Re: 英英辞典の使用は問題でしょうか?

[掲示板: めざせ100万語! -- 最新メッセージID: 25675 // 時刻: 2024/7/1(13:22)]

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24577. Re: 英英辞典の使用は問題でしょうか?

お名前: ドラちゃん http://dorataoku.blog37.fc2.com/
投稿日: 2009/3/24(10:55)

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 Kenyさん、おはようございます。ドラです。

# ちなみに、私の事はドラちゃん
# と呼んでくださいね。

 ははぁ〜…なるほど。色々と書いていただいたおかげで、Kenyさんの
状況がだいぶ分かってきました。

 私たちの多読法を始めたのはまだ1ヶ月ほど前だけど、多読自体に
関して言えばだいぶ先輩なんですね!

 それにしても、すごい英語の摂取量ですね。確かに、私も多読を始めて
からのこの2年間で、記録しているだけで300万語読んでいますし、仕事
などで読んだ分、Webサイトなどで読んだ分、英英辞書や雑誌などで
読んだ分は入っていませんから、10年後には少なくとも2〜3千万語
以上は読んだ事になるのかも知れません。

 とはいえ、書いていただいたものを読んでみて、私も身に覚えがある
ことが幾つかあったので、さらにKenyさんに伝えたい事が出てきました。
もうちょっとお付き合いくださいね。

〉今まで実用書ばかり読んでいましたので、児童書と言うか文芸書が非常に読みにくくて四苦八苦です。別に単語が難しいわけでは無い、翻訳せずともきちんとイメージでき、読んで楽しいとは思う。
〉しかし1回にせいぜい20分しか読み続けられない。

 これなんですが、多読を始める前の私もこういう状態でした。

 私はIT系の仕事なんですが、どうしても英文の技術文書などを読まなけ
ればならない機会がたびたびあって…でも、辞書を引き引き読んでいると
すぐに疲れてきて、イヤになってしまう。でも、そういう技術文書って
100ページ〜数百ページくらいあるのが普通なので、以前は気分を入れ替え
ながら少しずつやってました。

 ところが、2年ほど前に私が多読を始めると、始めてから2週間後くらい
には英語を読む事自体が楽しくなっていたんです。あの感覚は今でも不思議
に思います。
『あれはなんだったんだろう?』『あの楽しい感覚はどこから来たんだろう?』
とね。

 あれから2年後の今となっては、英語を読んでいる事自体が楽しいという
感覚はだいぶ薄れてしまいました。でも、今はいくらでも自分が楽しめる本
があり、私も元々読書がそれほど嫌いではなかったせいか、面白い本を見つ
けたら、3時間でも5時間でも、時間が許す限り読み続ける事が出来ます。

# 休みの日など10時間くらい
# 読んでいる事もあります。

 『なぜこうなれたんだろう?』自分で、こういう疑問が湧いてくる時、
思い出すのは、多読を始めて1ヶ月半くらいたった頃の事です。

 その頃、新しい仕事のために2,000ページの技術文書の内、必要な章に
目を通して、その内容が必要な条件を満たしているかどうかをチェックする
必要がありました。それで、目を通さなければならない章をピックアップして
みると約三分の一の量、つまり600ページ以上を読まなきゃいけない事が分かっ
たんです。

 『これは普通にやってたんじゃ埒があかないな…』と思いました。でも、
一方自宅では多読を通して、自分が読むペースも掴めてきていたし、何より
その当時は英語を読むのが楽しくて楽しくて仕方がない状態でもあったので、

  『この作業をいかに迅速にパスするか…
   これは多読を応用するしかないな…』

と気持ちは固まりました。

 とにかく、まずは一度辞書無しで読み通してみようと…それで必要な章を印刷
して自宅に持って帰り、なるべく自宅に籠もる時間を長く取って、普段英語の
本を読んでいるのと同じように、寄りかかったリラックスした姿勢でずっとその
文書を読みふけりました。

# 作業場だと、こんなリラックスした
# 格好で長時間過ごす事は出来ませんからね。

 当然その期間は、英語の多読はストップして、その分も技術文書を読む時間に
充てました。
 そうして、以前なら1ヶ月はかかるだろうと思われる技術文書のチェックを
2週間以内で終わらせる事が出来たんです。

 以前の様に、仕事で英語を使っていても疲れてきてイヤになる、という事は
もうないんだな、と思いました。

 私は多読を始めてから、色んな人に多読を勧めているんですが、多読を知ら
ない人たちと話していると否応なく、どうして私たちの方法がうまくいくのか?
という事も色々と考えさせられます。

 そうして考えてみると、やはりキーポイントは『(スゴく)楽しく感じる』という
事であって、疲れることなく何時間も読み続けられるというのは、やはり、ここ
から来ているんだ!という事を実感します。

 今ではたくさん多読法の解説書が出ていて、そういう本を読めば分かりますが、
まず、初めて多読を始める人はみなYL0かYL1の本から始める様に書かれています。
 そして時期を見て、徐々に少しずつYLを上げていく様に書かれています。

 これは、多くのタドキスト達が以下の様な段階を経るように、考え抜かれた
方法論だと思うのです。

1.多読開始
  ↓
  ↓ 易しい本を読む
  ↓
2.すらすら楽しんで読むペースが出来る
  ↓
  ↓ YLを上げる
  ↓
3.知らない単語に出会う
  ↓
  ↓ 読み飛ばす事に慣れる
  ↓
4.段々と知らなかった単語に馴染みが出て来る
  ↓
<2.に戻って繰り返し>

# 職業上フローチャートは欠かせないので…(笑)

 最初は多くの人が知らない単語を読み飛ばすには多かれ少なかれ抵抗がある様で
色々な形で精神のせめぎ合いが発生するようです。それは、この掲示板で色々な人
の報告を読むとよく分かります。

 でも、それを多くの人がうまく乗り越えられるのは、YL0とかYL1とか非常に易しい
本から読み始める事で、『自分が楽しく・すらすら読めている』といういい状態を
体験し、それをしばらく続ける事で、そのいい状態を当たり前の事として各々が体得
しているから、その延長線上で、『読み飛ばしてもストーリーは楽しめている!!』
という事に気付き、繰り返す内にいつしか当たり前の事となっていくのです。

 しかし、多くの人が意識的にこれをやっているとは限りません。読み飛ばしに関し
ては、多くの人が意識して『それでいいんだ!』と自分に言い聞かせ、そうして
乗り越えていくという事はあります。でも、私の考えでは、多読を継続する事で
そうした時間を繰り返し過ごす内に働いている無意識の領分によるところが大きい
のだと思っています。

 『自分が楽しく・すらすら読めている』事にしても、『知らない単語をバンバン
読み飛ばす』事にしても、それを毎日繰り返すうちに無意識に植え付けられたものが
非常に大きく作用しているのだ、と思わずにはいられません。

 私がなぜ、この様な事を長々と書いているかというと、Kenyさんの場合は、実用書
などの多読歴が長いのに、児童書ではすぐに疲れてしまう、と書かれていたからです。

 多くのタドキスト達は、あまりそういう経験をしません。(とはいえ、実際には
そういう人もいますけれどね)
 『この違いは何だろう?』と考えた時に、歩んできた過程の違いが原因ではないか?
と思ったんです。

 つまり、Kenyさんの今の疲れてしまう原因は、

  『すらすら楽しんで読む』事が出来ていなくて(あるいはそういう体験の
   積み重ねが足りなくて)『知らない単語を読み飛ばす』事への障壁が
   高くなってしまっているのか?

それとも、

  『知らない単語を読み飛ばそう』と思った時に、上記以外の何らかの障壁
   があるのか?

どちらか、あるいは両方なのかな?と思いました。

 後者の原因は漠然としていますが、読んでいて気になったのは…

〉こういった場合はどうなんでしょう?
〉Little house…読んでいてなんですが"icicle"という言葉がわからなかったんです。発音を考えるとどうもアイシィクルらしい。するとアイス(氷)に関係する言葉かな?読み進めるとツララ(イメージ)に近いようだ。でもちょっと違う。
〉そこで「うむむ…(-_-;)」と考えこんでしまったんです。

〉「90%は間違いない。でもちょっと違う。なにが違うのだろう?」

〉結局、その章を読み終わった後で英英辞書を引いてしまいまして

〉「なるほど…(^。^)」

〉と違いは理解できたのですが…

 これ、Kenyさんの性分なんでしょうね。
 こういう事があまり気にならない人、というか、気にしない人の方が、多読に馴染み
やすいという事はあると思います。でもそうは言っても、性分で気になってしまうのは、
仕方ないですよね。

 でも、調べなければ調べないで、その人なりの記憶にicicleという単語が強く記憶
され、再び別の本で見た時にその記憶が想起されます。そういう意味では、『あえて
調べない』という選択も、決して無駄な経験ではないと思うんですよ。

 でも、気になってしまうのであれば、辞書を引くのも精神衛生的にはいいと思います。
あるいは、まりあさん式に画像で確認!というのも面白いと思います。

 そうした事よりも私が読んでいてとても気になったのは、こういう時に辞書を引く/
引かない以前に、そういう単語があまりにも気になるものだから、Kenyさんがお話の
内容に集中出来ないんじゃないか?お話を十分に楽しめないんじゃないか?っていう
事の方がスゴく気になります。

 なぜなら、タドキスト本人が十分に楽しめない事は、私たちの多読の本質から逸れて
しまっているからです。(その理由は上でご説明したとおりです)

 うまくこの性分と折り合って、お話をもっともっと楽しめる様になるといいんですが…

       §  §  §      §  §  §

 ところで、Kenyさんの書いてくださったものを読んで、もう一つ身に覚えがあった
のは、自分が読める上限のYLに関してなんです。

 私の場合は最初はGRが中心でしたが、始めたばかりの頃は易しいGRは物足りない
感じがして、GRのレベルを一週間毎に1つずつ上げていました。これはYLで見た場合、
毎週0.6〜0.8くらい上げていた事になります。
 そうして、開始1ヶ月後くらいにはYL4の本を読んでいたんです。その後、先ほど
書いた技術文書の時期があって、その後仕事が忙しくなり、毎日英文の文書と格闘
しながら作業を続ける日々が続きました。

 それで、自宅での多読からすっかり離れてしまっていたんですが、数ヶ月後に
気付いたら、すっかり英語に触れないでいた日々が続いている事に気付いて、また
再開したんですよ。

 そうしたら、自分的にはYL5くらいが上限で、それ以上の本は難しくて読めないと
感じるという事が分かりました。今のKenyさんと同じような状態ですね。

 ちなみに、今は私は実用書も技術書も原書で読む機会が多くなりましたが、そうした
本の多くはYL3〜YL5くらいだと思います。YL3くらいだと内容自体が易しい本が多く、
YL5くらいの本だと相当複雑な内容・込み入った内容を記述してある本が多いですから、
通常多くはYL4くらいじゃないでしょうか。

# もちろん技術書の場合は専門用語の
# 知識が無ければ、YLはもっと高く
# 感じられると思いますけど。

 そういう意味で言うと、実用書中心に多読をされてきたKenyさんが、児童書のYL4〜
YL5で上限を感じるのはごく普通の事に見えます。

 話を戻すと、私の場合はラブコメが好きで、アメリカ映画のラブコメものばかりを
ずっとDVDで見ていた時期もあり、その頃から易しいラブコメ小説を探し始めました。
 通常、大人向けの恋愛小説だとYL6〜7くらいが主流ですから、相当ジレンマを感じ
ました。しかし、一冊だけYL5と書かれたものがあったので、40万語近くになって
それを読み始めました。相当読み飛ばしましたが、それでもストーリーは追えるという
事で低めのYLにされていた様で、何とか楽しく読み切り、栄えある50万語通過本にもなり、
自分的には満足でしたが、その後GRに戻ろうとしたら、自分にとってGRがすっかり退屈
なものになってしまっていて、読む気がしなくなっていたんですよ。

 それから、慌ててYL4くらいの児童書を探しました。幸いこの掲示板のバックログを
漁っていたら、読みたい本は山ほど見つかり、1ヶ月後には何とか100万語を通過する
事も出来ました。

 しかし、100万語を通過しても、自分が読みたいと思っていたYL6くらいのラブコメは
まだほとんど読めない状態であることに気付いたんです。

 『これは焦っても仕方ないんだな…』と思いました。それで、ちょっと目先を変えて
絵本を探したりしているうちに、

  『やはりYL3の本をたくさん読んだ方がいいんじゃないか?』

とやっと思い立ち、YL3の児童書をたくさん探して読み始めました。

 その頃は、いわゆるパンダ読みで、YL2かYL3の本を必ず一日に一冊は読んで、余った
時間にYL4〜5の本を読んだり、YL0〜1のLRや絵本を読んだりしていました。

 そういう時期を3ヶ月ほど過ごしたある日、YL6のラブコメを積ん読ボックスから
取り出して眺めてみると、予感がありました…

  『これなら…この本はもう読めるかもしれない…(嬉)』

 そう、読めたんです。楽しめたんです!ほんの3ヶ月前には『まだ難しいよぉ…』
と諦めていた本が。

 これは私の体験談なので、Kenyさんに当てはまるとは限りません。
 なにより、先ほども書きましたが、『楽しんでいない』事をするのは多読の本質から
完全にズレますから。ですから、Kenyさんご本人が楽しめる本を探して読んで欲しいと
思っています。

 ただ、

  『パンダ読みには色々と効能がある』

という事と、

  『学習効果を考えた時、YL3の児童書とYL4の児童書は、相当違う側面を
   持っている』

という事は確実に言えるなぁ…と思い、それは伝えたいと思いました。
 別の言い方だと…

  『多読の底力はYL3(の児童書)に有り』

ってなところでしょうか。

 とはいえ、YL3の児童書だと、現地の小学校低学年から中学年くらいの子達が主人公
のお話が多かったりして、子供っぽいのが好きじゃない人には合わないっていう事も
ありますから。でも、もちろんそうじゃない本もいっぱいあります。

 たとえば…

 アメリカの各時代毎に時代考証をして、その当時に居そうなティーンエイジの女の子
を主人公として登場させ、その娘を通して、その時代の人たちの生き様を描いている
American Girlのシリーズとか。

 私は苦手なのでまだ読んでないんですが、Sarah, Plain and Tallのシリーズとか。

 あと、動物が擬人化されている話が嫌いでなかったら、Lighthouse Familyシリーズ
もお勧め出来ますね。私は個人的に、この筆者のCynthia Rylantさんが大好きで、
彼女が書いた絵本を集めていたりしますけれど。

 長く書きすぎたので、このくらいにしておきます。
 いずれにしても、Kenyさん好みのいい本が見つかるといいですね。

 あっ!最後に一言。
 いきなり色んな反響があって、お返事を書くのも大変だったりしますから、掲示板に
はご自身のペースで書いていただいていいですからね。あるいは、Kenyさんがこれ以上は
お話ししたい事がなければ、私に対する返事は特になくとも構いません。
 もちろん、お返事をいただけるなら、また読ませていただきたいとは思いますけれど。

 それでは、Happy Readingで♪


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