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お名前: 泊義 http://eigomonihongomo.blog22.fc2.com/
投稿日: 2009/6/9(00:48)
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皆さん、こんにちは。泊義です。 marinさん、今回は幹事、ありがとうございました。 それでは、私の持参本をあらためて簡単に紹介いたします。 前回、私はシルクロードの絵本を紹介しました。 [url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-event&c=e&id=13222] それらの絵本は主に大陸が舞台でしたので、今回は海が舞台の 海賊の絵本を持って来ました。 ホラーとは言えないかもしれませんが、海賊も恐ろしい存在では あるので、「666祭り」にそれほど外れてはいないかな、という 気持ちもあった次第。それに、尾田栄一郎『ONE PIECE』54巻が 出た直後でもありましたので^^;)。 ————————————————————————— ●Richard Platt (著), Chris Riddell (イラスト) 『Pirate Diary: The Journal of Jake Carpenter』Candlewick (2001/10/1) [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0763608483/sss-22/ref=nosim] 舞台は、1716年、ジョージ1世の時代。海賊と一緒に航海するはめに なったジェイク少年の物語です。 ジェイク少年が乗っていた帆船グレイハウンド号が、海賊に乗っ取 られます。おもしろいのが、船員たちはむしろこの海賊の襲撃を 歓迎している点。よほど、もとの船長から受けた待遇がひどかった のでしょう(笑)。 海賊乗っ取りの後、新船長は全員の投票で決定。さらに、乗員全員 が守るべき十の条項が作られます。 余談ですが、デシャン/田辺貞之助訳『海賊』(文庫クセジュ) の 次の記述を思い出しました。 《海賊はルソーよりもずっと以前に、すでに社会契約を発明した。 海賊の一団または仲間をつくるとき(中略)人々は根本的な点 を規正する≪条項≫をさだめ、≪約定≫または≪狩猟契約≫と 呼んだ。》 さらに、グレイハウンド号は、ニュー・プロビデンス島の 「海賊共和国」(The Pirate's Republic)なるところに立ち 寄ります。 意外にも(?)、海賊は「民主的」な一面を持ち合わせていたこと を、この絵本から窺い知ることができました。 帆船や海賊のイラスト描写も凝っています。 ————————————————————————— ●J. Patrick Lewis (著) 『Blackbeard the Pirate King』 National Geographic Children's Books (2006/5/9) [url:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0792255852/sss-22/ref=nosim] 史上最も有名な海賊のひとり、黒髭エドワード・ティーチの絵本。 「黒ひげ危機一発」はじめ、後世さまざまなモチーフになっている 海賊です。 副題に"the Pirate King"とあるように、まさに実在した「海賊王」 ですね。 この絵本は、これまで多くの画家によって描かれてきた黒髭の 絵画に、そのシーンの説明文が添えられた体裁になっています。 この絵本の絵で最も古いのは、1730年にThomas Nichollsという人 に描かれたもの。 1717年、黒髭はフランス船を強奪し、「アン女王の復讐号」 (Queen Anne's Revenge)と名づけます。この絵本では、切絵の ようなタッチで描かれたその奪取の場面が載っています。 黒髭は1710年から1713年にかけてスペイン継承戦争(アン女王戦争) にイギリスの私掠船船員として参加しており、「アン女王の復讐号」 の名は、そのあたりに由来するのでしょう。 ちなみに1996年に、黒髭の拠点かつ最期の地、ノースカロライナ州 で「アン女王の復讐号」と思しき沈没船が発見されています。 黒髭は、最期、弾丸五発と二十太刀を受けながら、なお悪魔の ごとく壮絶に戦い続けたそうです^^;)。このシーンのイラストは、 格好いいです。 黒髭の伝説は、今も失われてません。 それゆえ、冒頭、"Dear Readers"での、 "Some tales at once excite you, Some tales told twice are true." という読者への語りかけが、うまく効いています。 以上です。 泊義
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