「約束された土地」と言う、
どう考えても時効にかかっている正当性をもって建国された事情も同じ事で、
だからこそ、アメリカはパレスチナ問題に於いても、
第二次世界大戦時に、アラブの民とユダヤ人資本家に背反する二重の約束をしておいて、アラブ側の約束だけを反故にしたのをはじめ、
一方的にイスラエルに肩入れし続けているのでしょう。
(アラブ諸国も石油マネーを手にした今、大統領選挙にユダヤマネーが流れる事だけでは、このアメリカのアンフェアな態度は説明しきれません。)
プラグマティズムというアメリカ独自の哲学があります。
正確なその内容は、門外漢なので知らないのですが、
俗に流布している、つまり大方のアメリカ国民が理解しているその中身は、
日本語では「現実主義」と解釈されがちですが、
現実主義と言うより、「実際主義」と訳すべき態度だと思います。
つまり、その根元に向かって問いつめていくのではなく、
「実際には、どうなんだ?」と実際の現実に思考を向けて行く態度です。
これも、根元を問いつめれば、その存立基盤を危うくするアメリカと言う国の在りようと無関係ではないと思います。
(もっとも、ドイツ観念論なんかと較べると、私ははるかにプラグマティズムの方が好きですが)
以上少し眺めたように、このアメリカの正義が如何に独善的で、
何の根拠も無いと言うことは、昨今のイラク戦争の問題を見れば明らかでしょう。
それでも、何の反省も無くアメリカは、
自国民に「偉大なるアメリカ」を説き続け、
ヤンキースの試合では7回に歌い続けているのです。
これがイデオロギーでなくて、何なのでしょう?
これはアメリカの(ブッシュ大統領とは違う)見識のある人にとっても、
きっとアメリカと言う国の持つ矛盾は葛藤を抱える問題だと思います。
葛藤在るところに、より魅力的な文化、芸術、思想が生まれます。
今現在、これほどの矛盾を抱えた国が他に在るでしょうか?
だから、もしかすると、今のアメリカ文化の魅力は、
このアメリカと言う国の抱える原罪に起因しているとも思えるのです。
そして、だからこそ、もし、私が何かを学ぶために留学をどこかにするとしたら、
やはりアメリカと言う事になるでしょう。
重々、アメリカイデオロギーに冒されないように注意しながらですが。
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