[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 9999 // 時刻: 2024/11/23(23:04)]
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6073. 見積もり=an estimate sheet ←そんだけ?
お名前: ちんげん斎
投稿日: 2003/10/2(03:04)
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ちんげん斎です。
多読中の英和辞典の使用についてはときどき話題が上がっておりますが、
つたない英語力で海外(主にアメリカですけど)の会社とやり取りをしていると
いかに英和・和英辞書が役に立たないかということをイヤと言うほど感じさせられます。
多読とは直接関係ないのですが、日本製の英和・和英辞書について
いくら寛容なわたしでも、そりゃあんまりでしょうということがあったので
投稿します。(いーつけてやるって感じですね)
私どもは、海外の製品を輸入し国内のユーザーに販売するという仕事をしております。
先日、久しぶりに大きな契約が取れた同僚(英語はちょと苦手)
が少しばかり困惑した顔で私に聞いてきたと思ってください。
同僚:ちん、見積もりって英語でなんていうんだ?
ちん:え? Quotationでしょ。
アメリカの会社から我々への製品の卸値は、
会社間の契約で一定に決まっていますが、
特別に安い価格で販売せざるを得ないなどの状況が発生した場合には
彼らからの卸値をディスカウントしてもらって
赤字がでないようにしなければなりません。
当然、口約束でいくらにするということは通用しないので、
そういう場合は、かれらからサイン入りの見積書を取って
書類の手続きを進めます。
いつ覚えたのか自分でも自覚はないですが、
彼らから見積もりを取るときには、いつも
「こういう仕様で幾らになるか、Quotation をくれ。」と
問い合わせていました。
それ以外の言い方を彼らが言っているのを聞いたことはなければ、
それ以外の言い方で見積もりを請求したこともない私は、
一体何を言っているんだろうか?と困惑しておりました。
当然、その同僚だってそんなことは百も承知のはず。
ちん:どしたんですか?
同僚:いや、アメリカから見積もりをもらおうと思って
メールを書いてたんだけど、
見積もりって何ていうんだっけと思って和英辞書ひいてみたら、
an estimate sheetって書いてあるんだけど。
そういう言い方って聞いたことある?(困惑しきった顔)
ちん:ないです。
見積書は、Quatationでしょ。載ってませんか?
同僚:それが、an estimate sheet としか書いてないんだよ。
ちん;そんなことないでしょ。見せてくださいよ。
小型の和英辞書でしたが、見積書の項を見てみると
たった一言だけ、見積書;an estimate sheet とだけ書いてありました。
ちん:え〜、ちょっとまって下さいね。こっちでも調べてみますから。
オンライン辞書を検索してみると、いくつかのサイトでやはり、
見積もり=estimation もしくは、an estimate sheetの一点張り。
学習用の辞書ではダメなのかと思って
ビジネス辞書を引いてみても、
和英で調べる限り、estimate のオンパレード。
英和で、quatationを引いてみると、
こちらはちらっと見積もりと記述のあるものもありましたが、
スペース・アルクのオンラインビジネス辞書に至っては、
quotation = 上場 などと寝ぼけた記述が・・・・・
「見積書」なんて、商売の基本中の基本語がなんで辞書に載ってないの?
常識的に考えてもメーカーが
お客の懐具合をestimateすることはあったとしても
自社の製品を幾らで売るかを、estimateする事なんてあり得ない。
んで、英英辞典引いてみました。
ロングマンのオンライン辞書より必要部分のみ抜粋:
estimate:
a statement of how much it will probably cost to build or repair something:
例)We got two or three estimates so we could pick the cheapest.
quotation:
a written statement of exactly how much money a piece of work will cost:
例)Could you give us a quotation for fixing the roof?
追記)—compare estimate1 (2)
うーん、なんと明快な。
要は、例えば車が故障したけどこれ直すのにだいたい(←これが重要)
幾らぐらいかかるかってことを推定するのがestimate
同じく故障した車をもっていって、じゃあこの金額で
修理を請け負いましょう。と正確な金額を書類で記すのがQuotation
って訳ですね。
どちらも確かに日本語では同じ見積もりとなってしまいますが、
値引き交渉の結果を書類で残すので、この場合はQuotationが適切。
英英辞典でこんなに簡単に書いてあることが
なんで英和辞典でその違いを説明してないのだ!
なんで和英辞典で揃いもそろってQuotationを入れてないんだ!
仕事で辞書使うときは、
英語を学習するためでもなければ
英語を研究するためでもないんだ。
学習用辞書だからなんて言い訳は聴かないぞ。
英語研究者のつくった辞書なんてこんなもんだ。
こんなの使ってたって、見積もりひとつ請求できないじゃないか。
でも、これは割と現場で英語使ってる人達の間での共通の認識かな。
海外とのやり取りで英語の先生が作った辞書は、あんまり役に立たない。
役に立つのは、「英辞郎」だけだ。
これは英文和訳に役に立つ。いいぞ。専門語の訳語も適切だ。
これは、翻訳者の人達が集まって作ったからな。
現場の知恵が集まってる。たまに重要語が載ってなかったりするけどね。
「英辞郎」で見積もりひいたら、quotationもちゃんと入ってたぞ。
説明はなかったけどな。
でも載ってりゃ、さらに調べることもできるぞ。
載ってなきゃ調べることもできないからな。
いったい、この怒りはどこへぶつけりゃいいんだ。
#はい、ここへ書きました。酒井先生、次の本で暴露してよ。
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