【報告】第１４回　Hanaho 倶楽部

Hanaho！はらぺこあおむしです。
今回も十人十色の選書、十人十色な切り口で絵本の世界を堪能しました。
前に誰かが紹介してくれた本も、別の人に紹介してもらうと新たな発見があったり、
やっぱり同じところで盛り上がったりと、絵本の楽しみはつきません。
ぜひ気軽にお気に入りの一冊を抱えて遊びに来て下さいね。
もちろん、絵本なしの参加もOK。絵本の楽しみを分かち合いましょう。
絵本好きな大人のための絵本の会Hanaho倶楽部、みなさんの参加をお待ちしています。

５月９日　第１４回　Hanaho 倶楽部
参加者：１０名
　葉っぱ、ＮＡＴＳＵ、パピイ、アトム、夜行猫、ポロン、Ditto、
　しお、たんぽぽのわたげ、あおむし

■The Great Pyramid / Roscoe Cooper, Carolyn Croll　（BT）
ISBN: 0816743908
ピラミッドの形に合わせて、本も三角形です。そして、仕掛けがついています。
ミイラとピラミッドの作り方が立体的でわかりやすく楽しめます。
完成したピラミッドの裏側には、副葬品が見え、ちょっとした遊び心が・・・
（葉っぱ）

■One Wonderful World / Kate Petty, Jennie Maizels　（BT）
ISBN: 037032711X
地球がテーマのしかけ絵本です。天体としての地球という理科っぽい面と、世界の大
陸や国々、そこに暮らす動物や人々といった地理っぽい面と、両面から地球にせまっ
ています。
最初のページを開けると球状の地球が飛び出してきますよー。
この本ね、アマゾンではOne Wonderful World という本になってるけど
実際の本にはOne Wonderful World ってどこにも書いてないんです。
背表紙にも表にも「The Wonderful World Book」て書いてあります。（ＮＡＴＳＵ）

■Mythological Monsters of Ancient Greece / Sara Fanelli　（BT）
ISBN: 0744588987
題名のとおり、ギリシア神話に登場する14匹の怪物たちの絵本で、
空想上の怪物たちが、コラージュと、のびやかな絵で描かれています。
この絵本も、ジャケ買いでした。ぜひ、表紙を見てください。

説明文は、絵と絵のすきまに、手書きでちょこ、ちょこっと書かれており、
読むと言うより、絵を眺めて楽しむ作品です。と言っても、知らない怪物や、
そうだったっけ？と思うことも結構有りました。（パピイ）

■Black and White / David MacAulay　（BT）
ISBN: 0395521513
ブックトークをしたことになっていますが、話の内容は一切語らず。
だって本を見開いたら、一度に４つの話が進行するんだもの。
別々のお話のようで、でも実は一つのお話で、でもやっぱり４つのお話。
？？
煙に巻かれた人は是非読んでみてください。（アトム）

■Three Samurai Cats: A Story From Japan / Eric A. Kimmel, Mordicai Gerstein　（BT）
ISBN: 0823418774
鈴木大拙の著書に引用されている「侍と猫」という昔話を参考に書かれた絵本です。
ネコ侍がならず者のネズミを追い出す大筋は納得できるものなのですが、
神社の中に剣道の道場が！
道場の指導者は禅僧！？
お城の床はタイル張り！？
特にイラストがトホホな絵本です。（夜行猫）

■Cat Trap! / Greg Gormley　（ST）
ISBN: 043996833x
ネコがいとこを駅まで迎えにいきます。ネコの友達のネズミは、あまりにものん
びりしているネコが心配でたまりません。
絵も字も大きくて読み聞かせにピッタリのかわいい絵本です。（夜行猫）

■Lottie's New Beach Towel / Petra Mathers　（ST）
ISBN: 0689844417
■A Cake for Herbie / Petra Mathers　（ST）
ISBN: 0689860048
■Lottie's New Friend　（ST）
ISBN: 068984896x
『Lottie's World 』というシリーズ絵本３冊をご紹介します。
ニワトリのLottieとアヒルのHerbieが織り成す友情物語。
キャラがたってます。ユーモラス。笑えます。
「そんなんありか〜？」と突っ込んで楽しめます。
でも、読んだあとほのぼの心和む物語です。
どこか、『George and Martha 』を思わせるものがあります。

このシリーズは全部で６冊出ているようですが、
今のところペーパーバックになっているのは３冊です。
早く続きが読みたい！（ポロン）

■Tea With Milk / Allen Say　（BT）
ISBN: 0395904951
物悲しさを漂わせている水彩画に、帰国子女となったＭａｙの
心の葛藤が描かれています。作者Sayさんのご両親の物語。（Ditto）

■Grandfather's Journey / Allen Say　（BT）
ISBN: 0395570352
Caldecott賞。作者Sayさんの祖父がアメリカへ渡って、家族と暮らし、
娘（Ｍａｙ）を連れ日本に戻ってからの、二つの国に心が引き裂かれる想いが、
その時代を忠実に表現している水彩画で綴られています。
読む順番はこちらを先にどうぞ。（Ditto）

■Jim and the Beanstalk / Raymond Briggs　（BT）
ISBN: 0698115775

「ジャックと豆の木」ならぬ、「ジムと豆の木」のお話です。
ある日、ジムが目覚めると、天まで続く大きな植物がそびえ
たっていました。ジムが登っていくと、そこにはお城があって
ジャックのお話で有名なあの大男が住んでいました。
でも、大男はすっかり年をとっていて、前にジャックに金貨やら
金の竪琴やらを盗まれて以来元気がありません。
ジムはそんな大男を手助けします。人々の表情が面白い！（しお）

　★オランダ旅行に行ったとき買った本の中から２冊紹介します。
■The Cow who Fell in the Canal / Phyllis Krasilovsky (BT)
ISBN: 1405212241

この１冊でオランダ観光ができる（？）手のひらサイズの
ミニ本です。Hendrikaという牛が主人公。
Hendrikaはずーっと運河のそばの農場で暮らしていて、外
の世界を見たいと思っていました。ある日のこと、HendriKa
は足をすべらせて運河に落っこちてしまいます。たまたま流
れてきた古い筏にのって、運河をくだり、Hendrikaは街へ。
カラーのページが随所にあって、街の様子が細かく鮮やかに
描きこまれています。1958年出版とありますが、旅行したとき
に見た街と同じ印象で、全然古さを感じません。ミュージアム
ショップなどで売られているのもなるほど〜とうなずけました。（しお）

■Katje the Windmill Cat　/ Gretchen Woelfle, NIcola Bayley (BT)
ISBN: 0744589398

ネコのKatjeは、粉屋のNicoと仲良く暮らしていましたが、Nico
にお嫁さんのLenaが来てからというもの、Lenaにじゃけんにあつ
かわれました。そんなある日、大嵐が来て堤防を破る大洪水となり、
Katjeはゆりかごの中の赤ちゃんと共に押し流されてしまいます。
Katjeは赤ちゃんを守ろうと、ゆりかごが転覆しないよう踏ん張ります。
このお話は、1421年に実際にあった出来事だそうです。
各ページの飾りがデルフト焼きのタイル模様で可愛らしいんですよ。（しお）

■The Other Side / Istvan Banyai　（BT）
ISBN: 0811846083
先月のあおむしさんの反対語を絵本にした「Elephant Elephant 」に刺激され、
今月は私も「反対」本を。
…とその前に、10年くらい前に初めて出会った　著者のIstvan Banyaiさんの作品
を紹介しました。（３冊ともほぼ「絵だけ」の　絵本です）
　　●ＺＯＯＭ　/　イシュトバン・バンニャイ　/　翔泳社　　
　　　ISBN:4881352547
　　　　　１ページ目、画面いっぱいの火山の爆発かな？と思うと
　　　　　２ページ目でカメラが引いて、いや、鶏のトサカだったのか　とわかります。

　　　　　３ページ目では、さらにカメラが引き、その鶏を窓から見てる子ども達が
　　　　　　　　　　　　　　　現れます。
　　　　　…ところがそれは、、、と、カメラがどんどんズーム・アウトしていくように
　　　　　今見てるものの正体がめまぐるしく変わっていくのが
　　　　　衝撃的におもしろかった絵本でした。（第２弾　●ＲＥ-ＺＯＯＭもあります）

「ＺＯＯＭ」が　Istvan Banyai　さんの処女作で、他に作品を知らなかったので
今回この「The Other Side」 が楽しめてとてもうれしかったです。
　●The Other Side
　　　　　今見てるものの　反対側はどうなってるの？　というテーマで
　　　　　展開していきます。
　　　　　
　　　　　初めのページで　紙飛行機が折られ、
　　　　　この紙飛行機につられるようにページをめくり、絵本の中に入っていきます。
　　　　　
　　　　　まず　女の子のいる部屋の窓の外に紙飛行機が飛んでいます。
　　　　　次のページは　少し離れたところからのそのマンションの絵で、
　　　　　１つの窓から男の子が　どんどん紙飛行機を飛ばしています。
　　　　　こんどは本物の飛行機の機内が描かれ、次のページでは
　　　　　それを遠くのビーチから見上げます。
　　　　　とくにストーリーがあるわけではなく、絵の中の人物、動物、小物たちが
　　　　　次のシーンにさりげなく現れたり、と微妙なつながりを持ちつつ、
　　　　　反対側はどうなってるの？を楽しんでいきます。　不思議な感じ、
　　　　　イメージのひろがりの楽しさは　さすが「ＺＯＯＭ」のIstvan Banyaiさん
　　　　　です。（たんぽぽのわたげ）

■Our Big Home: An Earth Poem　Linda Glaser / Elisa Kleven　（BT）
ISBN: 0761317767
私たちの大きなおうち、それは地球。パステルとペインティングとコラージュを使った
やさしく明るい色遣いのpeacefulな絵本。やさしい気持ちになれます。
（はらぺこあおむし）

■Zoo / Anthony Browne　（BT）
ISBN: 0374499233
ゴリラを描かせたら天下一品のアンソニーブラウンが描くZOO。Amazonでは 乳幼児-就
学前児童向けということになっていますが、どっこいお子ちゃま向けではありません。
むしろ、かわゆく明るい子供向けを期待すると、「なんだこれ？」な風刺に富んだ一冊。
オリの中の動物ではなく人間こそがbeastなのかもしれません。
（はらぺこあおむし）

■When Everybody Wore a Hat / William Steig　（BT）
ISBN: 0060097000
ウィリアムスタイグの自叙伝。自分が子どもの頃に出会った人々をスタイグらしい視点で
描いています。子どもの心と大人の目を持った不思議な人ですね。
（はらぺこあおむし）