Re: 【横リプ】え〜、こ、これは?

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[汗] 15803. Re: 【横リプ】え〜、こ、これは?

お名前: 酒井@SSS
投稿日: 2003/7/29(00:22)

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ほんとに「くいつきのいいオシツオサレツ」さん、こんばんは!

〉Baudolino!

そうです! 前に報告しましたが(と思いますが)、
仏英のシマウマ読み、しかも第1章はすっ飛ばし読み!です。

〉赤髭王の時代を舞台にした物語(ですよね?)のようですが、
〉もうすこし詳しいことを語って、もっと羨ましがらせてください。
〉お願いしま〜す。

いやー、おもしろかった!
(前に報告したとき、どこまで書いたか忘れたぞ・・・?)
600ページくらいあると思うんだけど、英語だったら一気に
読んだと思うな。(ほとんどバスタブの中しか読む時間はなかった!)

で、赤髭王バルバロッサ(実在)の養子ボドリーノ(虚在?)が
一生を語る形になっているのだけれど、なにしろいきなり
「わたしは小さいときからうそつきと言われていて・・・」と
はじまる。そもそもバルバロッサの養子になるところからして
でたらめとはったりで気に入られてしまうのだけれども、
いつものようにこれは嘘、嘘、嘘、と言いながら、
お話に引き込んでしまうところが、エーコらしい!
なんだかもう、読者はみんないやよいやよと言いながら
うれしそうにだまされるのであります。

フーコーの振り子もそうだったし、前日島もそうでしたね。
フーコーの振り子はしかも中世からの秘密結社がことごとく
嘘に巻き込まれてwild goose chase を繰り広げるところ、
主人公たちはそれを膨大な茶番劇と見切りながら、
巻き込まれていくっていうところがすごかった。
カリオストロ伯みたいな人も出てきて、歴史上の有名人みんなと
お話ししたことあるみたいなことを言ったりね。

最後にフーコーの振り子の陳列してあるパリの博物館
(つまり宇宙の中心!)で大団円!!
果たして、何百年も待たれた秘密結社の会合は開かれるのか!!!

って、ぜーんぶ嘘なんだから、あるわけないんだけど、
息を呑んで最後の場面を待ってしまう・・・

前日島も、すごかった!
はなからこれもfictionですと、保証されていて、
途中、それを何度も何度も聞かされながら、どうしても
彼女を載せた船がいましも岬を回って現れるのを(だったっけ?)
いまかいまかと待つ主人公と、読者! 実は主人公は
その島にさえいない! 不在の主人公と一緒にあこがれの人を
待ち望む読者!! もうエーコの手の中で、好きなように
されちまいました。

バラの名前がそもそも、ほら、ウィリアム・オブ・バスカビルで、
うそーって始まるでしょ。ま、あれはそういう意味では
単純な嘘の構造だったな。でもはじまりのところ、
どうやってアッヅォーの手稿の刊本が手に入ったかっていう
前書きみたいなところは、もうつゆたっぷりの桃のように
おいしかった! それにウィリアム・オブ・バスカビルが
ホームズそのままにいなくなった馬の謎を解くところなんか、
帰ってくるとわかっていてもどきどきした「ホームズの帰還」の
最初を思い出した! おお、おお、ホームズだあ!って。

ただだらだら書いてしまいました。あんまりネタバレしてもと
思って、歯がゆい書き方になっちゃいましたね。ごめんなさい。

その後エーコの小説を真似したような本が次々と出て、
ぼくはバラの名前がなつかしくて、つい買ってしまうのです。
10分の1でもあの雰囲気が味わえたらもうけものって思うから。
たいていそう損はしませんね。

あ、イタリアでは、イタロ・カルヴィーノの「冬の夜一人の・・・」も
忘れられませんね。あの、隔靴掻痒みたいな感じ、どうも
イタリアの話にはぼくは被虐的感覚をくすぐられてるみたいです。
でも「マルコヴァルドさんの四季」もおもしろいです。
英語で読んでみて、それからイタリア語も読んでみたいな。

いま、ハリー・ポッターの第4巻のフランス語版を読んでいて、
(50ページくらい)
バラの名前のフランス語版には(50ページくらいで)本棚で
寝てもらってます。
そして、まだ買ってないけど、神棚にお供えするつもりの本が
バラの名前のイタリア語版なんだけど、まず本棚には
マルコヴァルドさんの四季の英語版に入ってもらって、
それからフランス語版にも加わってもらって、
それからイタリア語版に神棚に載ってもらって、
全部読み終わったら、いよいよイタリア語版のバラの名前っていう
壮大な計画が・・・

あ、全部、嘘です!

きょうはもうこれでおしまいだな・・・

おやすみなさーい・・・


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