ヴェンダース作品

　こんばんはー。shinです。

　標題ですが、別にヴェンダースが異様に好きなわけではありません。全部も
見てません。私にとってヴェンダースは当たりはずれが大きくて、つまらない
ものはとてつもなくつまらなくて、いいものはとてもいいという不安定な作風
の監督です。
　ロード・ムービーというか、ある種、ノマド派の感情をくすぐるところがあ
るので、ツボにはまる作品は好きです。
　作品にはドイツ語メインとか、英語メインとか、スペイン語メインとかがあ
ります。といって吹き替えということではないですけど。
　ということで、勝手に紹介させていただきます。

『パリ、テキサス』
　いきなりマイナーな映画ですが・・・。でも、一応、カンヌでグランプリを
とってます。英語の映画なのですが、アメリカではＤＶＤはでてないですね
ー。わーい。
　ライ・クーダーの乾いたギター、ハリウッド映画とはぜんぜんトーンの違う
日常風景がとてもよいです。
　ナスターシャ・キンスキーもポランスキーの『テス』以外はあまり・・、と
感じますが、これはよかった。彼女のベストだという人は多いです。
　主演は、ハリー・ディーン・スタントン。『グリ−ン・マイル』で、カート
をひいて雑貨売りをしてたトゥート＝トゥート役（まいなー！）でした。
　めぼしい？ところでは、ルイ・マルの『ルシアンの青春』（ジャンゴ・ライ
ンハルトの演奏がよかった）でデビューしたオーロール・クレマンが主人公の
弟の嫁さん役ででているくらいです。もともと登場人物が少ないですが。

　行方不明になった奥さんを、放浪から帰還した男が息子と探しにいくという
ロード・ムービー（まあ、ヴェンダース作品はほとんどロード・ムービーです
が）。女の人はナスターシャ・キンスキーよりもこちらの息子役の金髪の男の
子の方がかわいいと思うかもしれません。
　日本あたりでこのあたりのテーマを歌にすると、「男と女の間には〜、暗く
て深い川がある〜」。やっぱ野坂昭如の黒の舟歌か（笑）・・・。

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
　キューバ語、じゃなくて、スペイン語でしたか。『パリ、テキサス』で音楽
を担当したライ・クーダーとその息子が英語をしゃべる以外は全編ほとんどが
スペイン語。ラテン系の哀愁漂う、老音楽家たちの姿が光ってました。
　ライ・クーダーの探し当てたキューバの老音楽家たちが『ブエナ・ビスタ・
ソシアル・クラブ』というバンドに再結成してカーネギー・ホールでコンサー
トを開くことになるのですが、一人一人へのインタビューとコンサート風景と
キューバの風景で構成された出色の音楽ドキュメンタリーでした。一人一人の
顔と演奏がとてもいいです。コクがあります。ラストもなかなか。
　懐かしい時代にタイムスリップをしたような映画。
　彼らはこれでメジャーになり、それぞれのミュージシャンが日本でもＣＭに
でたりコンサートを開くようになりました。
　最近は、これがヴェンダースのベストかなと思うこともあります。

『ハメット』
　作家・ダシール・ハメットを主人公にしたミステリ映画。コッポラに招かれ
たヴェンダースのアメリカ作品ですが、口を出しすぎるコッポラと衝突し、結
局、放り投げてしまった映画だそうです。それをとにかくも編集して公開され
たのがこの作品のようですが、９０分近くの映画はまるで予告編かダイジェス
トの様相で、確かに中途半端。もし、完成していたら３時間近くの面白い映画
にはなったのではないでしょうか。とても残念。雰囲気の一端は感じられるん
ですけどねー。

『ベルリン天使の詩』
　こちらは本国・ドイツ映画。これもカンヌで何かの賞をとったような・・。
　「刑事コロンボ」のピーター・フォーク以外はドイツ語。ブルーノ・ガンツ
が主演してました。あたかもドイツ的にどんよりとたれ込める雲のもと展開す
るような、思弁的な映画だったような記憶が（ほとんどモノクロ）。でも、そ
れなりによかったです。
　続編には、ゴルビーとかナスターシャ・キンスキーとかウィレム・デフォー
がでていたようでしたが、それほど記憶にないです。
　面白かったのは、この映画を原作にしたアメリカ映画『シティ・オブ・エン
ジェル』の雰囲気が実に好対照だったこと。それから、メグ・ライアンと共に
主演していたのが"Pachinko!"男優のニコラス・ケイジだったこと。コッポラの
甥なんだそうですね。コッポラ一族とは『ハメット』以降、何か因縁があるの
かなあ。　
　　　　
　この他にも、笠智衆最後の出演作『東京画』とか、デニス・ホッパーのでて
た『アメリカの　友人』とか、最近ではＵ２のボノ原案の『ミリオンダラー・
ホテル』とかもあるようなんですが、見てませんね。誰か見た方いますか？

　そういえば、ここは英語の映画が多いですが、英語圏以外の言葉をやってい
る人のおすすめには、どんな作品があるのでしょう。知りたい気がします。
　なんか趣旨を間違えてしまったかもしれませんけど。では、お邪魔しまし
た。