[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 14976 // 時刻: 2024/11/23(11:02)]
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お名前: 杏樹
投稿日: 2004/3/14(00:57)
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道化師さん、こんにちは。
〉せっかく、地雷を踏む覚悟でレス頂いたのに、お返事遅くなってすみません。
〉なんせ、肉体的ハンデキャップが、一日の打ち込み量を制限してるもんで。
〉(それで丁度良いって?)
とてもハンディキャップがあるとは思えない数々の書き込みです。
本当は忙しいので時間差レス、歓迎です。
〉おぉ、見事に仕掛けた地雷を探し当てていただきましたねぇ。嬉しい。
〉私、ペギーさんに「アナライザー」って命名されましたが、
〉実はアジテーターなんです。
〉だから、アジテーションの為に仕掛けた仕掛けに気付いて貰えないと、
〉つまんなぁーいんです。(笑)
〉今回は、久子さんにも気付いてもらえたみたいだし、めでたしめでたし。
〉(最近、マリコさんは、気付いてて、知らぬふりするからなぁ)
でも道化師さんのレスを見てると、本気で食って掛かってるんんじゃなくて、議論のための議論をしてるような気がしてきました。
そもそも「知っていることしか読めない」という道化師さんの意見に対して、私が「未知の世界を知りたい」と書いたことで、それを自分の理解できない世界に結びつけて反論するのは飛びすぎではありませんか。
〉どんでん返しに付いて言えば、どんでん返しと私たちが許容できる結末は、
〉私たちが予測出来る範囲に収まると思うのです。
〉「巨人の星」で、星飛雄馬がマウンドに居て、9回裏二死満塁の場面で、
〉バッター花形、星が大リーグボールを投球した瞬間、隕石が後楽園球場に落下、
〉死者数万人が出たなんて結末は、予想外の結末ですが、
〉私たちには許容出来ないと思うんです。
〉許容出来ないって言い方がおかしければ、理解出来ないでもいいです。
そう来るかなーとは思いましたけどね。
でも予想を裏切る展開で、かつ読者を納得させる、というのはストーリーテリングの高等技術です。物語はAかBか、の二者択一的な方向にしか進めないわけではありません。野球の試合なら勝つか負けるか、の二者択一の展開しか望めないわけですが、日常生活にしろ、物語の中にしろ、いつもそんな単純な結末が待ってるわけではありません。だから予測可能な世界はせまい、おもしろくないって言ったんです。
例えば道化師さんが提示した「恋愛もの」
恋愛ものとなれば男と女が出てきて、そうなると結ばれるか別れるか、まさに二者択一の結末しかないですね。あとはその恋愛にどう言う障害が待ち構えているか、で展開するしかない。…わけではありません。男と女が出てくる、読者は結ばれるか別れるか、と考える。しかし本当によく出来た物語というものは、単に二者択一のどちらかの結末を示すのではなく、登場人物の気持ちを描くところにあるのです。
恋をしたことで相手を必死になって追いかけ、何もかも捨ててボロボロになっていく。そこで自分がどん底まで堕ちていって我に返った時何を考えるか?
また、過去に傷ついて他人に心を閉ざしていた主人公が、愛する人を見つけることによって再び他人と交流しようとする。
また、好きな人が出来て、その人にふさわしい人になろうとして自分を磨き、生きる目的をみつけていく。そういった自分探しの物語になっていくとか。はたまたそうして成長した主人公は好きな人を振り切って新しい世界へ出かけてしまう、とか。
たとえ結ばれようと別れようと、その恋で登場人物が得たものがしっかり書かれていれば、読者は登場人物に共感し感動します。二者択一の結末ではなくそういった心の変化を感じ取って感動するのです。
それでも道化師さんは、それは「予測」のなかで起こることだと言うかもしれません。
しかしそこで宝塚の話題はわからない、とか私には自社株の所有の話題はわからない、だから知らないものは読めない、というのは飛躍しすぎです。
私はこの間MTHのリサーチガイドを4冊読みました。そのうちの1冊「Rain Forest」は、表紙を見ただけで「パス!」と思い、気持ち悪いので目につかないよう他の本の間に埋めておきました。だいたい熱帯雨林なんてまるきり興味もありませんし。
しかし他の3冊を読んだら、そちらはまだ興味を引く内容だったのですが、それでも「知らなかった」と思うことが多くて、しかも読みやすくてするする読めたので、その勢いで「Rain Forest」ものぞいてみたんです。そうしたらすらすら読めておもしろいではありませんか。生き物の写真は気持ち悪いので直視しないようにしましたけれど、結果的には「おもしろかった」と思いました。
私がMTHの1巻を読んだ時、知らない単語が多くて読みにくいと思いました。そのうち間を空けながら巻数を重ねていったらだんだん読みやすくなっていきました。1巻の時の読み方だったら「Rain Forest」は絶対読まなかったと思います。すらすら読めて、しかも「読める」こと自体が楽しいから読めたんです。
興味がなくても内容がわかるならなら読めてしまうことはあるんです。
それから、専門的なことを難しく書いた本もありますが、専門外の人にもわかりやすく書いた本もあります。わからない人にうまく説明するのは、本当にわかっていないとできません。本当にわかっている人に導いてもらって、わからなかったことを知ることもできるわけです。私は理数系はさっぱりだめで数式の世界が理解できないのですが、「数式を使わない物理学入門」という本を読んだ時はおもしろかったです。ドップラー効果という言葉を覚えて、救急車が通り過ぎた途端になぜ音が低くなるのかもわかりました。
〉〉私はどんでん返しや予想外の展開が好きですから、「予測が立つ」といってしまうと、予測の立つ世界はおもしろくない、と思ってしまいます。知っていることを再確認するよりも、新しいことを知りたいと思います。道化師さんが例に出している「恋愛小説」みたいなのは読みたいという気がしませんねえ。そんな予測できる世界は私にとっては面白みを感じません。
〉言ってみればどんでん返しや、予想外の展開は、
〉知っているけれど意識していない(志向性を持っていない)世界って事になると
〉思います。
〉だから、私だって、既に志向性のある知識の上塗りばかりではつまらないと
〉思っています。
〉私の言う予測出来る世界とは、志向性を与えられる事によって、
〉知っている事として浮かび上がってくる世界とでも言ったらよいでしょうか。
なるほど。
では道化師さんが私の「読解力」「文章処理能力」という言葉にこだわって反論してくるならば、「予測できる世界」という言葉も不適切な表現ではないかと思います。「予測」と「方向性を与えられて認識する」ことは違うのではありませんか。
〉ただし、知っているけれど意識していない世界(志向性を持っていない世界)は、
〉たこ焼さんの言う「無意識」とは異なります。
〉たこ焼さんの言う「無意識」は、志向性を与えても、見えては来ない世界ですから。
はい。
〉〉「新しいこと」「予想外の展開」と言ってもそれも「予測できる世界」のうちだと言われてしまうかもしれませんが。でも予測の中で読んでるとか、知ってることしか読めない、って言ってしまうとなんだか世界がせま〜く感じてしまいます。
〉〉少なくとも私は本を読むのは未知の世界を訪ねるためと言っていいでしょう。
〉〉道化師さんは「知っていることを読む」。でも「未知の世界を求める」人もいる。
〉だから、何の「場」の共有も無い「未知の世界」は、
〉いくら興味を持って知ろうとしても、知ることは出来ないと言う事です。
〉確かにこう言うと、「世界がせまーく」感じてしまいますが、
〉逆に言うと、世界の近代化の歴史は、西欧社会の「場」に、
〉それ以外の社会を巻き込むと言う流れで来ていると思うのです。
〉それは西欧社会の「場」としての世界を広げる事ではなく、
〉違う「場」を持つ異なる社会を西欧社会の「場」の言葉によって、
〉再定義し直し、それを異なる「場」に参加していた人達に強制し、
〉異なる「場」を消滅させてきた、
〉世界を広げず、外の世界を無くしてきた歴史だと思うのです。
〉特定の個人は、特定の「場」にしか存在する事は出来ないのですから、
〉その特定の個人が「世界がせまーく」感じた発想が、
〉西欧社会の異なる社会の粉砕になってのでは?と思うのです。
これこそ議論のための議論にもつれこんでいませんか。
西欧社会による世界の近代化、というと私が飛びつきそうな話題ですが、本が読めるとはどう言うことか、という話題からはずれていると思います。
道化師さんの「予測」に答えたか、それともはずしたか…。
いかがでしょう?
(忙しいから誘うなって>自分)
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