4年7か月報告

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185. 4年7か月報告

お名前: しお
投稿日: 2006/9/9(09:21)

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みなさん、こんにちは。しおです。
 2001年12月にはじめてSSSのWebsiteに投稿し、2002年1月末に実際に多読を始め、多読歴4年7か月になりました。いろいろなことがあって、長かったような、短かったような不思議な感覚です。
 現在の読書語数は1700万語。前回報告(2005年6月、3年4か月、1280万語)から、また変化がありました。
 最も大きな変化は、読むよりも、圧倒的にオーディオブックを聞く割合が増えたことです。まずオーディオブックを買い、後で本を注文することも増えました。音への移行を中心に報告、最後にオーディオブックの紹介をします。

*読み返したら、本の感想、シャドーイング記録、オーディオブックなど、音の広場に分けて書いた方がいいかもしれないことも全部詰め込んでしまって、すごく長くなってます。すみません。
 
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2005年8月 音への移行 その1 <Harry Potter#6>
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 きっかけは、2005年の夏にHarry Potterの第6巻が発売されたことです。
しかし、第5巻が未読、第4巻は読んだけれど記憶が曖昧。仕方ないので、第4巻から読み直すことにしました。
 しかし、3巻で60万語以上。ストーリーは面白いのですが、だんだん疲れてきます。そこで、朗読CDを利用して聞き読みすることにしました。
 普段、聞きながら読むのは非常に苦手です。聞いているところと読んでいるところがずれて、続けられません。 でも、このときは、「どうぞよろしくお願いします」という気持ちで、素直に音に引っ張ってもらいました。自分で読むよりずっと楽で、ありがたかったです。
 そのうち、声だけに聞き入ってしまい、我に返って慌てて読まれている部分を探すこともしばしば。「ということは、音だけでもいいのかな?」と思い、雑用をしながらCDを聞いて試したところ、ちゃんと楽しめました。曖昧なところは、あとで本をさっとチェックしました。
 聞きながら読む→雑用をしながら続きを聞く→聞きながら読む→・・・ 
のパターンができ、時間を有効活用できたので、いつものペースよりずっと速く読み終わることができました。
 Harry Potterの朗読は最初はStephen Fryを聞いていましたが、Jim Daleの語りが大好きになって、彼の朗読で第6巻まで揃えてしまいました。Harryのおかげで、「人に読み聞かせてもらうってこんなに楽しいんだ!」と再認識しました。
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2005年9〜12月 音への移行 その2  <Stephen King と シャドーイング>
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◆Stephen Kingのペーペーバック

そうこうしている間に夏が終わりました。まりあさんの『ミステリーで100万語』のStephen Kingのページを担当になったので、年末までに間に合わせねばとKingのペーパーバックをまとめて読みました。読んだのは以下の12冊です。
(いままでに読んだ7冊とあわせると19冊になりました。)

●The Green Mile 
(伏線の張り方が見事!心憎いまでです)
●The Eyes of the Dragon 
(Kingが娘さんのために書いたファンタジー、というけれど、性的な表現もあるし、ほんとに娘さん読んだかな?人間の心の弱さを鋭く突くところはKing節。)
●Pet Sematary
(怖すぎです。前書きによると。Kingへのファンレターでは、Shiningが一番怖いという意見が多いそうですが、King自身は、このPet Semataryが一番怖いと思っているそうです。これを書き終えたとき、「一線を超えてしまった」としばらく引き出しに封印していたとのこと。)
●The Long Walk
(少年たちがひたすら歩き続けるサバイバル耐久レース。レース中にそれぞれの少年たちの生い立ちが分かり、人間ドラマが繰り広げられる。一気に読まないと途中でつらくなる。)
●Thinner
(これは、めずらしく、序盤から一気に話が盛り上がります。3部に分かれているけど、2部以降展開が読めません。大どんでん返し。おすすめです)
●The Colorado Kid 
(この本だけはお薦めしません。約3万語で薄くてよさそうですが、Amazonの宣伝文と表紙のイラストを信じて、ハードボイルドだと思って買った人は怒るでしょう。「ええっ、これで終わっちゃうの!?」)
●The Running Man
(The Long Walkと同じく、時間がとれたときに一気に読みたいタイプの本。未来世界が舞台で、ちょっとSFな語彙がひっかかる。)
●Misery
(これも怖すぎです。DVDも買ったのですが、勇気がなくて見てません。オーディオブックも買いましたが、怖すぎてシャドーイングできません。)
●Carrie
(学生時代邦訳で読んだことがあります。あらためて英語で読むと、新聞記事と物語が交互に進む構成が新鮮。Carrieがほんの少し学校生活に希望を持ち始めたところで「青春」の甘酸っぱい心の動きをひしひし思い出して、物語全体の残酷さをおもうと胸が痛くなりました。)
●Skelton Crew
(短編集。この中で一番怖い話といえば、やはりThe Mistでしょう。The Mistだけドラマ化したCDもあります。私が好きなのは、Mrs. Todd's Shortcut。不思議な、とても美しい、物語です。)
●On Writing 
(この本大好きです。Bag of Bonesもそうですが、この本を読んでいると、次々に読んでおきたいPBが出てきて困ります)
●Bag of Bones
(「読んでよかった、面白かった!」と思いましたが、とにかく長いです。オーディオブックだと22時間近くあります。盛り上がるまでに普通のPB1冊分くらい費やしてます。King先生、もっと早く盛り上げてほしいです。後半すごい展開で面白いのになあ。このオーディオブックのおかげで、さらに音に開眼しました。あとで詳しく書きます。Du Maurierの Rebecca(『レベッカ』)と重なるところが随所にあります。)

 大好きなKing先生の本でも、3か月も続けるとしんどいので、絵本も並行して読んでいました。絵本と恐怖の世界の往復は、なかなかよかったです。

King以外のPBでは、
●The No.1 Ladies Detective Agency
(アフリカ版ミス・マープル。主人公の女探偵Ramotsweさんが、強くて温かくてとても好きです)
●Da Vinci Code
(キリスト教のこと詳しくなくても、どんどん飛ばしてOKな本だったんですね)
を読みました。

◆シャドーイングとウォーキング

 2005年秋はStephen Kingをまとめて読んだことと、もうひとつ、シャドーイングを再開した時期でもあります。
 2003年の夏にちょっとシャドーイングをがんばったのですが、それからは読むことが殆ど。シャドーイングは2年くらいほとんどできていませんでした。ちょうどよいタイミングで、『通勤ウォーキングでいこう』という本を図書館でみつけて刺激をうけ、「私もウォーキングやってみよう!ウォーキングのときシャドーイングしたら強制的に時間を確保できて一石二鳥!!」と、やる気がでました。
 
 開始したのは10月からで、いまも続けています。1日合計30〜60分。平日に週3回くらいのペースです。おかげさまで身体の調子もよくなりました。(ただ、いつもすれ違う人が決まっていて、その方々に、「この人、変」と思われているのは間違いないです)

◆2003年のシャドーイングと2005年のシャドーイングの違い

 2003年頃は、テロップが流れるみたいに、シャドーイングしている文字が頭の中に浮かんでいました。要は、文字をシャドーイングしていました。
 2005年秋の場合は、文字は殆どでてきません。音だけを頼りにしながらシャドーイングできるようになってきました。(もちろん、そうなれるように意識してました。)
 川べりをウォーキングするので、遠くの空や雲、花、緑などを目で楽しみ、ついでにシャドーイングするような感覚で歩いています。
 音に集中するときは、「音のかたち」をイメージしていました。
 発音指導の「Wは口を突き出して」とかそういう「かたち」じゃないですよ。
 口調の鋭さとか(尖った)、ゆったり(膨らんだ)、音の波(海みたいな)など。うまく説明できませんが、流れている音の抽象的なイメージだけ追って歩いています。
 でも、シャドーイング素材が面白いことを言ってたりすると、急にイメージの世界から戻ってきて、内容に聞き入ってしまいます。そうすると、ときどき頭の中に活字がでてきますが、前よりはずいぶん少なくなりました。

◆シャドーイングの素材の変遷

<2005年10月>
●ORT6&7
●George and Martha(James Marshallの絵本)

 ORTの6と7は何度もやりました。はっきり読んでくれていて、ある程度長さもあるので(5分くらい)、使いやすかったです。
 
●How to Stop Worrying and Start Living(カーネギーの『道はひらける』)

未読のものでシャドーイングしてみようと思い立ち、これを選びました。落ち着いた説得力ある声で聞きやすい朗読です。同じメッセージが繰り返し出てくるし、章ごとにまとめがあって分かりやすく、興味のあるところだけ聞くこともできます。

<2005年11月>
●The Lion, the Witch and the Wardrobe (ナルニア)

 ナルニアの映画が公開されるので、以前読んだThe Lion, the Witch and the WardrobeのCDを買ってきてシャドーイングしました。そしたらMichael Yorkさんの声に魅了されて、11月はこればっかりでした。声の使い分けが素晴らしく、たぶんかなりお年の男性だと思うのに、一番下の女の子Lucyの声にまでなりきっていて、なんというか・・・可憐なんです。すごい。特に好きな場面はChapeter 2のWhat Lucy Found ThereのTumnusさん登場のところ。何回シャドーイングしたか分かりません。かなりTumnusさんになりきっていたと思います。あとビーバーの夫婦が好きです。全体通しでは10回くらいシャドーイングしてると思います。

<2005年12月>
●Bag of Bones (Stephen King)

 『ミステリーで100万語』は、「Kingの作品で読みやすい本を選ぶ」のが目的なので、比較的薄めの物を優先して読んでいき、最後にこのBag of Bones(19万6千語)が残ってしまいました。
(43万6千語のItや、56万5千語のThe Standは論外なのではじめからリストにいれてません。)
 「ボリュームがあるし、ちょっとつらいな・・・」と、夏のHarry Potterのことを思い出し、iTunes Music StoreでBag of Bonesのオーディオブックをダウンロードしてみました。(King自身が朗読しているのが購入の決め手です)
 早速、ウォーキングのとき聞いてみたら、Kingがはっきりと感情をこめて読んでくれているし、音楽がうまく使われていて、よく出来たオーディオブックなのです。
 「Kingはちょっと無理だろう」と思っていたのに、歩きながらも意外と筋が分かるので、すっかり嬉しくなってしまい、その日は夕食の準備をしているときも、ずっと聞き続けていました。
 音だけ聞いたところは、いったん戻って本を読み直してから先に進んでいたのですが、音だけで分かる部分がどんどん増えていきました。
 後半話が盛り上がってきてジェットコースター状態になるとまどろっこしくて、確認などしていられなくなり、聞く→読む→聞く→読む→で最後まで突っ走ってしまいました。
  最後に、Stephen Kingのインタビューがおまけでついていて、なぜ自分が朗読したかという話で、Kingは「作家はActorとしてトレーニングを受けているわけではないが、その文が『どのように読まれるべきか(聞こえるべきか)』が分かっている」
(I think writers know how things are supposed to sound)
と語っています。
 なるほど、プロの朗読者は素晴らしいけれど、感情の入れ方や読み方が作家自身の解釈とは違うことがあるでしょう。この話は黒人バンドが登場するので、音楽や歌手、作曲の手配も必要で、なかなか凝った録音がされ、手間がかかってます。Kingは自分が思ったとおりの世界を作りあげたのだなーと、しみじみしました。
 Bag of Bonesは、聞き入ってしまうあまり、シャドーイングしようとしてもいつの間にか口が止まってしまいます。
 Kingのインタビューも楽しむことができて(一言一句、100パーセントじゃないですが、十分内容が分かって興味深く聞ける程度)、喜びがふつふつわきました。
 
◆なぜ、Bag of Bones を聞きとれたか?

・読書語数
 やはり多読年数を重ねて、読む力が伸びたことが大きいと思います。
 私は、2003年3月(多読1年2ヶ月目、440万語)に、約1ヶ月間、King月間と称して、The Dead Zone、Firestarter、The Shining、Different Seasonsの4冊を読みました。Kingは一文を長く、ずらずらと続けることが多く、このときは、まだ長い1文をすっと読めなくて、頭から2,3回読み直さないと進めないことがよくありました。かなり頑張って読んでいたと思います。
 2005年秋にKingをまとめ読みしたときは(多読3年8ヶ月〜10ヶ月、1427万語〜1572万語)、ひと息で読めなくて、つっかかるところが減りました。(もちろん、飛ばしてる単語はいっぱいありますよ!誤解なきよう。)

・Kingは早口ではない
  朗読者に左右される部分も大きいですね。Kingの朗読はプロではないけど、はっきりと読んでくれます。Bag of Bonesを1章分抜き出して速さを測定したら、164語/分でした。PBの朗読は200語/分近くのものもあるので、比較的ゆっくりの方だと思います。
 
・長編だから?
 掲示板で「短編より、長い話の方が、読んでいるうちにそのうち分かってくるからいい」という意見がよくでますが、それと似ています。でも、長編は途中で筋が見えなくなることもありますよね。そういうときは文字との併用がよいかもしれません。私のBag of Bonesの場合もそうでした。

・シャドーイングとストーリーにひたること
 Bag of Bonesの前に、The Lion, the Witch and the Wardrobe(ナルニア)のシャドーイングをして、その世界に浸りきって、聞く喜びに目覚めたことも理由だと思います。Harry Potterは、聞きながら読むことが多かったけれど、ナルニアは純粋に耳だけで1冊楽しんだので、自信がつきました。といっても、ナルニアは前に一度読んだことのある本です。自分の知っている、大好きな話に何回も没頭するのは、とても力がつくのかもしれません。
 
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2006年春以降  オーディオブックばっかり
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  Harry Potterと、Bag of Bonesのおかげで、すっかりオーディオブック好きになり、iTunes Music Storeで、オーディオブックをどんどんダウンロードするようになりました。Podcastは、BBCのニュース番組をよく聞いています。
 聞くジャンルは、自己啓発・ビジネス系のオーディオブックが増えました。なぜかというと、フィクションより気楽だからです。
 小説の場合、人物設定や伏線など聞き落としたら訳が分からなくなるので集中がいりますが、自己啓発・ビジネス系だと、大事なことを何度も繰り返し表現を変えて説明してくれるし、実例やまとめをいれたり、短い決めフレーズをいれてくれたりで、懇切丁寧です。
 自己啓発・ビジネス系のオーディオブックで面白かったものの原書を取り寄せたら、大型の本が多くて驚きました。もし音を聞いていなかったら、外見がイカツイので敬遠していたと思います。
 
 2006年春から、英語以外で新しいことをはじめたので、忙しくなり、読書時間がめっきり減ってしまいました。6月、7月など、活字は1か月に2万語くらいしか読んでいません。でも、英語から離れた気がしないのは、オーディオブックとiPodのおかげです。
 心の持ち方自体、変わりました。最近、忙しいとオーディオブックも忘れていることがよくあります。しかし、なんとも感じません。英語に触れてなくても平気です。
 これは、私にはとても大きな変化で、前は、毎日少しでも英語を読まないとイヤでした。英語を読めない時期が1ヶ月、2ヶ月と続くと正直、「怖い」と思いました。頭では「数ヶ月のブランクは平気」と分かっているのですが。
 いまは「なんで、そんなこと思ってたのかな?」という感じですが、でも、渦中にいるときは分からないものですね。
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さいごに
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 10数年前入社した会社の新人研修課題が、VOAスペシャルイングリッシュのディクテーションでした。当時の私には聞き取れず、一語一語カセットテープを止めて、書き取っていました。分速100語ですが、当時の私には難しすぎました。
 入社後は、英語を使わないので、さらに英語力はおちていきました。
 思い立って英語を再学習はじめたのが、8年半前です。
 そして、5年前にSSSに出会いました。
 ペーパーバックが読めたらな、と思ったけれど、オーディオブックまで楽しめるようになるとは思ってもいませんでした。
 やっぱり、「比べるのは昨日の自分」ですね。続けてさえいたら、力がついていく。5年前、3年前の自分と今を比べたら圧勝です。あまりに自然にできるようになるので、力がついた気がしないのは、多読のマジックですね。
 これから、英語以外の仕事もしようと思っています。しかし、いつどこで英語が必要になるか分からないし、そうなると、話す、書くのアウトプットで必ず苦しむでしょう。でも、多読・多聴で身についた英語が自分の核にあるので、なんとか頑張っていけると思います。
 酒井先生、SSSのみなさん、掲示板で出会ったみなさん、ほんとうにありがとうございました。 それでは、Happy Reading & Listening!

印象に残ったオーディオブックをまとめて紹介します。
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オーディオブックの紹介  
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<注1>
Unabridged:本をそのまま朗読したもの
Abridgedは本を短くまとめて朗読したもの
オーディオブックだけ聞いたものが多いので、ほんとに本と同じかどうかは確認できていません。AmazonやiTunesでUnabridgedと表示があるものは、下の紹介にもUnabridgedと書きました。
<注2>
私が、iTunes Music Storeでオーディオファイルを買うか、AmazonでCDかカセットを購入しています。iTunes Music Storeでダウンロードする方が安いですが、まだAmazonよりは品揃えが少ないです。Audible.comなら、もっと種類があって安いのかもしれませんが、Audibleにはいっていないので、そこのところは分かりません。

<自己啓発・ビジネス系>

●Goals!: How To Get Everything You Want -- Faster Than You Ever Thought Possible
(Brian Tracy、Unabridged、約3時間20分、入手先 iTunes)
●Eat that Frog
(Brian Tracy、Unabridged、約2時間20分、入手先 AmazonでCD)

 ふたつとも、著者のBrian Tracy自身が朗読しています。書いている内容は熱血なのに、語り口がソフトで耳に心地よいです。Brian Tracyの声についていくのが楽しくて、シャドーイングによく使いました。
 Goalsの肝は「紙に目標を書くこと」、「成功したいなら成功している人を徹底的に真似すること」。自分の目標を達成するためのTipsが満載です。やりたいことを書き出し、優先順位をつけていく手法は、日本の自己啓発本にも引用されていますね。「Brian Tracyそのままやん」という本もみかけました。
 もっと短いのがよい方には、Eat That Frog がおすすめです。テーマは「一番大事なことを真っ先にやる」です。
[url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000009622]

●Don't Sweat the Small Stuff, and It's All Small Stuff
(Richard Carlson、Unabridged、3時間4分、入手先iTunes)
邦訳『小さいことにくよくよするな!』です。有名ですが読んだことがなくて、初めて聞きました。この本も著者が朗読していますが、この方も語りがソフトですね。心に響く決めフレーズがいくつもあって、「なるほど〜」とうなずくことしばしば。また怪しいウォーキングの人になってしまいました。シャドーイングすると気持ちよかったです。
[url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000001580]
気に入ったので、この本の続編 Don't Sweat the Small Stuff at Work のカセットテープも聞いています。

●The Martha Rules
(Matrha Stuart、5時間32分、Unabridged、入手先iTunes)
 これ、面白いです! 自分で事業を始めたい人のために、起業において重要なルールを10にまとめ、懇切丁寧に、自分の経験を踏まえてアドバイスしています。
 1主婦から自宅でのケータリングビジネスにはじまり、Martha Stewart Living OmnimediaのCEOとして億万長者になったのですから、彼女ほど執筆に適任な人はそういないでしょう。起業しようと思ってない人でも、仕事に対する姿勢や情熱、様々なビジネスの実例など参考になるところが多いです。
 Marthaが2004年に株のインサイダー取引容疑で有罪になり、刑務所に服役していたとき、受刑者たちが、出所したら始めたい事業のビジネスプランをMarthaのところに入れ替わり立ち代り相談にきたそうで、彼女たちへの手引書としてまとめたものが、この本の下敷きだそうです。
 
・マーサ=ヒラリー=マドンナ?
 余談ですが、The Martha Rulesを聞いたとき、第一印象が「これ、Hillary ClintonのLiving Historyみたい!」でした。Hillary ClintonのLiving Historyは、「自分のリスニング能力が上がったかと錯覚するくらい聞きやすい」と掲示板で評判になったことがありましたよね。Mathaも声が低く、聞きやすくて似てる気がしたのです。
 もうひとつ、似てると思ったのが歌手のMaddonaが書いた5冊組の絵本(English Rosesなど)を朗読しているCD。(題名「Maddona」で Amazonの洋書で検索できます)Madonnaの朗読は、歌声より低く、落ち着いています。
 今、あらためて3つを聞き比べてみると、似てないです・・(汗) Hillaryさんは、さすが政治家、活舌がはっきりして一番分かりやすいです。Marthaさんが一番低い声で、Madonnaが中間です。でも、3人とも、強い意志を感じる声で、そこが共通点でしょうか。
 
●Crazybusy
(Edward Hallowell、Unabrided Abridged両方あり。
Unabridgedは6時間54分、Abridgedは3時間1分、入手先iTunes)
著者は医学博士でADD(Attention Deficit Disorder、注意欠陥障害)の研究をされ、ADDに関する著書で有名な方のようです。
 パソコン、携帯、e-mailは便利だけど、そのおかげでどこへいっても仕事や予定から逃れられず、24時間7日間営業状態、予定を詰め込みすぎ。職場でも家庭でも、あれも、これも、それもできるでしょ、やらなければと、単なるBusyじゃなくて、Crazybusy状態になっている現代。社会全体がADD化していると著者は危惧します。思い当たるところがあり、ぎょっとしました。著者の処方箋を心に留めようと思い、処方箋を活字でも読みたくて、本も買いました。
 
●Blink
(Malcom Gladwell、Unabridged、7時間44分、入手先iTunes)
副題のThe Power of Thinking Withoug Thinking の通り、最初の2秒間、一瞬の直感的判断の力についての本です。最新の科学設備で見抜けなかった贋作の像を一目で見抜いた古代ギリシャ像のプロ、15分間の観察で透けて見える結婚生活の未来、車のセールスなど、瞬間の判断の凄さを、興味深いエピソードで説明しています。しかし直感万歳の本ではなく、第一印象は偏見や心理操作の影響をうけやすいこと、安易な直感による悲劇についても書かれています。
 学術書のように議論を積み上げてかっちり結論にいたるタイプの本ではなく、いろいろな興味深いエピソードをたくさん詰め込んだ感じの本です。でも、随所に示唆に富む文があって、面白かったです。気に入ったエピソードのところは、何度も繰り返し聞いてしまいました。

●How Full is Your Bucket
(Tom Rath and Donald O. Clifton、UnAbridged、2時間、入手先AmazonでCD)
これは、多読通信(2006年6月8日号)で紹介しました。ポジティブな言動のもつ大きな力を、バケツとひしゃくの喩えを使って分かりやすく説いた本です。Donald CliftonとTom Rathは祖父と孫です。Donaldの79歳の誕生日にTomが渡したStory(Chapter 4)に、家族の中にどれほどポジティブな空気が満ちていたか、そのおかげで重大な危機を乗り越えられたかが述べられていて、ここは何度も聞きました。
[url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000011102]

●Nice Girls Don't Get the Corner Office
(Lois P. Frankel、入手先 Amazon)
ビジネス世界のルール(男性は暗黙のうちに了解している)を知らないために、女性が犯しがちな101のミスとその処方箋を書いた本です。子どものころ躾けられたとおりのNice Girlじゃ、ダメなんですね。しかし、このオーディオブックを聞いていると、「いままでなんて失敗してきたんだ〜〜」と耳が痛すぎて、中断してしまいました(笑) 
 私が買ったのは、CD4枚組で、もう一つの著書Nice Girls Don't Get Richとの2冊が収録されている、「The Nice Girls Don't Get...Box Set」です。
Nice Girls Don't Get Richも耳痛そうなオーディオブックです(爆)
もう少ししたら必要になると思うので、トライしようと思います。

●Who Moved My Cheese?
(Spencer Johnson、Unabridged、1時間13分、入手先iTunes)
[url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000004383]

●The Present
(Spencer Johnson、Unabridged、1時間、入手先AmazonでCD)

●Yes or No
(Spencer Johnson、Unabridged、3時間、入手先Amazonでカセットテープ)
[url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000011105]

 上記3冊ともSpencer Johnsonの著書。邦訳も有名です。どれも物語仕立てのビジネス書です。
 Who Moved My Cheese?は、環境の変化にどう対応するかを迷路に住む二人の小人とと二匹のネズミの寓話で説いています。 The Presentは、この世で最も素晴らしい「The Present」を若者がさがす物語。 Yes or No は、若いビジネスマンが意思決定について学ぶ物語。
 3冊とも1〜2万語程度で手軽ですが、基本的に、Spender Johnsonの本は、オーディオブックより、活字で読む方が向いているタイプの本だと思います。
 なぜなら、
 1.各章にコンパクトなまとめページがついていたり、大事な言葉を太字にしていたりで、目から効率的に知識を入れるつくりになっている。
 2.物語仕立てなので、筋を追って聞かないといけない。好きなところだけ聞いて他は聞き流すことができない。
からです。
 この3冊の中ではWho Moved My Cheese?が一番シャドーイング向きと思います。3年くらい前シャドーイングに使ったことがあります。
 The Presentは朗読が速いです。無理やりCD一枚1時間におさめようとしたのでは?Yes or Noは、かなり小説を聞いているのに近いです。
 
●The 7th Habits of Highly Effective People
(Stephen R. Covey、Abridged、3時間20分、入手先AmazonでCD)
●The 7th habits of Highly Effective Families
(Stephen R. Covey、Abridged、3時間14分、入手先AmazonでCD)

有名な『7つの習慣』の2冊です。気になっていたので買ってみました。これは朗読ではなくて、講演会を収録しているようです。既に『7つの習慣』を読み込んでいる人が聞いて楽しむCDだと思いました。『7つの習慣』特有のキーワードがでてきますが、それの意味するところが分かってないとダメです。邦訳も読んでないので私は全然理解できませんでした。原書も厚いので、邦訳をざっと読んでアウトラインを頭にいれてから→原書→CDが効率的でしょうね。

●Pulling Your Own Strings
(Wayne W. Dyer、Abridged、1時間28分、入手先iTunes)
書店で邦訳『「頭のいい人」はシンプルに生きる』が平積みしてあって、買って読んでみたらなかなか面白かったので、iTuneでオーディオブックをさがして聞きました。題名の通り「自分の運命の糸は自分で操ろう」「自分の生き方を大切にしよう」という本です。
 オーディオブックはAbridgedというより、著者がマイクの前で、本の内容に基づいて生でしゃべっている感じ。観客はいませんが、講演を聞いているのに近いです。朗読より、ちょっとくだけたしゃべりです。その分聞き取り難度が少し上がります。でこ、『7つの習慣』と違い、あらかじめ読んでいたし、新しい用語や概念も出てこないので、「ああ、日本語で読んでた通りのこと言ってるな」とすんなり聞けました。

●Rich Dad, Poor Dad
(Robert T.Kiyosaki、Abridged、3時間5分、入手先 AmazonでCD)
ベストセラーの『金持ち父さん貧乏父さん』です。この本も物語仕立てです。朗読では、少年と父親のやりとり、少年の気持ちなど、感情こめて読まれています。小説っぽい感じですね。父さんとの議論のところは少し早口になったりします。キャッシュフローの話もあるので、先に邦訳が原書で見ておくほうがいいです。邦訳も読んでなくて、いきなりオーディオブックを聞くなら、レベル4〜5の児童書の朗読を1冊楽しめるようになってからがよいかも。
 このRich Dad, Poor Dadや、The 7th Habits of Highly Effective People
を夏の英語読書として勧めている英語雑誌がありました。ベストセラーの『金持ち父さん』や『7つの習慣』は、邦訳で読み込んでいる人が多いだろうという想定なのでしょうか?それにしてもレベル高いなあ。心配です。

<フィクション>

●Nate the Great Collected Stories: Volume 1
(Marjorie Weinman Sharmat、Unabridged、56分、入手先Amazonでカセット)

●Nate the Great Collected Stories: Volume 2
(Marjorie Weinman Sharmat、Unabridged、53分、入手先Amazonでカセット)

 どちらも4話ずつ収録です。私は、カセットを買ったけど、iTunes Music Storeをみたら、ふたつともありました!こっちで買えばよかった〜〜。
 Magic Tree Houseより、ずっと速いですね。Nate the Great and the Snowy Trailを計ったら、分速160くらい。Nateのハードボイルド気取りのしゃべりは文字で読んでも楽しいけど、耳で聞いても楽しい。Nateのペースについていこうと口を合わせながらのめりこんで歩いていたら、いつの間にかウォーキングコース終了していたりしました。

●Ender's Shadow
(Orson Scott Card、Unabridged、15時間43分、入手先iTunes)
 ヒューゴー賞、ネビュラ賞をダブル受賞したEnder's Gameとペアになる作品です。

 ★なるべくネタばれしないように書いてるつもりですが、見たくない人は目をそらしてとばしてください。★

 <Ender's Game>
地球は昆虫形異星人バガーの2度の侵攻を受けたが、かろうじて撃退した。3度目の侵攻にそなえ、世界中から子供を集めて、兵士を養成し、その中から未来の指揮官を選抜するためのバトルスクールが設立されていた。バトルスクールに入学させられたEnderは、あらゆる戦闘シュミレーションで優秀な成績をあげ続けるが・・・。
 <Ender's Shadow>
 Ender's GameにはEnderの右腕となるBean少年が登場しますが、このBeanの視点から描かれた話がEnder's Shadowです。Enderも天才なら、Beanもとんでもない天才ですが、BeanはまさにEnderの対極の存在、Enderの影です。Ender's Shadowだけ読んでも大丈夫ですが、Ender's Gameを読んでから読むと、もう、たまらない面白さです。
 Ender's Gameは本で読み、Ender's Shadowはオーディオブックで聞きました。朗読が素晴らしいです。最後、ウォーキングしながら、泣けました。
 
●Little Lord Fauntleroy
(Frances Hodgson Burnett、Unabridged、5時間27分、入手先iTunes)
『小公子』です。子どもの頃のお気に入り本でした。「みんなを惹き付けるセドリックは、いったい英語ではどんな話し方をしているのだろう」とずっと聞きたいと思っていました。朗読者の方が達者で、ホッブスおじさんやディックのバリバリ米国なまりや、ハビシャムさん、伯爵など、みんなの台詞が耳で聞けて、とても楽しかったです。子どもの頃の記憶がどんどん甦ってきて、「こんなシーン、あったあった!」の連続でした。

                                         
ここまで、読んでいただき、ありがとうございました。
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▼返答


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