Re: 迷い道の70万語

[掲示板: めざせ100万語! -- 最新メッセージID: 25675 // 時刻: 2024/6/27(02:21)]

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[電球] 12411. Re: 迷い道の70万語

お名前: SSS 酒井邦秀
投稿日: 2003/3/12(13:10)

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杏樹さん、バナナさん、間者猫さん、くまくまさん、こんにちは!

〉70万語通過しました。

70万語で迷い道、という例はいままであまりないと思うので、
杏樹さんの書き込みを見ながら、いろいろ考えてみました。
当たっていることもあれば、見当違いなこともあるでしょうが、
とりあえずの、ぼくの感想です。ご寛恕ください。
(すぐ、表現が古くなる!)

〉60万語の時にOBW3がいくら読んでも上達しないと言っていましたが、
それでイラチがきて、PGR3に飛んでみました。「ジェーン・エア」や
「プリンス・オブ・エジプト」が読みやすかったので「いけるかな?」と
思ったのですが、他の本はやはり読みにくいです。どうしても「すらすら」
とはいきません。「わからない」というほどではないのですが…。
〉だったらそういう時はやさしい本に戻る、が多読のルール。
…しかしPGR2は26冊以上読んだので「まだこのレベルを読むの?」と
思ってしまい、気が進みません。OBW2もかなり読みましたし…。

〉ならば絵本・児童書、と思ってアマゾンや多読セットを利用しましたが…。

〉Amelia Bedelia
〉あまりおもしろくありませんでした。あまりの大ボケぶりにわざとらしさを
感じてしまって。特にPlay Ballになると、野球オンチ、スポーツオンチの
私にはまるで物語になじめず、4 Mayorは市長室の会話が意味がわからなく
なって投げ出してしまいました。

〉また、絵本は総語数が少ないのですぐ在庫切れを起こしてしまいます。

〉児童書は
〉「George's Marvellous Medicine」
〉「Mrs. Cockle's Cat」
〉知らない単語が多いですが、面白いので一応最後まで読みました。でもいまいち理解が足りないような…。

〉「CATWING」も1巻だけ読みました。やはり知らない単語が多いので、このまま次の巻に進んでいいのか心配です。

〉MTHは読みやすいですが、#9まで読んで突然飽きてしまいました。

このへんまで、ぼくなんかの考えつく助言はすべて試し済み!
さーってっと・・・ってんで、困り果てて、しばらく返信が
書けなかったのです。

でも、やっぱりCatwingsのここかな、原因はと・・・
wild guess ですが・・・

Catwingsを読まれて、「知らない単語が多いのでこのまま
次の巻に進んでいいのか心配」と書かれていますね。
これがちょっと「心配」

〉ということで、レベルの低いものは飽きた、読みたい本はすらすら
読めない、ということで「一体何を読んだらいいの〜!!」状態に
なっています。

なるほど。杏樹さんのように「好み」のきびしい人はときどきいます。
杏樹さんは東洋文学専攻でしたっけ?文章そのもの、登場人物の
描き方、筋の運び、そういったさまざまなことに目が行って、
それぞれにご自分で許せる水準をしっかり持っているんだろうなと
察します。

そして、そういう好みの厳しい人はそんなにたくさんいないので、
ぼくもまだ経験が足りなくて、「そういう時は、こうすればいいですよ」
といううまい処方箋を持っているわけではありません。

〉という状態でPGR3の「David Copperfield」で70万語を通過したんですが、これは面白くてわかりやすくてスイスイ読みました。邦訳で読んだことはありますが、内容はほとんど忘れているので…。ただ、ドーラのことが以前は「なんでこんなバカな女と結婚したんだ」と思いましたが、あんまり二人で「I love you」と繰り返し言うので「そんなに好きだったんだからしゃーないな」と思うことができました。また、変わった名前が多いように思いますが、当時のイギリスではこれで普通なのでしょうか。それともディケンスは変わった名前を付けるのが好きだったとか。

(まずディケンズの名前の付け方から。そういえばたしかに変な名前が
ありますね。いちばんおかしいのは Pegotty かな?庶民風の名前を
ねらっているんだと思いますね、Pegotty の場合は。それからディケンズ
の場合は、名前で性格を表そうとすることもよくあって、その点は
大衆小説そのものです。たとえば David Copperfield の「色悪」
Steerforth は結局何でも自分の思い通りにする人間だということが
名前で暗示されているんですね。ほかにも Hard Times のガチガチ
強欲の実業家は Grindstone という名前だった・・・)

一つの解決方法は間者猫さんやくまくまさんが書いているように
書評で評判のよいもの、古典のGRを次々と読んでみて、
つまらなければ「どんどん投げ捨てる」ことでしょうか?

〉私は一体レベル何?

もう一つは絵本の読み直しです。そこで質問ですが、
絵本って、案外深く読めるものなのですが、杏樹さんは
どう思われました?杏樹さんのきびしい眼でもう一度
読み直して、深く読めて楽しいものだけ、何度も
読んでみてください。

た だ し ・・・

〉特に児童書は文章よりも単語力に問題があるようなので、読みたい本があれば辞書を引いてでも読んではだめなんでしょうか…。

辞書はしばらく一切引かないことにしてみてください。
杏樹さんのこれまでについてたった一つ「心配」なことが
あるのですが、杏樹さんの眼が透徹しているあまり、
文章の持っている内容をすべて汲み尽くさないと気が
済まないっていうことはありませんか?

どこの掲示板で白状したのか忘れましたが、ぼくもその傾向が
あって、(ぼくの目が透徹している訳ではなくて、ただ
商売に役立てようと鵜の目鷹の目なだけですが)文章を
あらゆる角度から検討しながら読んでいます。

ぼくの場合はその結果、読む速度が経験の長い割に遅くなって
います。で、自分のことは棚に上げておいて、杏樹さんにこう
いいたいと思います。

もっと、もっと、もっと、いい加減に!

〉CATWINGでは最初にfly-by-nightという言葉が出てきました。
わからなかったので飛ばしましたが、後で気になって調べたら…!!!
という意味で…こんなことを言うおとなりさんがいたらfly awayしたく
なるよな、って納得しました。

「納得」する快感はぼくも分かります。ぼくは元文法少年だったし、
辞書引きだって、凝って、ながーいあいだいろいろな辞書を集めていた
時期があった・・・(これも白状ですが、ぼくが買った一番高い辞書は
ウェブスター・インターナショナルの第2版、値段は6万5千円!
2,3回しか引いていない!いまは値上がりを待っているのですが、
古書としての値段はいまどうなっているのか・・・?)

けれども「納得」はしばらくあきらめましょう。心の中にもやもやを
残したままあらゆる本を読み終わってください。それをしばらく続けると、
もやがすこしずつ薄くなって、どの語がはっきり分かるというのでも
ないけれど、本の全体がすこーしずつ、すこーしずつくっきりと
見えてくると思います。(これはぼく自身の経験です)

本を森にたとえれば、最初は「もや50%」で森の中をたどる道筋だけが
ようやく見えている程度かもしれませんが、そのうち、もやが薄れてきて、
道の脇の樹影がおぼろげに見えてくる、そして葉っぱの形がみえてくる、
ってなことになりゃあしないかな・・・と、思います。

〉ちなみに私は酒井先生の「どうして英語が使えない?」を読んで
辞書の害がわかりました。しかしその一方で自分がどれだけ学校英語、
受験英語が身についてないかもよくわかりました。私はかなりunlearn
できている方ではないかと思います。それに外国語をかじるのは好きで、
異なる言葉同士が一対一で対応しないのはよーくわかっていますし、
言葉は考え方や発想そのものを左右しているので、その国の言葉は
その国の言葉のまま理解するべきだと思っています。多読以前でも
一字一句解釈しながら日本語に訳しながら読む、ということはしたことは
ありません。辞書は外国語を読んでわかるための道具なので、辞書のせいで
読み進めなくなるのは本末転倒、便利に使って役に立つよう使うべきだと
思ってきました。
〉またインタースクールの中国語コースに通っていた時、翻訳の宿題がいつもあるのですが、辞書の訳語がどれだけ役に立たないか実感しました。意味は間違っていなくても日本語としてその文章の中では不自然、ということがあるので。

辞書の害を身に沁みて感じていらっしゃるので、いよいよぼくには
言えることがなくなりそうなのですが、でも無理やりあてずっぽうで
いってしまえば、辞書のことについてはこの上なくよく分かっていらっしゃる
けれども、ひょっとすると「文のなにもかも分かってやろう」という
貪欲さはまだお持ちなのじゃないだろうか?

その貪欲さをすこしだけ眠らせて(そのうちいつか目覚めたときは、
思う存分文章をしゃぶりつくすことでしょう)、「質より量」、
「量がすべてを解決する」をモットーにしてみてください。

もし、木の枝葉にこだわらずに、大筋だけ楽しむつもりなら、
GRにも波瀾万丈だったり、徐々に涙腺を刺激したり、という本は
かなりあるのではないかな?それから Holes なんかも、
どこかで借りられませんか?掲示板でMatildaとどっちがむずかしいか?と
検討中ですが、杏樹さんもご自分で確かめてみてはどうでしょう?

そうだ、ぼくは杏樹さんの文学的な志向からすると、
もしおおざっぱに読めるようにさえなれば、GRのレベル3をはるかに越えて、
少年小説の秀作をいますぐにでも楽しめるのではないかと
suspect しています。

どんなもんでしょう?
「いい加減読み、バンザイ」で、楽しい読書を!


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