Re: 我が家とフォニックス

[掲示板: 〈過去ログ〉親子で多読を楽しむ -- 最新メッセージID: 4028 // 時刻: 2024/7/2(08:12)]

管理用 HELP LOGIN    :    :


上へ上へ | 前のメッセージへ前のメッセージへ | 次のメッセージへ次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む返答を書き込む | 訂正する訂正する | 削除する削除する

[賛成] 2606. Re: 我が家とフォニックス

お名前: 酒井@快読100万語!
投稿日: 2005/3/9(23:15)

------------------------------

ピアノさん、こんばんは!
先日は失礼いたしました・・・
九州つながりで人間違いをしました。
今度大分か、福岡でお会いしたいですね。

〉フォニックスについて我が家にはいくつかの経験があります。
〉今回はそれをちょっとお話しようかなと思って投稿しました。

いままでフォニックスについては沈黙を保ってきたのですが、
ピアノさんの書かれていることがあまりにぼくの意見とぴったり
符合するので、つい、禁を破ってかいてしまいます。
(どうも言葉遣いが古い・・・)

〉我が家の娘マフラーちゃん(現在小2)が年長の一年間をロスで過ごしました。
〉現地のキンダーに2ヶ月・小学校に7ヶ月通いました。
〉その中で徹底的に教えこまれたのがフォニカル・サウンズ。わたしはフォニックスのことは全然知らなくて、急いでおもちゃのフォニックス教材を購入しました。(Aを押すと‘アッ’と鳴るやつ)
〉娘は日に日に単語が読めるようになり、それが文になり、最終的には物語になり・・・。わたしは感動しました。ふえーー!フォニックスってすごい!魔法じゃん!!

はい、そうでなければこれほど世界に蔓延しなかったでしょうね。

〉帰国後下の息子ちび丸のために、早速フォニックスのビデオを買いました。フォニックスを教えれば、マフラーちゃんのように英語が読めるようになるぞー!とわたしは考えていました。
〉ーーーーーーーところがーーーーーーー

はい、そうだと思います・・・

〉ビデオを見せたり、アルファベット表を貼って「アッ・ブッ・クッ・・・」とやってみてもなんかしっくりこないんです。しかも一文字を覚えても二文字・・その他の規則もあって・・・永遠にフォニックスの学習が終わらないんです。しかも、普段は日本語で生活していて、英語を耳にするのはビデオを見る時くらいだから、「英語の音」そのものについて体が吸収していかない感じなんですよね。
〉数ヶ月で「なんか違うなあ???」と思って、結局ちび丸にフォニックスを仕込むのを辞めました。

それはよい判断だったのではないかな。
ピアノさんが子どもさんを客観的に、冷静に、親身に(?)見て
いらっしゃったからやめる判断ができたのだと思われます。
いまのフォニックス流行の中でその判断をするのはとてもむずかしい
ことです。

〉現地でフォニックスを学ぶことと日本でフォニックスを学ぶことには何か大きな違いがあるように感じました。家が英語教室をやっているとか親が英語をしゃべっているとかいう状況だともう少し違うのかもしれませんが、我が家はダメでした。

その通りだと思います。冷静な判断だと思われます。

〉今はちび丸(現在年中)と英語の本を地道に読んでいます。どれも30語くらいの簡単なものです。
〉そのページの絵を見て、一つ一つの単語を見ながら発音しています。
〉もちろん初めての単語は読めません。でも、「ride」を覚えたら「rake」が出てきた時に舌を丸めて「ら」・・とか言ってるんです。「swim」を覚えたら「swings」が出てきた時に「すうぃ・・」とか言ってるんです。
〉フォニックスが後からついてきている???のかな???

結局この点なんじゃないかと思うのです。
フォニックスは後からついてくるもの・・・

〉わたしは英語専門の人間ではないので、すべてが手探り。
〉でも自分と自分の子供に一番良い方法で英語に親しんでいければいいなあと思っています。

そのピアノさんの手探りがとても確実で、しっかりしていているから
さまざまな外圧(?)、たとえば児童英語本とか、電話とかに
まどわされないのでしょう。

ピアノさんの書かれたとおりではないかな?
つまり、フォニックスというのは、アメリカの、英語は話せるが
読書はしない子どもになんとか読書をさせたいという気持ちから
生まれたものです。(その点はSRAという教材も同じですね。)

つまり、すでに英語は話せること、音としては体の中で英語が
生きていることが前提です。再度つまり・・・フォニックスは
「後からついてくる」ことが大前提なのです。英語をゼロから
獲得しなければならない日本人にとっては大前提がない!
アメリカの子どもたちなら、フォニックスがいままで知っていた
音と綴りを結びつけてくれるので、楽しいかもしれませんが、
(ぼくはそれもあまり信用していませんが)、英語が体の中に
ない日本人にとっては、おもしろくないし、続かない・・・ 
そこで日本でフォニックスをやろうという人たちはゲームや
「アクティビティ」で子どもを釣らなければならない・・・

その上、フォニックスには絶対矛盾の自己撞着みたいな矛盾が
あります。それがピアノさんの書かれたもう一つの点です。
「その他の規則もあって・・・永遠にフォニックスの学習が
終わらないんです。」と書いていらっしゃるでしょう?
それはとても鋭いと思います。フォニックスのいちばんの矛盾が
そこにあります。

もともとなぜ「音では英語が話せるアメリカの子どもたちが
文字で表された英語を読めないのか」というと、英語の文字と
音の間に規則的な関係が薄いからなのです。これはフランス語や
ドイツ語とくらべるとすぐにわかります。英語は綴りと音の関係が
めちゃくちゃな言葉なのですね。

これは日本語と同じで、日本語では大和言葉と漢語が重なって
音訓という面倒な事態が発生したように、英語でもノルマン征服の
あと、ゲルマン系の言葉にラテン系の言葉が重なりました。
その結果、綴りと音の関係はめちゃくちゃになり、音を使って
話せるからといって、文字が読めるとは限らないといういまの英語の
矛盾が生まれた・・・

フォニックスはこの矛盾を解決しようと、文字と綴りの間の規則を
子ども植え付けようと編み出されたのですが、もちろんこれは自己
矛盾で、「文字と音の間に規則性がないから話せるけど読めない
子どもがいる → 文字が読めるように規則性を教える」なんていう
矛盾をはじめてしまったのですね。(アメリカの教育者もかなり
いい加減だということがわかります。アメリカの言語学者
Stephen Krashen はフォニックスに反対しているようです。)

したがって、フォニックスで規則を教え始めても、もともと規則性が
ないのですから、規則の数はほとんど無限、いつまでたっても
フォニックス自体の学習が終わらないということになります。

あー、つかれた・・・
まったく、フォニックスなんていういい加減なものがなければ
こんなことに時間を使わなくても済んだのに!

ピアノさん、また書き込みをお願いします。


▲返答元

▼返答


Maintenance: SSS 事務局
KINOBOARDS/1.0 R7.3: Copyright © 1995-2000 NAKAMURA, Hiroshi.