ややがっかり本3連発

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181. ややがっかり本3連発

お名前: shin
投稿日: 2002/10/23(18:37)

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 こんにちは、ご無沙汰してます。shinです。

 普通のペースに戻して読んでます。
 最近読んだ3冊、これで完全燃焼できなかったので、書評せずに、ここで供
養させてもらいます。面白かったという方はいますか?
 
 1)クーンツのFalse Memory
 False Memoryは、まともな翻訳はでないだろうと思っていたところ、これか
ら読もうと思っていたゴダードの本とともに、同じ日に同じ社の文庫から同時
発売になって、「なんで翻訳がでちゃうんだよー」と結構ショックを受けた
本。
 800ページを超えることもあり読み渋っていましたが、ついに手をだしま
した(本屋で800円と安かった!)。

 クーンツの最近の傾向として、オリジナル新作と、かつて出版社と自分に妥
協し、売るために、例えば過度にエッチな味付けをしてしまった恥ずかしい旧
作をリバイスしてまともにした?作品をだしているようですが、これは後者。

 たぶん、昔、光文社文庫からでていた『殺人プログラミング』(Night
Chills)をリバイスしたもの。
 お下品、エッチな描写は完全に消去され、かれなりの倫理観に裏打ちされた
作品。しかし、長い。だるーくて長い。なかなかエンジンがかからない。「お
いおい」という本です。
 
 あと100ページ位まで来ましたが、クーンツのことだから、エンジンかか
るとは思うが、大丈夫かなあ。心配。

 2)キングのHearts in Atlamtis。
 sakigoroさんのいうように、キングは当たりハズレが激しいのでしょう。
 よほどのキング好きの人でないと、この作品を最初のキング体験にすること
はお勧めできないように思います。
 読後に邦訳の解説か何かを読んだら、映画は小説の最初の半分と最後をとっ
て、さらに加工しているらしい。なるほど・・・
 
 最初は実にいいんです。最初の半分は。これはどうなると期待して次に行く
と、おいおいこれってなんだ、というのが続きます。途中で少しわかりかける
が、どうもこれは盛り上げておいて、ハシゴを外されたような感じがする。
 700ページ近くあるのですが、読み終わった当座は、オフ・ビートな味わ
いがします。

 しかし。最初は不満なんですけど、じわっと後からくる仕掛けになっていま
す。押入を整理していたら、子どもの頃、あれ程探していたものがふっとでて
きたような。
 なので駄作ではありません。

 「暗黒の塔」の世界が裏にあるんですね。これも邦訳で最初の1作だけ読ん
だだけなのでなじみがない。

 最初の盛り上げかたと、その間の盛り下げ方のバランスが実に意地悪で、キ
ングの原書を最初に読んで、一本調子の単純な感動を期待する人には酷な作品
(そんな人はキング好きではないのかもしれませんが)。
 こういう本こそ、登場人物表をつくっておくと便利。それほど人間がでてく
るわけではないですけど。

 よく比べられる(た?)クーンツとキングです(した)が、
 私にとっては、クーンツは<上等な通俗フロイト主義>みたいな感じがし
て、実に清潔・明解。
 キングは、<ユングの元型イメージの世界>に<意識>の殴り込み(という
のはいいすぎですけど)をかけていく人のように感じました。
 まあ、私自身のフロイト、ユングの理解自体がいい加減なものですから、あ
てにはなりませんが。

 3)Reason for Hope
 ジェーン・グドールさんというチンパンジー学者の伝記?。
 これがなんというか、宗教的に中途半端に突き抜けてしまったような。
 わかるんだけど、ちょっと、なにかの広告塔になりすぎではないかと思いま
した。
 途中まではすごくよかったんだけど。
 チンプの子殺しを「悪」の萌芽と見てしまうのか・・・。このあたりがキリ
スト者らしい。

 うーん。次は何を読もうか・・・。本当に面白い本に出会えるかどうかが大
事になってるなあと思う今日この頃です。
  


▼返答


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