SLINKY JANE←大うなぎの名前

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14872. SLINKY JANE←大うなぎの名前

お名前: 道化師
投稿日: 2003/6/15(01:16)

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こんんばんは、古川さん、マリコさん。
SLINKY JANEが、そんなに議論の分かれる作品だとは知りませんでした。
危ない作品を話題に上らせてしまいました(笑)

〉PGR2は要注意といつも言っている張本人ではありますが、PGR2の評判があまりにも
〉悪くなると困ったなと思ってたところでした。
〉グッドタイミングの投稿で嬉しいです。

そうだったんですか。PGR2注意報はマリコさん発だったんですね。
確かに、PGR2は種類が多いだけに、当たり外れが大きいですもんね。
最大の外れは、読みにくいとか難しいとかの問題ではなく、
内容的にBAY WATCH-THE INSIDE STORYでした。
問題なく読めてしまうから、かえって内容に飽きれてしまいました。
読みながら、ずっと「なんじゃこれ?」って言葉が頭の中で巡ってました。
でも、PGR2を読まないと「レベル2で100万語」という
「素敵な知恵」(by酒井先生)も実行が難しくなってしまいます。
もしも、今のPGR2の作品数をOBW2並に絞り込んで、
外れ作品を無くしたら、そんなに遜色は無いと思うんですけれど。

さて、SLINKY JANEです。

〉あきおさんも、この本お好きみたいですね。
〉「セット漏れ」のところが残念な気持ちが表れているようです。
〉男性がわに立って読まれるからでしょうね。
〉Slinky側にたって読む読者としては、保守的な女性達の批判が、どうも違和感があって。

Slinky側に立つって、大うなぎの視点に立つんですか?(笑)
(Slinky Janeは大うなぎの名前です。)
冗談です。解っています。主人公の女性側にたって読むって事ですね。

〉小説だし、そういう時代なんだからというのはわかるのですが、身につまされるというか・・・

多分、1950年代、公民権運動やウーマンリブ運動が盛んになる直前、
マッカーシーズム吹き荒れる頃って感じでしょうか。

〉そういう女性達が村の世論を作っているという設定が、読んでいてあまり心地よくなかったです。
〉自分が日常いやだなと感じることが思い出されて・・・
〉まったく、個人的な感想ですが。

この「保守的な女性達」と言うのは、リアリティがあるようで、無い、
確かに現実に何処にでもいそうで、居ない存在だと思うのです。
読む人が男であろうと女であろうと、
この「保守的な女性達」に共感してこの作品を読む人は居ないと思うのです。
多かれ少なかれ、主人公の男女のどちらかに何処か共感する部分を感じて、
この作品を読む事になると思います。
と、言う事は主人公の男女には読者の心の中にある真実に近い
リアリティがある事になるけれど、
「保守的な女性達」にはリアリティはないと思うのです。
もし、この「保守的な女性達」と描かれているような立場の女性が
この作品を読んでも、自分はこの「保守的な女性達」と同じだとは
思わないでしょう。
言い換えると、この「保守的な女性達」と言うのは、
時代劇の悪徳代官や悪徳商人と同じで
現実には在り得ない存在だと思います。
(悪徳代官だって、現実に存在したら、妻子を愛していたり、
青春時代にほろ酸っぱい恋の思い出を持ってたりして、
バッサリと切り捨てたりは出来ない存在でしょう)
逆に、誰の心の中にも、こういう保守的な部分があるとも言えます。
人間、生活している全ての場面で、
革新的な存在として生きていられる訳ではないでしょうから。
自分が価値を置いている事にかんしては、
社会の保守的な部分に革新的な存在としていられるでしょうけれど、
価値を置いていないあまり意識していない場面では、
この「保守的な女性達」と同じような言動をしている事があると思うのです。
つまり、そういった意味で、この作品SLINKY JANEでは、
主人公の男の視点に立とうが、女の視点に立とうが、
この「保守的な女性達」の言動に対する不快感は変わらないと思うのです。
この不快感は「女性」に対する者ではなく、
「保守的」に対するものだと思うのです。
この小説の意図は、まさにそこにあると思います。
読んだ誰もが、個を取り巻く社会の保守性に、
憤りを感じさせるというか、居心地の悪さを感じさせるのが意図だと思うのです。
それが話の構成上、社会に波紋を呼び起こす異邦人を女性にしてしまったので、
憤りの対象が同姓の女性になってしまったと言う事にすぎないと思います。

小説には、気分爽快エンターテイメントと、快であれ不快であれ、心を揺さぶる作品が
あると思います。
それを楽しめるかどうかは、読む側の視点の変更によると思います。
気分爽快エンターテイメントを、中身があるのかだなんて言う視点で読めば
「なーんだ」って事になって、つまらない事になってしまいますし、
不快な小説だからと言って、社会の歪をそこから感じて、
自分が社会の中でより良く行動する為の思考の一助とすれば、
「いいたい事がある作品」として楽しめます。
PGR2は、英語のテキストとして、あらゆる人に受け入れられる為に
かなり広いバリエーションの作品を揃えている為に、
それを多く読んでいくことは、
読む時にこの視点の変更を多く強いられますけれど、
その変更さへ、その作品と噛み合えば、結構読めてしまいます。
私は読む時に、「これはおバカ系の作品」「これは深刻系」
「これは感動系」「これは童心系」とか思いながら、
楽しむ視点を変えて読んでいます。
和書を読むときは、最初に自分がどの系列が読みたいかを決めて
それから本を選ぶ事になるのでしょうけれど、
GR他タドク用図書を選ぶ時に、そんな事を言っていたら、
読む本が限られてしまいますから、仕方の無い事だと思っています。

以上、ダラダラと書きましたが、
Slinky Janeは男でも心地悪い作品だけれど、だからこそ面白いという事と、
PGR2も、読み手次第で、満更でもないという話でした。


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