[掲示板: 〈過去ログ〉英語のことなんでも -- 最新メッセージID: 2495 // 時刻: 2024/11/24(14:26)]
上へ | 前のメッセージへ | 次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む | 訂正する | 削除する
お名前: Ry0tasan http://tadoten.blog122.fc2.com
投稿日: 2008/7/29(11:28)
------------------------------
幼児が母語を身につけるのと同じように別の言語を身につけたかったら、その人にとって理解可能なインプットを大量に行なえば良いというのが Krashen 教授が提唱するインプット仮説の大意です。
具体的には、その人が流暢に使いこなせる水準の少し上、背景知識や前後関係から何とか理解できる範囲の内容をインプットするのが良いとされています。
この仮説が独特なのは、話す・書く練習を意識的に行なってもモニター機能にしかならないと主張していることです。子どもが流暢に母語を使いこなすような言語能力を身につけるためにアウトプットは不要というわけです。(勿論、学校で優秀な成績をおさめるためには、意識的にアウトプットの練習をしてモニター機能を伸ばすことも有効でしょう。)
この過激な仮説に対して、カナダでフランス語漬けの授業を受けた子どもたちの力が、もともとフランス語を母語とする子どもたちの水準には達しなかったという反論が出されているようです。ただし、生徒の言語環境や授業の質、試験の方法などで結果は違ってくるので、本当に望ましいインプットだったかどうかわ分かりません。
インプットの効果を客観的に測定する方法を Krashen 教授が示していないのはまずいという主張もあるようです。
こういう反論に対する回答として出されたのが、多読の効果を示した The Power of Reading だと僕は思うのですが、この仮説をめぐる議論の中で多読が言及されることは非常に少ないようです。探してみると、耳からのインプットを通して文法事項が身に付いたかに注目した例ばかりが出てきます。(時間があったらもう少し探してみます。)
▲返答元
▼返答