言葉の最小単位は「物語」

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10832. 言葉の最小単位は「物語」

お名前: たこ焼
投稿日: 2004/3/12(01:37)

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道化師さん、お久しぶり〜♪ たこ焼です。

「香辛料が入ってないカレーライスなんて、美味しくない!」(^L^)
「寂しかったわん。NMS大丈夫かしら・・・」(*^^*)
・・・だそうです。(代筆たこ焼)(^^)


さてさて、本題です。

〉それと、杏樹さんからレスをいただいたので、もう一点。
〉(杏樹さんのみならず、多数の方からボコボコにされる危険性を覚悟の上で、
〉 書いちゃいますね。それが、「議論」ですから。)

ボコボコ? ボ〜コ〜ボ〜コ〜? ふふふふ・・・

〉じゃあ、「文章処理能力」「文章読解力」が主なスキルアップじゃなくて、
〉多読して「読める」ようになるのは、何が原因か?というと、
〉「予測能力」なんだと思うんです。
〉こう書くとまた「知らない単語の意味を推測できる能力」って思われがちですが、
〉そうではなくて、もっと大きい単位で、
〉言ってしまえば、その小説を読む前に、何が書かれているか、
〉予測できているって、事だと思うんです。
〉(日本語で読んだ本を、原書で読むって言うのは、
〉 この力を育成する為の方法でしょう)

なるほど・・・。

〉正確に内容が予測出来ていれば、出来ているほど、
〉知らない単語、構文、文、があっても、意味を汲み取れるって事だと思うんです。
〉だから、好きなジャンル、好きな作家は、多く読んでいるから読みやすい。

なるほど、なるほど。

〉GRも、児童書も、多読でたくさん読めば、
〉その内容の予測が立つようになるから、読めるようになる。
〉GRは、2時間ドラマのようなミステリーが多いですし、
〉児童書でいきなり「世間には抹殺しても良い人間がいる」なんて内容は、
〉決して出てきませんもん。

ふむふむ。

〉れなさんが書かれた納得力も、この予測と実際に書かれていることとの、
〉すり合わせる力なんだろうなぁって言う気がするんです。
〉予測能力だから、知らないジャンルは、やさしい単語で書かれていても、
〉意味がつかめないのだと思うんです。
〉文章処理能力、文章読解力だったら、読めるはずですもん。
〉(勿論、誰だって、常識ってものがありますから、知らないジャンルだって、
〉 ある程度は「読める」=予測が立つでしょう)
〉文章処理能力、文章読解力と言ってしまうと、やっぱり、
〉たくさん読んで、あの文もこの文も覚えて、みたいな、
〉違う意味のビルディングが起きてしまうような気がして、
〉あえて書いてみました。


実はですね・・・

たこ焼は道化師さんの考えに「大賛成!」
おそらくは、同じことを考えていると思います。
そう、道化師さんの「予測能力」なるものを、
たこ焼は「言葉の最小単位は物語」と表現します。

最初、道化師さんの投稿を拝見したとき、
「おや、もしや・・・」
などと思いました。そして、チクワさんへのレスを見て、
「同じこと考えている!」
と確信。道化師さんの投稿を拝見して、
考えをさらに洗練させることができました。

道化師さんの発想の源は、

〉私の基本的な発想は「英語で読めるか?」ではなく、
〉母語である日本語を含めて「何故言語で本(文書)が読めるか?」なんです。

ですか! う〜ん、すごいです。
たこ焼も同じ発想で考えてましたが、この発想だけでは、
とてもとてもこの結論に至ることはできませんでした。
たこ焼の発想を手助けしてくれたのは、
酒井先生の下記の投稿・・・

(((抜粋です)))

円〉〉「基本文例」は授業の最初に小テストもあるし、
円〉〉イヤでも外せないんでしょうし。

酒〉ほんとは基本文例なんかは覚えない方があとあと面倒がないのですよ。
酒〉それで思い出した! ぼくが学校英語を疑いはじめたきっかけは
酒〉修士論文を英語で書いていたときでした・・・
酒〉英語で書いていて、詰まる、抜け出せない、ということがあると、
酒〉どうもその直前に「英作文の公式」を使って書いた文が
酒〉あるということが何度も続きました。
酒〉つまり「基本文例」というやつに言いたいことを載せようとすると、
酒〉文が流れなくなって、その先が続けにくくなる・・・
酒〉思えばそう意識したことが「どうして英語が使えない?」に
酒〉繋がっていったのですね。
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-yukkuri&c=e&id=809]
より一部抜粋。

基本文例で覚えた文では、文章がうまく流れない・・・
こんなこと、普通の人は気付きませんよ。
う〜ん、やはり酒井先生って、「岡本太郎」ですよね。すごいです。

この投稿を初めて拝見した頃(半年前)のたこ焼は、
酒井先生のこの言葉の意味があまりわかりませんでした。
でも、なんかありそう、と感じ、時々思い出していたんです。
で、あの結論を得られたんです。

酒井先生も同じように考えておられるのではないでしょうか?
おそらく、酒井先生の「物語の力」という言葉は、
道化師さんやたこ焼の考えと同じものを相当含むのではないか思います。
また、道化師さんの考察どうり、れなさんの納得力も非常に近い考えだと思います。


個々の単語は、文の中にないと意味が決まらない
などと考えていましたが、
その個々の文すら、「物語」の中にないと意味が確定しない
のです。

文と文は「連想力」でつながっているのです。
「連想力」なき文の集合は、「物語」ではありません。
「連想力」とは、例えば、語のレベルで言えば、
「りんご」という語に対して、「赤」とか「歯ぐき」を思わず連想させるような力です。
文のレベルで言うと、「これ、どうぞ。」に対して、「ありがとう。」とか。
あるいは、「愛してるわ・・・」に対して、いくつかの連想を経て、「さようなら。」とか。
まぁ、ごく単純な例しか挙げられませんが、このような力です。
そして、この「連想力」による「連想」には2種類あって、
連想自体が意識に上りやすい「浅い連想」と、
連想を意識できずに無意識の中にとどまる「深い連想」とがあります。
上記の例は、連想自体が意識に上りやすい「浅い連想」で、
「ああ、連想しているな」と思えるのですが、
連想など意識せずに文をつなげているときには
「深い連想」が大いに働いているのです。
道化師さんは、この「連想」の要素に注目して、「予測能力」という
表現を選ばれたのではないでしょうか?

言葉の最小単位ですので、「物語」を小さく切り刻んだ要素、
例えば、単語、孤立した文などはもはや言葉ではありません。
従って、これらをいくらインプットしても、脳の言語野は
それらを言葉としてなかなか認識しないのです。
ところがSSS的多読だと、「物語」そのものをインプットするので、
脳の言語野はちゃんと言葉として認識して、
言語野の成長が促進されるのではないでしょうか?

いや、もう少し精密に表現すると、
「物語」のイメージが漂っている状態なら、
取り出した個々の語や文も、言葉として感じられるのです。
多読で覚えた語や表現が、生き生きとしているのは
そのような理由からではないでしょうか?

ではでは〜♪

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