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お名前: 杏樹
投稿日: 2003/8/10(01:11)
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今夜の「世界ふしぎ発見」はくまのプーさんがテーマでした。
もともとこのお話は新聞で発表されて後に絵本にまとめられました。それが1925年。そのころのイギリスの事情というと…
ロンドンでは1820年ごろに動物園ができて、その後の世界の動物園のモデルになりました。そして20世紀に入るとくまが人気を呼びました。くまの赤ちゃんはそれはそれはちっちゃ〜〜くて、そのちっちゃい赤ちゃんを育てるお母さんの姿を見たロンドンの人たちの間にくま=ほのぼの、という図式ができあがったそうです。
さてそのころ、1902年に「テディ・ベア」が発売されました。イギリスでは子供は小さいうちから子供部屋で一人寝させられるので、そのお供として作られたということです。ですからイギリス人の子供はみーんなテディ・ベアを持っていて、それに対する愛着はひときわ強いそうです。しかも色々な変わりベアが作られてそれはもう色々なテディ・ベアがあるのです。
おまけにテディ・ベア専門のドクターまでいて、作られた年代や会社の特徴まで考慮して修理をしていました。新品のようにするのではなく、よごれやしみなど持ち主にとってなじみの特徴はそのままにして、壊れた部分だけを修理するのがポイントだそうです。
そして新聞記者だったA.A.ミルンは息子のクリストファー・ロビンとテディ・ベアを見てお話を書くことを思いつきます。クリストファー・ロビンはその時白鳥に「Pooh」(くそ!)という名前を付けて呼んでいました。呼んでも来ないから「くそ!」と呼んだそうです。そしてそのころ動物園にいたのはカナダからきた熊で名前が「ウィニー」。これを合わせてWinnie-the-Poohになった訳です。
しかしクリストファー・ロビンがテディ・ベアを抱いている当時の写真が残っているのですが、ディズニーのアニメでお馴染みの姿とはずいぶん違います。あんなに丸々していません。それはどういうことかといいますと、挿し絵を描いた人(名前は忘れました)が息子のテディ・ベア(トーゼン持ってる)を参考にしたのです。そのテディ・ベアは丸っこい形をしていたので丸っこいプーさんになりました。もとの挿絵に思い入れがある人はそれでもディズニーの絵は違う〜と思うかもしれませんが、ディズニーはディズニーなりにプーさんの丸々としたぬいぐるみの感じを出そうと試行錯誤して苦労したそうです。
ディズニーのアニメとキャラクターグッズのおかげで「プーさん」といえばあの姿のイメージが強いですが、もともとはテディ・ベアだったのいうのはまさしく「ふしぎ発見」でした。
いつかプーさんの原書を読むことがあったら挿絵もディズニーではなく当時のもので読んでみたいと思いました。
原書はけっこう難しいという評判ですが、1925年といえばまだあまり児童文学や絵本がジャンルとして確立していなかったのでは。それで子供向けの本を書くノウハウもあまりなかったのかなーと思いました。
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