90万語を通過しました

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25328. 90万語を通過しました

お名前: せきけん
投稿日: 2012/7/21(22:33)

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皆さん、こんばんは。

せきけんです。

ここにスレッドを起こすのもこれが最後になりそうです。
ようやく、90万語を通過しました。
100万語まであと少しなのですが、相変わらず読むのが遅く、特に、今回は、時間がかかりました。
進歩しているはずなのですが、主観的にはさほど進歩しているようには感じられないものですね。

さて、今回読んだ本は以下の通りです。

"Class President" Marvin Redpost #5 Louis Sachar YL 2.5
"A Flying Birthday Cake?" Marvin Redpost #6 Louis Sachar YL 2.5
"Super Fast, Out of Control!" Marvin Redpost #7 Louis Sachar YL 2.5
"A Magic Crystal?" Marvin Redpost #8 Louis Sachar YL 2.5
"Animal Farm" George Orwell YL 7.0
"Dolphins at Daybreak" MTH#9 Mary Pope Osborne YL 3.5
"Ghost Town at Sundown" MTH#10 Mary Pope Osborne YL 3.5
"Chew On This: Everything You Don't Want to Know About Fast Food" Eric Schlosser & Charles Wilson YL 3.7

これで、Marvin Redpostシリーズは全部読み終えてしまいました。もう一度読んでみたい本ですね。直ぐに読めますし。
この4冊の中では、"A Magic Crystal?"が一番面白かったです。この少年の初恋物語のようなお話、皆さん気に入っているのではないかと思います。ネタばれになるので余り書きませんが、消防署?だったところが普通の住宅に改装されて使われているとか、米国では普通にあるのでしょうか?小学校の中学年にしては、かなりおませな話と思います。今どきは、そうでもないのでしょうか?

今回読んだ中で、一番理解できないというか消化不良だったのが、"A Flying Birthday Cake?"です。もちろん、Birthday Cakeが飛んでくるというのが、転校生のJoe Normalを象徴しているのだろうと思いましたが、彼の不思議なというか、正体不明な生活や家族というのが、理解できませんし、落ちはあるのですが、納得できない感じが残りました。米国の社会では、こういうことがあり得るのでしょうか。日本の社会よりも偏差が大きいでしょうから、「ぶっ飛んでいる」感じも半端じゃなくて、それでいじめにあったりする子も多いのでしょう。本当に、Marvinは優等生(であろうとする優等生)で、それを真っ直ぐにそれがいいと主張しているSacharもそれはそれで偉いと思います。日本では、そういうところには、もう少し屈折が入る気がします。
ともかく、異邦人を受け入れる。特に、そのルーツは問わないで、彼の地では色々当地とは違ったことがあるだろうとして、Marvinたちが遊んでいる遊びが、どこからどう発生してきたものか分からないながら、楽しめているように、一緒に遊べれば友達というような形で受け入れること、それが大切と言いたいのだろうと。
それは理解できるんですが、それでも…です。

Class Presidentは、ものぐさ父さんも書かれていたように、Marvinがクラスの大統領になる話ではなくて、大統領が教室にやって来る話です。Bush大統領が、9.11のときに、フロリダの小学校を視察していたように、本当にこういうことがあるのでしょう。あのときのブッシュ大統領より、こっちの大統領の方が、ずっとまともな気がしますが。
この中で、The Pledge of Allegianceというのが出てきます。国旗と国家に対する忠誠を誓うということなのでしょう。米国はこれがないとバラバラになってしまうということで、小学校からこれが叩き込まれるのだと理解しています。Presidentの話だから、これがここで登場しているんでしょうね。
しかし、Sacharは、本当に話の持って行きかたがうまいので、思わず知らず、あっと間に読めてしまいます。
昔は、日本でも、「末は博士か大臣か」という言葉があったのですが、今は言われなくなってしまいました。日本も、もっと政治家が尊敬されて、優秀な子供が政治家を目指す国になって欲しいと思います。Marvinが大統領を目指す?ように。

Super Fast. Out of control!は、シリーズの前半でも登場したSuicide Hillを自転車で下る話です。これは、本当に大丈夫なのかなぁと、心配になる話です。何しろ、suicide hillですから、自殺行為ですよね。この本を読んでそのまま真似しないで、丘を下るときには十分注意して下さい。out of controlではまずいです。ただ、このタイトルのout of controlは違う意味のようにも受け取れます。それは、この本を読んでのお楽しみです。Sacharの本は、どの本もハラハラさせられて、楽しめる仕掛けがあります。

MTHの#9〜#12も買いました。二冊読みましたが、#10の西部のお話の方が面白かったです。これは、かなり本格的なお話になっていました。
#9の"Dolphins at Daybreak"は、表紙にあるように二人がいるかに乗ってしまうお話です。別のところに書いてしまいましたが、米国なのか、英語圏なのか、ルーツが聖書なのか良く分かりませんが、いるかが好きですね。やはり海にいる哺乳類だからなのか?その根源はどこなのか、知りたいので、そういう本を探していつか読んでみたいです。Moby Dick(白鯨)は、鯨との闘いを描いた傑作ということで、長い物語の半分ぐらいは鯨のことについてあれこれと書かれたものらしいので、いつか読んでみたいと以前から思っているのです。著作権切れでただで読めるわけですし。ただ、日本語でも躊躇している状態なので、いつになることやら。

#10の"Ghost town at Sun down"は、Wild Westへタイムトラベルする話です。Little house on Prairieで西部の話は読んでいたはずですが、このシリーズの中では単語が特に難しかったです。little houseで見ていたはずの単語も意味が分からずに辞書のお世話になったところがかなりありました。西部劇に出てきそうな単語に慣れるという意味では、勉強になります。タイムトラベルの鉄則としては、因果律を破ってはいけない、過去の歴史を改変してはいけないというのがあるのですが、結構、大胆に破っています。

"Animal Firm"は、邦題は「動物農場」。大人向けの小説で、結構短いものですが、やはり読むのは大変でした。辞書を引かないと分からない箇所が多数あったので、それなりに辞書も使ったので、時間がかかりましたし、読み終わった後で、翻訳も持っているので、そちらをパラパラと読み直してみたら、理解が違っていた箇所がありました。一番ひどかったのは、Manor Farmを"Minor Farm"と勘違いして読んでいたことです。知らない単語は、知っている単語で置き換えて読んでしまっていたわけです。翻訳を見たら、「荘園農場」となっていて、ありゃと思ったのでした。翻訳は、一つの単語をその背景も含めて解釈して現代で理解できる単語に訳してあるので、凄いですね。原書を英国人が読むより分かり易いでしょうね、多分。

YL 7.0になっていますが、そんなものなのでしょうか。やはり、背伸びしないと読めないのは確かにそうです。ただ、面白さという意味では、翻訳よりも原書の方が、なんだか面白い気がしました。何故なんでしょう。いくら翻訳が素晴らしくても、原書を読む楽しみというのは、あるのかと思います。文体というのが、全く違うわけですから。

比較的易しく、比較的短い、大人も満足できるfairy tailであり、政治小説でもあるので、興味がある人にはお勧めしたいです。
今は亡きソ連をモデルにした、革命の悲しい、悲惨な結末を、動物たちの人間に対する「革命」(本ではRebellionと呼ばれていましたが)として描いたおとぎ話です。
これを原作で読む意味が特にあるとすれば、言葉です。革命を語る言葉。標語、スローガン、宣伝や説得や説明のための言葉。その言葉の上での、暴力というか、ごまかしというか、demagogueryです。もちろん、それらが、物理的な力と一体となっているのですが、その上での言葉のゴマカシの持つ恐ろしい力が描かれているところです。

革命後にまとめられた、The Seven Commandments(7戒と訳してありました。)の最後は、7. All animals are equal.ですが、本の結末では、
ALL ANIMALS ARE EQUAL. BUT SOME ANIMALS ARE MORE EQUAL THAN OTHERS.に変わってしまうのです。このmore equalってのが、何なんだ!という感じで、凄いですね。この表現が。

Commandmentは、モーセの十戒に使われている単語だから、7戒と訳されたのだと思いますが、読んでいるときは、Commandの派生語だから、命令のようなものと理解していました。これは要するに、天(神)からの命令なんですね。

登場する動物のうち、pigが最終的に人間に代わる支配者としての地位を固めます。次に紹介するChew on thisでも、pigは賢いとされていました。Chickensは、dumbで、cowはsmarterだが、pigsはrather intelligentだと。だからと言って、これが納得できる話ということではなくて、pigたちが二足歩行を始めて、人間のように変容していく記述があって、これが、とても薄気味が悪いのです。薄気味悪さがよく描けていると思います。

蛇足です。Rock groupのPink FloydにAnimalsというアルバムがあります。pigs, sheep, dogsの三曲が入っています。これは、Animal Farmにヒントを得て作られたものだと知りました。

最後に読んだのが、"Chew on This"です。
これは、回覧で読ませて頂いたFast Food Nation(Schalastic Reader 3)で、知った本です。
まず、New York TimesのBest Sellarにもなった、単行本の"Fast Food Nation"があって、それを、ヤングアダルト向きに、易しく書き直した本が、この"Chew on this"です。
更にそれを映画化した、Fast Food Nationがあって、そのシナリオをretoldしたのが、Readerになっていました。
これら3つの作品は、同じ主題を扱っていますが、違うものと言ってよさそうです。

映画のシナリオは、Fast Food Nationの最悪部分を切り出して物語化したもので、Fast Foodで提供されるハンバーガーの食肉が、Meatpacking companyのSlaughterhouseで、違法移民からなる、底辺の労働者たちの手によって加工される危険で過酷な状況に焦点を当てていました。

しかし、"Chew on this"の記述は、更に広範囲にわたっています。副題が、
"Everything you don't want to know about Fast Food"となっていますが、
言いたいことは、Everything you should know...ですね。これは米国を中心とする話ではありますが、日本でも同様のこと起きているので、読んでいて非常に納得できます。大人なら、おもちゃやあの手この手で子供から取り込んで行くMacを始めとするFast FoodのMarketing戦略などは、容易に理解できることです。そして、ある意味、成功したビジネスモデルとして裏の裏からも読めるので、いずれにしても興味深く読める本です。

私は、皆さんにお勧めしたい本です。というのは、英語はYL 3.7となっている通り、平易です。とても分かりやすく書かれています。但し、長いのと、途中で、Fast FoodのFlaverの秘密について詳しく書かれているところで、難しい化学薬品の名前などが大量に出てきたりして、全部理解する必要はないでしょうが、読みにくいところもあるのは確かです。しかし、何よりも、勉強になります。Fast Foodについて知ることは、自分たちについて知ることにもなりますから。

私が面白かったのは、MacJobとかMacWorldという単語が出て来るのですが、その背景となるFast Foodの思想です。一言で言うと、"sameness"です。この単語は初めて見るものでしたが、意味は分かりました。どこのFast Foodチェーンでも、同じ商品は、季節も場所も関係なく同じ味がするようにコントロールされています。例えば、それがsamenessです。これを徹底してやってるわけです。これが、労働において現れたのが、MacJobです。徹底的にマニュアル化された仕事で、誰でもできるように分割された仕事です。向こうの辞書にも載っていて、定義は"low-paying and offers little opportunity to get ahead"だそうです。MacWorldについては、This international spread of uniformity and conformity, according to political scientist Benjamin R. Barder, is creating a "MacWorld."という紹介がありました。

しかし、実はハンバーグの大きさとか、コーラの量だとかは、localizeされていて、国ごとにサイズやら材料は変えられています。米国へ行って驚くことは、samenessの原則からすると同じもののはずが、向こうのものの方が全て圧倒的に大きいことです。私の経験では、無理をしないと食べきれない、飲みきれないものが多いです。それが、米国の特にpoorな若年層に、obeseを引き起こしているという話が出てきます。安い、Fast FoodやJunk Foodを食べ過ぎて、肥満となった挙句に、高額でリスクの大きな胃を小さくするためのバイパス手術をする十代の若者の話です。私は、米国は何でも大きいものが好きなんだと単純に思っていました。特に、米国に仕事で行ったときに、昔のチョコレートのCMの「大きいことは良いことだ」というコピーが、そのまま国全体に当てはまるのが米国だと思いました。しかし、この本を読んでみると、同じブランドのハンバーグやソーダが、米国内でも随分と増量しているのです。背後には、大きさを競うマーケティング戦略があります。改めて知った事実です。もう一つ、samenessが効き過ぎた例として、2001年に米国のMacDonald'sが、French Fryの味付けに、beefを使っていたことを認めたとき、インドのHindusが、ボンベイやニューデリーのMacに抗議し、襲撃する事件が起きました。しかし、インドではFrench Fryにbeefは使っていなかったそうです。samenessがそこまで徹底していると認識されていたのです。

そして、日本の特に郊外のバイパス沿いや、新しい駅の高架下に展開する風景の源が、南カリフォルニアから始まったもので、samenessを貫徹するという意思とともに、ここまで及んでいること、そればかりでなく、米国自身もそれに悩まされているということに改めて驚きます。

まだまだ紹介したいことはありますが、このぐらいにします。面白いというよりも、非常に興味深い話ですので、是非、読んでみて下さい。

索引や注も充実していて、ここから興味の湧いた方向で、次の本に読み進むこともできますし、調べなおすのにも便利です。

では。


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