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お名前: MOMA親爺
投稿日: 2005/6/15(20:11)
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最近言葉に凝っています。多読だけで単語が増えていくことが不思議で、自分なりにいろいろ考えて
いたのですが、児童書やPBを読んでいて、いろいろ気がつくことがあったの書いてみます。
気がつかされたとき、それまでの違和感が一挙に、鮮やかに変わっていくわけです。この「気づき」が
たまらなくイイのです。一挙に何かがふくらむ感じがする。早い段階で辞書を引いてもこの感じは得られ
ないんです。あるいは「気がついたとき」辞書を引いても、自分の頭は出来上がっているので、もう
動じない。「そうかな、辞書君。君はそう思うかね?」
たびたび話題になるclimbもそうです。climb downって何よ?から始まるのね。
山なんかなかなか出てこない。丘なんかなかなか出てこない。私が読む本では、車の乗降、馬の乗り降り
なんかが主なシーン。だから随分困る。困るけど、気がついたら、そこからはそんなものです。むしろ
積極的に使ってみたくなる。なんで降りるのにclimbなのよ?ふふふ・・・それが英語なんだよね。
児童書読んでいて少しこだわったのがpokeという言葉でした。
例えばこんなシーンを思いだします。教室で授業が終わります。放課後遊ぶ約束をしていた隣のクラスの
Josh君が、教室の後ろの扉を半開きに開けてpokeします。なんなんだろう?poke。こんな時、挿絵が
一枚あるといいですね。たいてい顔だけのぞかせている。あら、引っ込めた。また出したぞ!私にとって
最初の頃はこんなイメージだった。
別の本で、お母さんが七面鳥をオーブンで焼いている。いいにおいがしてきます。早く焼けないかな。
おかあさん、焼き加減が気になるようです。そこで金串が登場します。お母さん金串を七面鳥にpoke
します。えっpokeするの?金串を伝わっておいしいジュースが流れ出てきます(このジュースもずいぶ
ん面白いイメージですよね。juiceってなんでもイイみたい)
私にとってpokeのイメージはこの二つの場面で充分みたいです。とはいうもののこの二つの場面は結び
つくようで、結びつかない。結びつかないが、結びつく。ビミョーな世界なんです。これが私の今の英語
の世界です。ここで無理して日本語で「要約」してしまうと、折角のイメージが台無しです。まさに
「そうかな、辞書君。君はそう思うかね?」なのね。
教えて貰って感心したし、辞書見たらたしかに「群れ」と書いてある。でも思ったわけだ。幼児の発達段
階で最初にSchoolって言葉に出会うのは「うわ〜、いっぱい!」であり「群れ」のイメージなんですね。
彼らはここから始まるんでしょう、かの国では。彼らはそのうち小学校に行きますが、その学校ーSchool
は「群れ」であり「うわ〜、いっぱい!」に「なにかが」彩られ、くっついたイメージだと思うのです。
これが高校生になると「the School of Aristotle」なんていうのが出てくる(と思う)。
英語ウンチク本には「これをアリストテレスの学校と訳す素人がいるが、これはアリストテレス学派
のことですから、よーく気を付けるように!」と書いてあるんです。昔これを読んだボクも「へ〜」と
思っていたわけです。「漱石一門」も「吉田学校」もみなスクールなんだ。外務省にもあるよね、china school
ってのが。
この一見簡単な言葉にいろいろな日本語を付加していくことが、これまでのお勉強だったわけです。
日本の学習者はまず「学校」を習い、運が良ければ「群れ」を知り、「学派」を知る。エライエライ。
でも多読を始めてみて、また考えが変わったのね。これ皆Schoolでいいじゃん。無理に日本語に直さ
なくてはいけない人(翻訳家、受験生)は日本語としての単語を選ばなくてはいけないから、そのなかで
「群れ」「学校」「学派」なんていろいろ知っていなくてはいけませんが、でも私はSchool一本で充分で
す。最近は「同好の士が群れているイメージ」で充分ですわよ。むしろSchool=学校なる疑惑のイメー
ジを振り払うのに成功したことに・・ああ快感!
ここでいいたい。強くいいたい。
「単語にもunlearnがあるのよ」って事を!だってSchool=学校はかなり強烈なイメージとは思いませ
ん??振り払うのは大変だ。
余談ですけどテレビに出てくるsingerのchemistryってどんなイメージでつけたんでしょね?
まさか「化学」じゃないよね。相性?・・・・「あなたと私の結びつき」「親和力(これゲーテからネ)」
「みんなの和!」エトセトラ・エトセトラ・・こんなところにも、謎はあるんだなーー。
私たちが絵本やORTや児童書やGRで、ある程度欧米の子供達の発達段階をまねすることがいかに大事か、
私は多読で学ばせて頂いたと思うんです。面白いよ、これは。イメージの組上がり方が違うんだもの。
日本だとある段階から飛んじゃうのね「わかんない」から「理念」へと・・・
英語圏ではそうではなさそう。
あるいはまったく英語を知らない日本の子供達が、多読をとおしてどんな世界を作っていくのか楽しみ
なんです。アンラーンがいらないからな、やつらは!!schoolなんか絵本じゃ良く出てくるんだろうな
なんて、思ったりしています。
英語の単語が織りなす世界というのは日本語の世界とは違います。
やはり英語は英語だなと思う。世界が違う。言葉が違えば、世界の切り取り方が違う。
これが面白い。多読をやって初めて気がついた。
という、お話でした。多読で単語が増えていくことにとても興味があるMOMA親爺でした。
おそまつ。
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