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〉〉クリスティが難しいとのお話しですが、私はPB初体験がクリスティで、20冊以上読ん
〉〉でるせいか、難しいと感じないのですよ。
〉 それはすごい。PBを読み始めるまでに相当の英語力をつけ
〉られていらしたんですね?
これはかいかぶりというものです。
前にも書いたことがありますが、私は高校3年生の時に、アトム英文双書という
難易度別にグレード分けされた多読用の副読本をやさしいものから順番に
大量に読みました。
難しい単語やイディオム、文法的説明などが見開きページの右側に載っていて、
辞書を引かなくてもグレードを選べば読めるように工夫してある教材です。
読み始めるとすぐに夢中になるたちの私は、話の先が気になって気になって、
そうした注をみるのもめんどくさくて、少々わからなくても
どんどん読み進んでいくのが常でした。 いわゆる「いいかげん読み」です。
知らず知らずの内に擬似SSS多読学習をやっていたのだと、勝手に自負しています。
図書館にあったこの本を読み尽くした後、恐る恐る、初めて手をのばしたPBが
クリスティの「ナイル殺人事件」で、わからないところはたくさんありましたけど、最後まで楽しく読むことができました。
読み終えた時、内容のおもしろさもさることながら、最後まで読めたということに
感激して、しばらく呆然としたことを昨日のことのようにおぼえています。
調子にのってクリスティばかりを読んだ後、最近の作家のも読んでみようと
買ったのが、題名は忘れましたが、Robert Ludlumのサスペンス物。
ところが、これが難しい。なけなしの小遣いをだして買った本を無駄にするのが
もったいなくて、むきになって読むうちにだんだんおもしろくなり、
Ludlumばかり読む時期がしばらく続きましたが、クリスティのほうが読みやすいのは
変わりませんでした。
どうしてクリスティが、自分にとって読みやすいのかと考えてみたら、理由の一つに
アトム英文双書があると思えてきました。
というのも、これに載ってる作家は昔の人ばかりなんですよ。
モームだとか、ポーだとか、当時としてもかなり古くて、Project Gutenbergで
お目にかかれる作家ばかり。クリスティも、ちょっと昔の作家なので、
古めかしい英語に慣れていたせいじゃないかと思えるのです。
クリスティの難しさについては、別のレスでまた書きたいと思います。
〉〉きっとレベル9を越えるようなのは、読む人の知識背景や趣味によって、難しかった
〉〉り、やさしかったり、人によってまちまちなんだと思います。
〉 私達がレベル分けに一生懸命になるのは、SSS方式で読んで
〉きた人が、どの位のところまで行ったらどんな本が読めるか、という
〉目安を示そうとしているのです。中学生レベルの英語の本から
〉多読を始め、だんだん難しいものを読み進めていく道筋を作ろうと
〉しています。他の方法で勉強して英語が出来るようになってから、
〉PBを読み始めた人が感じる難易度とは違うものになっていると
〉思います。
〉 SSS式多読は、辞書は使わない、知らない単語は飛ばす、
〉それで分からない部分が多くなりすぎてつまらなくなったらやめる、
〉ことになっています。ですから、A,B,C3冊の本があって、
〉語彙レベル、文章構造レベルは同じだとします。ところがAは
〉そのうちの7割位が読みとれれば結構楽しい、Bは8割くらい分から
〉ないとストーリーが追えない、Cは9割以上理解できないと何が
〉いいたいのか分からない、としたらそれらの難易度をA<B<C
〉とつけるのです。それであちこち飛ばしまくっても結構楽しめる
〉シェルダンのようなものはレベルを低くします。
まりあさんのこの難易度分けの説明は、非常に納得できます。
The Chronicle of Narniaの7巻を今年読んだのですが、全体的には
とてもやさしくて読みやすいのだけど、登場人物がお姫様や王様になって
会話をするところなんかは、時代劇がかったいいまわしで、かなり難しい
ですものね。 ところが、全体を理解するためにはそれほど障害には
なりません。
〉〉そうはいっても、とても難しいのは必ずあるもので、私が今まで読了した本の中で一
〉〉番難しいと思ったのが、Frank HerbertのDuneです。
〉〉昔、読みかけたことがあるのだけど、難しすぎて途中で投げ出したことがあります。
〉〉今年、再挑戦して、やっと読むことができました。
〉 おお、よっぽど難しいんでしょう、覗いてみようかな?
これは「読了できた中で」一番難しかったやつです。
今のところ、英文解釈にならないで、楽しく読める限界ぎりぎりなのがDune
といった感じで、もっと難しくて途中で放り投げたのならいっぱいありますよ。
特にProject Gutenbergの中には多いです。
EC.BentleyのTrent's Last Caseだとか、フランス語から英訳された
Les Miserablesだとか、屍累々です。
下のレスで、酒井先生がfluent readerだなんて、おっしゃってくれてますけど、
まだまだ力不足で、恥ずかしいです。
〉〉反対に、今年読んだ本の中で、シェルダン並にやさしくて、シェルダンよりももっと
〉〉内容に深みがあっておもしろいと思ったのが、Michael ConnellyのBlood Workです。
〉〉ミステリー好きの人には、絶対のおすすめだと思いました。
〉 ハードボイルドだそうですが...どしよかな??
ハードボイルドの解釈によりますけど、過酷な現実の中で、主人公が
男らしくてやさしいというのなら、これもハードボイルドといっていいかな。
ミステリーがお好きなら、気に入ってもらえると思います。
個人的には、今年読んだミステリーの中で、一番おもしろいと思った作品です。