Re: 徒然200万語草

[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 9999 // 時刻: 2024/11/23(20:41)]

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[喜] 5951. Re: 徒然200万語草

お名前: sakigoro
投稿日: 2003/9/28(22:11)

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"道化師"さんは[url:kb:5943]で書きました:

道化師さん、こんばんは! 200万語通過おめでとうございます!

〉徒然なるままに、
〉ひぐらし洋書に向かいて、
〉心にうつりゆく小理屈、屁理屈、嘘八百を書きつくれば、
〉あやしうこそ、昨日200万語通過しにけれ。

〉皆さん、こんにちは、健康奉仕ならぬ道化師です。

〉北海道の皆さんは地震で大変ですね。お見舞い申し上げます。
〉私なんか関東情報がピタリと合った先々週の地震でもビビリましたもん。

〉さて、200万語通過記念、小理屈、屁理屈、嘘八百をいくつか。

〉■GRは長い方が簡単?

〉SSSのYL値だと、語彙が同じでも、長い方が難しい事になってますが、私は敢えてこれに?を付けたいと思います。短いGRは、その短さ故にどうしても話を端折ったりして話の内容に付いて行きにくかったり、そのレベルに許された文法、構文を次々に注ぎ込んで読みにくい文章が続きがちです。それに引き替え、長いGRは比較的に読者の予想を超えた話のジャンプはしないですし、読みにくい文章も、その間に解る文章が多く入るので、読みにくい文章自身も意味を汲み取りやすくなります。だから、いたずらに長いGRは難しいと言って敬遠するのも、もったいないと思います。

私はGRは良くわかりませんが、長いほうが簡単というご意見と、その分析には
大いに同感します。
一般書でも、短編集は難しいことが多い。 
作家が少ないページ数の中で、これでもかと技巧をこらしたようなのが多くて、
一言一句たりとも逃してしまうと、この小説を味わうことができないかもしれないという
緊張感を感じてしまいます。
短いと、作品世界に自身をチューンさせるにいたるまでに作品が終わってしまうことが多い。
その点、長編で、それも大河小説のようなのになると、逆に少々筋を忘れたところで、そのゆったりとした世界に身をゆだねてしまえば、どうとでもなるような
安心感をおぼえます。
というわけで、私はページ数が多ければ多いほど、嬉しいタイプ。
ペーパーバックがまだ高かったころは、特に、ページ数の多い本の中から読む本を選んでました。
そのほうがコストパフォーマンスもいいし。

〉 ◇DAVID COPPERFIELD(PGR3)
〉  かの有名な消失マジシャンの伝記(嘘です。)
〉  ディッケンズによる自伝的な青年の半生記です。
〉  ジアスさんの書評にもありますが、
〉  「家事が出来なくたって、家計が守れなくたって、彼女は美しいというだけで、十分だ。
〉   まして、その彼女があなたを愛してるんだから、文句はない。」
〉  と言う台詞には、唸りました。
〉  私も、そこまで達観出来る美しい妻が欲しかった(?)
〉  (あっ、いや、私の妻も充分に美しいです。何の不満も無いです。はい。)

DAVID COPPERFIELDは読んだことがあるのだけど、
いやぁ、そんな素晴らしい台詞があったなんて、読み逃してました。

〉■giggleは音が見える?

〉レベル2や3の児童書を読んでいると、頻繁にgiggleは使われますが、CAPTAIN UNDERPANTSを読んだ時、giggleを見て、音が見えた気がしました。子供がよだれがいっぱいの口で、口の中をよだれで泡立てて、笑いを忍ばせている音です。単に日本語的に「クックック」とは違って、もっとリアルな音が見えた気がしました。結構、子供が使う語彙って、動作とか音のイメージがそのまま発音となって、成立した単語が多い気がするのは、気のせいでしょうか?他にもweirdもその気分を伝えるのに、「わぃあぁぁど」って言う音は、なんかぴったりな感じだし、clackやclapもそうです。
〉そんな直感的な言葉遣いに慣れるのにも、CAPTAIN UNDERPANTSシリーズは絶対お奨めです。
〉(勿論、そんな目的抜きに、お馬鹿さが最高ですけれど)

私も多読を続けてきて、言葉の意味と、その音の感じが、これしかないと思えるような
言葉が増えてきました。
それと、言葉とそれが引き起こす感情やなんかとの関係が、とてもダイレクトに
なってきてくる。
これこそ、多読の成果の一つと思います。

〉■言語は差異の体系である?

〉私は英語能力限りなく透明に近いゼロから、スタートしましたから、200万語読んでも、未だに解らない単語と文章だらけです。でも、解らない単語、文章が解らないからと言って、まるで意味を持たないのかと言うと、そうでは無い気がします。積極的に「かくかく然々の意味である」と解らなくても、消極的に「ほにゃららそれそれと言うことではないのだな」と言う意味は読みとれると思うのです。「彼女がとっても怒ってる」と言う事は解らなくても、「彼女はこの事態を、喜んではいないのだな」と言う理解です。そして、読める力が付いてくると、この「・・・ではない」(差異)事が増えて、「Aでもない、Bでも無い、Cでも無い、残りの何か」(差異の体系)になって、単に「Aではない」時より、より意味が汲み取れてくると言う事なのだと感じました。sakigoroさんが先日仰っていた「精度が上がる」って言うのは、この事なのかな?と思います。
〉(数千万語のsakigoroさんを話に持ち出して、はなはだ僭越なのですが)
〉こういう風に思い当たってから、知らない単語、意味の解らない文章が苦にはならなくなりました。
〉一種の自己暗示です。もし知らない単語、意味の解らない文章が気になって仕方ない方がいらしたら、こんな自己暗示も、ちょっとしたコツになるかも知れません。

その通りだと思います。
そして、読めば読むほど、自分が感じとれる作品世界の解像度はあがってきます。
これは、間違いないです。

〉(もっとも、こんな事を言っても、CAPTAIN UNDERPANTSに出てきたwedgieの意味が未だに気になって仕方ないのですが。しょうがないので、自分でビートたけしの「コマネチ!」な感じなのだろうと勝手に納得しています。)

こんなお話をきくと、酒井先生は寒気すら感じるのではないでしょうか。
多読の威力にです。
私は、高校時代に擬似sss式の多読をやったはてに、PB読みになりましたが、
学校英語は優等生ではないにしても、それほど苦手ではなかった。
だから、多読を始めたときも、どうしても訳読や文法分析から完全に自由にはなれなかった。
道化師さんほどに無心には読めなかった。
私たちとは比べ物にならないくらい学校英語もおおいに
やったはずの酒井先生なんか、こういった道化師さんの報告をきくと、失礼ながら、うらやましくてしょうがないのではないでしょうか。

〉それでは、ハッピーリーディング!!

はい! ハッピーリーディング!! 


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