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7312. PB50冊突破記念・マニアなファンタジーファンのためのPB(とっても長いです)
お名前: れな
投稿日: 2003/10/30(22:00)
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ファンタジーファンの皆様もそうでない皆様もこんばんは。 勝手に多読者のれなです。 sakigoroさんのPB100冊に啓発されて、「もうちょっととばそう」と 思ってからすでに数十日(笑)。短めのミステリーに手を出したおかげで やっと私も50冊読めました。語数にして600万語くらい。と言っても、 これは私が洋書に手を出してからすべてのトータルなので、かかった時間はおよそ 3年半。のろいです(爆)。でも、そのうち半分弱がこの1年くらいの分。 大分、読めるようになってきたのかなー、って思ってます。 ここしばらくのハイペースは、こちらの皆様の元気で楽しいお話を読ませて いただいてるおかげです。いつも元気と読む気をもらってます。 ありがとうございます。 それで、これを機会に何かお礼をと思いまして、私も読んだPB(とその作者)の紹介 をしてみることにしました。と言っても、私はとってもマニアなファンタジーファンで、 マニアな本ばっかり読んでるので、全然お役に立たないのかもしれないんですけどね(泣)。 でも、選択肢は多い方が人生楽しいかなって思うので、興味のある方は、 どうぞおつきあいくださいませ。 ええと、まず、私のファンタジー歴を先に(笑)。もちろん日本語で読みました。 小学校時代は「ドリトル先生」と「ナルニア」を中心に、岩波少年文庫からも色々。 中学校時代は「指輪物語」。後に「ゲド戦記」。 高校時代は「はてしない物語」「グイン・サーガ」と、そろそろ早川文庫。 大学時代は早川と創元を中心にFTとSFを読みまくり。 社会人になってからは、とにかく文庫で通勤読書。 そんな私が読んでいるのは、基本的に、昔読んだ名作本などではなくて「まだ訳されてない本」 「翻訳が止まってしまった本」。私は最初から、そうするために洋書を読むようになったのです。 あと、最近は、「翻訳本はハードカバーだから買いたくない」ものも少し。 ファンタジーはとにかくそういうの多いんですよね(泣)。 前置きが長くなってしまいました。ではリストです。 でも、最初に説明を(笑)。リストは著者名順(姓,名)にしてみました。 語数は真面目にカウントしたつもりです。「1冊でこの語数?」と思われるかもしれませんが、 長いファンタジーは本当に長いんですよー。嘘じゃありませんー。 それと、レベル。これは、私にはとても難題だったんですが、何冊か、こちらの書評に 上がっている本も読んだので、それに照らして大体のところでつけてみました。 でも、ハリポタ(私は英語では1巻しか読んでないのでそれが基準)をLV9にしてしまうと、 ほとんど全部9とか10になってしまいます。 私にとっては、ライラの1、2巻とハリポタ1巻はほぼ同じで、ライラはLV7(と8)。 ということで、レベルを細分化するため、このリストのレベルは ハリポタ1=ライラ1、2=LV7 を基本にしています。ちなみに、「長さ補正」はしてません。それをしたら限界値を 越えちゃいます(爆)。 Eddings, David & Leigh 読んだPB:"Belgarath the Sorcerer" 290000 LV10 ★★★★★ "Polgara the Sorceress" 296000 LV10 ★★★★★ 関連書籍:「ベルガリアード物語」「マロリオン物語」(早川文庫FT) 文庫派のファンタジーファンの間では、刊行当時から大人気の作家。壮大な設定の物語を、 ユーモアあふれる筆致で細密に描く、大変なストーリーテラーです。日本でも、「原書でも 読んでしまった」ファンが大勢いる模様(笑)。ただ、この方の作品は難しかったですね。 しかも、長い。とても面白いのではまったら一気読みだと思うんですが、うわー、大変ー。 私が読んだのは、上記の翻訳作品の番外編に当たる未邦訳の2冊。全部1人の語り口調 だし、訛りのあるキャラクターはいるし、それはもう大変でしたが、本編の方は三人称 のはずなので、もう少し楽に読めるのかなー、と思っています。 「指輪物語」派で、でも、笑いも沢山入ってたらうれしいな、という方に。 Hambly, Barbara 読んだPB:"Mother of Winter" 117000 LV10 ★★★★ 関連書籍:「ダールワス・サーガ」(早川文庫FT) かなり昔からのファンタジーファンでないと存在そのものも知らないかな、という方ですが、 私はこのシリーズに出てくる魔法使いインゴールド・イングローリオンの大ファン(笑)。 「かっこいい(戦う)じじい」がお好きなかたには超おすすめです。 この方の作品は、重厚な雰囲気と濃密な世界描写、特に都市や建物に関しての描写が緻密なのが 特徴。厳しい状況下に生きる人々のぎりぎりの人間性が描かれる、佳品です。 読んだのは、上記の3部作の続編。あともう一冊、"Icefalcon's Quest"というのが出ていて、 積読中(笑)。 Haydon, Elizabeth 読んだPB:"Destiny" 325000 LV10 ★★★★★ "Requiem for the Sun" 190000 LV10 ★★★★ 関連書籍:「ラプソディ」「プロフェシイ」「デスティニイ」(早川文庫FT) 個人的には、近年の大収穫の1人。文庫派でも盛り上がってました。でも、日本語で読んでさえ あまりにも厚くて長いため、最初から手を出さない人も多かったような(笑)。 緻密で美しい世界描写と個性的な登場人物、練り上げられたストーリー展開、と三拍子揃った めくるめく(?)異世界ファンタジー。結構ハーレクインなところもあるので、どちらかと 言うと女性向けなのかもしれません。 とりあえず、とっても面白いです。そして、とっても長くて、大変難しいです。 ほぼ間違いなく、私がこれまで読んだ洋書のうちで一番難しいでしょう。と、こんなことを 書いてしまったら、どなたにも読んでいただけないでしょうねえ(笑)。 まだこのシリーズしか出版されていない作家さんなんですが、今後は別の本も出るとのことで、 将来が楽しみです。 Hoffman, Nina Kiriki 読んだPB:"Past the Size of Dreaming" 74000 LV7 ★★★★ 関連書籍:「マットの魔法の腕輪」(創元推理文庫) ちょっとだけ人と違うところのある、でも、この世界に生きる普通の(?)人々を温かい 筆致で描く現代アメリカのファンタジー。私は結構気に入っているんですが、 人気はいまひとつかも(泣)。 読んだ本は「マット」の直接の続編。どうせこっちは翻訳されないかなー、と思って。 この作品は、何て言うのかな、文章がいい感じでした。ジュブナイル向けだと思うのですが、 読みやすくて、生き生きしていて、カラフル。庭先でやる「お徳用花火セット」みたいな 感じで素敵です。そういう意味では、今回ご紹介する中では一番とっつきやすい本かな。 Lackey, Mercedes 読んだPB:とりあえず20冊(笑)。105000〜181000 LV8〜9 ★★★★〜★★★★★ 関連書籍:「女王の矢」「タルマ&ケスリー」シリーズ「運命の剣」(現代教養文庫・創元推理文庫) 私はこの方の作品を読むためだけに洋書読みになりました、が、日本では一部のマニアな ファンタジーファン以外にはあまり知られていません。私が読んだのも、まだ、一番有名な シリーズだけ(それでも20冊……)。そのうち、他の本も読んでみるつもりです。 この方の作品はキャラクター主導型の異世界ファンタジー。世界観はきちんと作られて いますが、世界描写は「まず人がいて、その視線の先に世界がある」というもの。 緻密で詳細な描写がお好みの方にはちょっと物足りないようです。でも、その分、文章は 比較的読みやすく、簡単になっています。と言っても、今になって振り返ってみると、 やっぱりthat以下長いですね(笑)。当時は全然気にしてませんでした。どっちにしても、 わからないところだらけでしたし(爆)。 Lynn, Elizabath A 読んだPB:"Dragon's Winter" 貸出中のため語数不明 LV10 ★★★★ 関連書籍:直接の関係はないですが、「アラン史略」「遙かなる光」(早川文庫FT/SF) 「美しいものが好き」な万年少女の皆様に捧げる、耽美で印象的な異世界ファンタジー。 場面の一つ一つが映像的で、いかにも美しいです。文章も流麗で、うっとり。でも、その分、 レベルは高くなってしまいますね。 なかなか新刊が出なかったんですが、間もなく続編がハードカバーで出るらしいです。もちろん、 PBになるまで待ちます(笑)。 Marcellas, Diana 読んだPB:"Mother Ocean, Daughter Sea" 153000 LV8 ★★★★ 関連書籍:「海より生まれし娘」(早川文庫FT) 先に文庫を読んで、11月にPBになる2巻を読むための練習、と思ってPBでも読みました。 そしたら結構簡単だったのでちょっと拍子抜け(笑)。なんとなく、もっと難しいと 思っていたんですよね。 とても女性的な、ハーレクインな異世界ファンタジー。といっても、設定や物語そのものは、 ル・グィンなどの流れをくむ文化人類学系SFファンタジーなのだと思います。 難解系には進まないでいてくれるといいなあ。文章は素直で読みやすく、世界描写もきれいです。 人物もなかなか魅力的。日本語で読むより英語で読んだ方が、主人公達の切なさが伝わって くる感じでした。まだ2作だけ。今後の成長が楽しみな作家さんです。 McKillip, Patricia A. 読んだPB:"The Changeling Sea" 36000 LV8 ★★★★ "Winter Rose" 60000 LV7 ★★★★ "The Forgotton Beasts of Eld" 51000 LV6 ★★★★★ 関連書籍:「妖女サイベルの呼び声」(早川文庫FT) 文庫ファンタジー読みの間では、「早川FT1」がこの方の作品であることで特に有名(笑)。 ぷぷさんの一押し。私の場合は片手間なので、ご紹介するのもどうかしら、ですが。 この方の作品はとにかく、文章が美しいです。しかもそれが、比較的簡単な単語で流れるように 綴られているんです。すでに神技? 先にこういった本ばかり読んでしまうと、他の いまいちな本を読むのが嫌になるかも。 物語は少し寓話的な、心の奥にしんしんと降り積もるような深い印象を与えるものが多い ようです。絶版の本が多いのがとても残念です。 Nix, Garth 読んだPB:"Sabriel" 貸出中のため語数不明 LV7 ★★★★★ "Lirael, Daughter of the Clayr" 135000 LV7 ★★★★ 関連書籍:「サブリエル」「ライラエル」(主婦の友社) オーストラリアの作家さんで、最近の注目株の1人らしいです。 「古王国記」と「セブンス・タワー」の2つのシリーズが現在翻訳刊行中。ちょーっと文章が 堅めでフラットなのが気になりますが、設定や内容は凝っていて面白いです。3部作の3部め、 "Abhorsen" もすでに刊行されています。私はPBになるのを待ってるところ(笑)。翻訳版の 第3巻が出る前に届くといいんですけれど。 友人に言わせると、「ハリポタよりは単語が難しいし、わかりにくい」とか。 Pullman, Philip 読んだPB:"The Golden Compass" 115000 LV7 ★★★★★ "The Subtle Knife" 105000 LV7 ★★★★ "The Amber Spyglass" 180000 LV8 ★★★★ 関連書籍:「黄金の羅針盤」「神秘の短剣」「琥珀の望遠鏡」(新潮社) こちらの皆様にもおなじみの、"His Dark Materials" シリーズ。ライラシリーズと言った方が 通りがいいのかな。よく話題に上っているシリーズですが、今でも3巻の書評がないのは 何故でしょう? ってことで語数は自分で数えました(笑)。3巻のレベルは9にしてもいい かなー、微妙なところですね。 なんとなく、「難しそう」というイメージが先行しているみたいですが、1、2巻はそんなでも ないです。そして、3巻目になるともはや難しいとかそういうことはどうでもよくなってる (もしくはそれ以前に挫折してる)ので、読み始めてしまえばさくっと読めますよー。 ちなみに、児童書系ファンタジーから入った方には、英語の問題以前に内容が難しい、という 部分があるのかも、ですが、根っこがSF系の方には3巻も楽勝です。ちょっと、ゼラズニイ あたりを思い出させるな、と思いながら読みました。 Willis, Connie 読んだPB:"Passage" 268000 LV9 ★★★★★ "To Say Nothing of the Dog" 204000 LV10 ★★★★★ 関連書籍:「航路」(ソニー・マガジンズ)「ドゥームズデイ・ブック」(早川文庫SF) この方はファンタジーではなくてSF作家。私は「ドゥームズデイ・ブック」を日本語で 読んで、「これだけ面白ければ英語でもいけるかも」と思って上記の2冊を読みました。 前者は臨死体験をテーマにした近未来物、後者は「ドゥームズデイ・ブック」の姉妹編 にあたるタイムトラベルSFです。どちらも面白かったですが、確かに好き嫌いは分かれる かもしれません。読みやすいのは"Passage" の方。「割と簡単だったよー」と言ったら、 友人に白い目で見られました。コツは、「まーた始まったよ長話が」と思ったらさくっと 読み飛ばすことです。そうすればあっというまにページが進みます(笑)。 おまけ(1) Jordan, Robert 積読中PB:"The Great Hunt" この巻は多分250000くらい LV8 関連書籍:「時の車輪」シリーズ(早川文庫FT) まだ洋書にはまってない時代に何度か読みかけて、「いつ読んでも寝てしまった」ために、 今も積んであります。でも、このシリーズの翻訳刊行方式に嫌気がさして「PBで読んで しまいたいー」と思ってる読者は私だけではないはず(笑)。ということで、久々に開いて 確認してみました。意外と読みやすいです。途中まで日本語で読んでいらっしゃる方なら LV7くらいの感覚で読めるかもしれません。まあ、分厚いですけどねー。 おまけ(2) Brown, Rita Mae & Sneaky Pie 読んだPB:"Murder, She Meowed" 79000 LV7 ★★★★ "Murder on the Prowl" 84000 LV7 ★★★ 関連書籍:「トラ猫ミセス・マーフィー」シリーズ(早川文庫HM) これはファンタジーではなくてミステリー、なんですが、ある種のファンタジーだと 思って読んだ方が面白いので(笑)。犬猫物です。ミステリーとしてはいまひとつなの かなって思いますが、とにかく可愛いです。ドリトル先生シリーズの中の動物たちと同じ ように、このシリーズの中の動物たちは自分たち同士では話をすることができ、飼い主を 守るために推理を繰り広げたり、敵に立ち向かったりするのです。PBには珍しく、可愛い 挿絵(日本語版と同じ)も入っている楽しい本。文章も簡単で読みやすかったです。 長々とおつきあいありがとうございましたー。 ところで50冊目はMercedes Lackey の "Exile's Honor" でした。「女王の矢」のファンの方 がもしいらしたら、これはおすすめでーす。レベルは8くらい。 では、どうか楽しい読書を。
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